圧倒的再生力!パナソニックDIGA史上最強BDレコーダー「DMR-BZT9000」の魅力に迫る
『キング・オブ・レコーダー』BZT9000
『パイレーツ・オブ・カリビアン』夢の競演!
141分の長丁場も一気に楽しませる本機の再生能力
DMR-BZT9000インプレッション text/ 林 正儀
シリーズ初の3Dコンテンツで、音声がDTS-HDマスターオーディオ 7.1chとくれば、磨きあげたクオリティをもつDMR-BZT9000にピッタリだ。
3D効果のハイライトは崖からの大ジャンプやスクッと突き出す刀剣、それに人魚のシークエンスなど。『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』は全体に被写界深度の浅い絵づくりで、アトラクション的な飛び出しにならないのが好ましい。DIGAの最高峰らしく、凄まじい高S/Nぶりとまたエッジや色処理も自然で、クロストークのない目に優しい立体映像。劇場以上の疲れにくさといえるだろう。
3Dでも色の鮮度が落ちないのは、ベースとなる発色のパワーやコントラストがずば抜けているからだ。黒階調のレンジが深く、グンと沈み込んで暗部まで潰れることがない。夜の波間に浮かぶ人魚の大群が奥の奥までクッキリと浮かび、見応えがある3D光景である。この場面は2Dでも猛烈な遠近を感じるシーンだが、BZT9000はいずれも完成度が高く、素早い動きにも追従する。人魚がダイナミックに空中を、そして空中から水中へと動き回るさまは圧巻で、小舟が襲われる場面は自分が海に引きずりこまれるような錯覚を持ったほど。また質感描写もハイレベルで、人魚シレーナの透明な肌や銀のウロコの光沢感は見事の一言。難しい霧の濃淡も、疑似信号に汚れることなくリアルに描いていた。
UniPhierを駆使した信号処理と、手ごたえのある剛性ボディが映像以上に効果的と感じるのが音響描写。際立つ解像力とS/Nの良さに加え、ゆるぎのない安定度が素晴らしい。ピュアオーディオ機のような雰囲気さえ感じさせる音の精度感と雄大なスケールのエフェクトが、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命(いのち)の泉』の重厚なタッチにマッチするのだ。テーマ音楽が一層パワフルで、一音一音の分離がよくキレ味鮮明。人魚の海は360度包囲の生々しいサラウンド効果で、いつ襲われるかわからない恐怖心がつのる。
圧巻は黒ひげの船が放つ火器の威力。まさに海の火炎放射器! 凄まじい轟音とともに一瞬海が明るくなり、すべてを焼き尽くす。厚く深みのあるセリフも聞かせ所で、人魚シレーナと牧師との愛の語らいが素晴らしい。バルボッサ、黒ひげ、アンジェリカ、ジャック・スパロウと役者が揃う生命の泉での壮絶な闘いは、最後の見どころ聞きどころだ。海賊と英国軍の入り乱れたスリリングなシチュエーションだが、バックに勇壮な「怒りの日(ベルリオーズの「幻想交響曲」でお馴染み)」が流れたり、音響的に盛り上げる。141分の長丁場も一気呵成に楽しませる本機の魅力に圧倒されっぱなしだった。
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