圧倒的な臨場感と没入感
ソニーのヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」でPS3の3D立体視ゲームを体験!
■いよいよ3D立体視ゲームをプレイ。超大画面での3D映像は圧巻
今回の記事の目的は3D立体視のゲームプレイだ。公式ページに3D立体視ゲームのラインナップが公開されているが、ここを見て頂ければお分かりの通り、その数は着実に増えている。今回用意したソフトは『グランツーリスモ5』。PS3にゲームのディスクをセットして早速プレイしてみた。
なおPS3では本体設定で3Dスクリーンサイズの設定が行える。今回は仮想スクリーンの設定に合わせ、750インチに設定してプレイした。
『グランツーリスモ5』を起動したあと、「オプション」メニューで「3DTVモード」の設定を有効にすると、3D立体視が行えるようになる。タイトル画面に流れるムービーまで3D化されており、期待が高まる。
『グランツーリスモ5』はレースゲームなのだから、気になるのは3D視聴としての立体感と没入感。何はともあれ走らせてみようと「アーケードモード」でコースへと繰り出してみた。
まず、本機の750インチという広大なスクリーン設定に圧倒される。ゲーム画面のほかに何も見えないこともあり、没入感は非常に高い。
なお3Dについては、前にドーンと飛び出してくるような立体効果は、この作品ではあまり期待できない。画面の奥行き方向の立体感はたしかに感じられるが、立体効果としては控え目だ。
ただし、しばらくプレイしていると、この3D効果設定の正しさが実感される。ゲームは長時間プレイされることも多く、派手な立体視効果が続くと目が疲れてしまう。そのため、奥行き方向の立体感を広げる設定となっているのだろう。
驚いたのは、スピードメーターなど計器類の表示が、文字通り手前に表示されるので、路面と計器類へ同時に注意を向けることがやや難しくなることだ。
現実に車を運転する人であれば、メーターを見る時に一瞬路面から目を離し、手前の計器に目をやる感覚が分かると思うが、全く同じ理由で『グランツーリスモ5』では、画面全体の情報を一目では把握できなくなる。本当に車をドライブしている感覚で、とても新鮮だ。
いずれにしても、立体視の効果や見せ方はゲームソフト側でデザインできるものであり、今後3D立体視対応ゲームが増えるにつれ、様々な表現手法が生まれてくるだろう。
■『グランツーリスモ5』の3D設定は視差と輻輳点の2種類
さて、本機は有機ELパネルなので、遅延がほぼゼロであることもポイントだ。パネルの応答速度は0.01msecで、液晶とはまさに桁違いなのだ。グランツーリスモ5をプレイしてみても、もちろん操作との遅延などは一切感じられない。これは、タイミングがシビアなゲームを好む方には非常に嬉しいポイントだろう。
ちなみに『グランツーリスモ5』では、ゲーム内の3D設定で「視差」「輻輳点」の調整が行える。このうち「視差」の数値を高めると、ゲーム内の3Dオブジェクトがより手前に出て来るので、デモ的に「HMZ-T1」の3D効果を体感したいなら、最大の「10」まで設定を引き上げてしまってもいいだろう。
「輻輳点」は全体的な3Dの基準面(飛び出しの前後がない状態)の設定を行うものだが、これは0.00〜1.00で調整できる。この設定も最大にプレイしてみたら、車の飛び出し感がより感じられるようになり、迫力重視になるものの、問題なくプレイできた。
この3D設定については個々人の好みもあるだろうし、実際プレイしてみると、どの設定がベストとも言い難い。一度最大値まで上げ、そこから徐々に数値を下げて調整しながらプレイすることをオススメしたい。