圧倒的な臨場感と没入感
ソニーのヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」でPS3の3D立体視ゲームを体験!
■ダイナミックで力強い画質。720pの立体視ゲームに最適
画質設定もチェックしてみよう。「HMZ-T1」には「ダイナミック/スタンダード/シネマ/カスタム」と4つのモードが用意されている。『グランツーリスモ5』のプレイは「スタンダード」設定で行ったが、有機EL特有の締まった黒とコントラスト感のある画質で、ダイナミックモードではないかと思えるほど明るく、力強い映像だ。
「ダイナミック」はより色温度が高く明るさ重視、「シネマ」は色温度を落とした階調重視のセッティングだ。実際の調整だが、『グランツーリスモ5』については元のソースがCGだけあって、設定をそれほど追い込まなくても、ストレートに再生するだけで高画質が得られる。
さて、PS3の裸眼立体視対応ゲームは、基本的に720pで出力される。本機の有機ELパネルも1,280×720ドットなので非常に相性が良い。ゲームの解像度を余すところ無く伝えてくれる。とは言え、これがフルHDパネルだったらどれだけの映像になるのか、興味が湧いてくるのも事実。本機はすでに予約段階だけで大きな人気を得ているが、今後はさらなる解像度の向上にも期待したいところだ。
■映像とマッチングが取られた音の良さも本機の魅力
音質の良さも特筆したい。「HMZ-T1」のサラウンド機能とゲームのマッチングは非常に良く、効果は抜群。搭載されている「5.1chバーチャルサラウンド技術」(Virtual Phones Technology)はエンジンの重低音をパワフルに響かせ、低音のヌケが良い開放感の高さも魅力だ。
映像と音をトータルに設計した機器だけに、マッチングが完全に図られたサラウンド空間を体験できる。従来のヘッドホン以上にリアルな空間の再現が味わえるのだ。
HMZ-T1で3D立体視ゲームをプレイして実感したのは、3Dの超大画面でゲームをプレイする、これまでに体験したことのない楽しさだ。
従来は当たり前に感じていた2Dの視点が3D視点になることで、ゲームの世界への没入度が大きく向上する。
3D立体視対応ゲームも続々とラインナップが増えてきているため、ゲームファンにとっても6万円前後という手頃な価格で購入できる本機は気になる存在だろう。3D立体視ゲームが本格的にブレイクするきっかけは、このHMZ-T1が担うことになるかもしれない。
(折原一也)