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【レビュー】DMRでスマホ連携、バッファローのネットワークメディアプレーヤー「LT-V200」
■スマホユーザー要注目の「DMR」
LT-V200には、ビデオレコーダーなどのDLNA機器(Digital Media Server/DMS)にあるコンテンツを再生する「Digital Media Player(DMP)」としての機能を備える。一般的に、DMPを指して「DLNAクライアント」と呼ぶことが多いが、LT-V200には他のクライアント機能も用意されているのだ。
それが「Digital Media Renderer(DMR)」だ。Digital Media Controller(DMC)から指示を受け、DMS上で公開されているコンテンツを再生する機能だが、「DLNAクライアント」を標榜する機器でもDMRをサポートするものは意外に少ない。
わかりやすくいうと、DMPは「自身でメディアをブラウジングする必要があるデバイス」で、DMRは「コンテンツを展開(レンダリング)するだけのデバイス」だ。備え付けのリモコンでの操作を前提としたDMPとは異なり、DMRでは再生対象のコンテンツを指定できない。Digital Media Controller(DMC)から再生指示を受けたコンテンツを受信し、淡々と画面へ出力するのみだ。
それなのになぜDMRが魅力かというと、「リモコンを使わずに済むから」。LT-V200の場合、付属のリモコンを直接操作するより、操作性に優れる他のDLNA機器(DMSとDMC)から再生指示を受けたほうが使いやすいのだ。
iPhoneアプリ「iMediaShare」を例に説明してみよう。
DLNAサーバ(DMS)として動作するこのアプリは、iPhone上にあるメディアコンテンツをDLNAネットワークに公開、LT-V200から(DMP機能で)アクセスできるが、DMCとしての機能も備えている。つまり、iPhoneで撮影した動画や静止画、音楽をiPhone側で選び、LT-V200へ「プッシュ」できるのだ。
試しに、iPhone 4で撮影した動画をiMedia Shareで選択し、出力先にLT-V200を選択したところ、特に支障なく再生できた。再生開始から数秒ほどバッファリングの時間を要したものの、操作は至ってスムーズだ。iPhone 4上でDLNAサーバアプリを動作させ、LT-V200のリモコンで再生指示するより、操作は格段にラクだといえる。
写真や音楽も同様に、iPhone側から再生を指示できた。タッチパネルという優れた指示装置を備えるスマートフォンとの連携の場合、LT-V200のDMR対応は大きなアドバンテージとなるはずだ。
(海上忍)