「Denon Remote App」最新版も徹底チェック
サウンドだけじゃない、機能も大きく進化した − DENON「AVR-3313」集中ハンドリングレビュー
デノンオリジナルアプリ「Denon Remote App」がバージョンアップ ー どのくらい便利に進化したのか
デノンオリジナルのコントロールアプリ「Denon Remote App」は、今年4月に“Ver.3”へアップデートされ、大幅にその使い勝手が刷新されて、便利になっている。本アプリに対応するのは「AVR-3313」だけでなく、兄弟機の「AVR-2113」「AVR-1713」(製品レビュー)やネットワークオーディオプレーヤー「DNP-720SE」(製品レビュー)も同じだ。なおデノンでは近くAndroid版のアプリも提供を開始する予定だ(関連ニュース)。
最新バージョンになって、アプリが大きく進化したポイントを見ていこう。やはりDLNAネットワーク再生周りは大きくその使い勝手が高められている。
旧バージョンではNASに保存した音楽ライブラリをブラウズする際に、スクロールの途中で“読み込み待ち”が発生しやすかった。それが新バージョンでは改善され、スクロールがより滑らかになっている。基本的な部分を地道に改善してきたことは評価したい。
またライブラリのブラウズ時に、アートワークのサムネイルが表示されるようになったことも嬉しい。ブラウズ画面の華やぎが増している。
再生中の画面には経過時間/残り時間、そしてタイムバーの表示が追加された。さらにアートワークは画面をフリックすることで拡大表示ができるようになった。前述のサムネイルと並んでアートワークの活用が進み、ジャケ写好きには嬉しいことだ。
そして大きな機能追加はプレイリスト作成・編集への対応だ。ライブラリから曲をピックアップして、自由に並べて保存しておける。これが用意されたことで、DLNAコントローラーとしての基本機能はおおよそカバーされたと言える。
他にも、ホーム画面に好みの機能を割り当てられるショートカットボタン機能、本機にHDMI接続されたデノンの対応BDプレーヤーの操作機能も実現。細かなところから大きなところまで使い勝手が強化されており、繰り返しになるが実用度がぐぐっと高まっている。既存ユーザーの方々も、改めてアプリの進化度をチェックしてみてほしい。
デノンの熟成されたサウンド技術と先進的な機能が融合したAVアンプ
昨年モデルの「AVR-3312」に対して、新製品の「AVR-3313」は、型番の数字は「1」しか上がっていないが、実は大幅な進化を遂げていることが、実機をテストみてわかった。音質面や使い勝手の良い機能においては、前モデルの定評から素直に継承し、そこに最新世代のAVアンプに求められる機能を上手に追加して、ユーザーが無理のない範囲で使いこなせるよう、アプリなどを通じて使いやすさも提供する。その高い完成度を実感した次第だ。
現在のデノンのAVアンプのラインナップを見てみると、本機は「最新世代機のハイエンド」であることも特長だ。本機より上の価格帯のモデルはまだ、4KやDenon Link HDには対応していない。そして弟機のAVR-2113、AVR-1713に対してはもちろん、アンプとしての基礎体力に優位性を持っている。本機には現時点での最上位機種としての、風格が漂っているように感じられる。
つまり本機は、最新機らしからぬ「熟成」と、最新機ならではの「先進性」を合わせ持つ、旬の製品と言える。今年のAVアンプ選びにおいて、ベストな選択肢のひとつとしてオススメできるモデルだ。
◆高橋 敦 プロフィール
埼玉県浦和市(現さいたま市)出身。東洋大学哲学科中退後、パーソナルコンピュータ系の記事を中心にライターとしての活動を開始。現在はデジタルオーディオ及びビジュアル機器、Apple Macintosh、それらの周辺状況などに関する記事執筆を中心に活動する。また、ロック・ポップスを中心に、年代や国境を問わず様々な音楽を愛聴。その興味は演奏や録音の技術などにまで及び、オーディオ評に独自の視点を与えている。
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