話題の製品の使い勝手や音質とは?
【最速レビュー】iBassoの超弩級ポータブルオーディオプレーヤー「HDP-R10」を聴く
■大柄な印象だが軽量で持ち運びにも適している
ポータブル製品はこうあるべきという既成概念を取り払い、徹底した音質追求を行った「HDP-R10」。その発売日を指折り数えている人も少なからずいるだろうが、運良く最終サンプルといえる試作機を借用することができたので、詳細を紹介していこう。
マグネシウム合金とアルミニウム合金を採用したボディは、幅71.8×高さ27.5×奥行き118mmと、画面部分のサイズこそイマドキのスマートフォンと大差ない(ディスプレイは3.75型のタッチパネル)ものの、厚みが27.5mmもあるため、かなり大柄な印象を与える。イメージ的には、超弩級の高級ポータブルヘッドホンアンプに近いかもしれない。
しかし手に持ってみると、角にテーパーや丸みが与えられているためか嵩張る印象はなく、そのうえ重量が260gと、見た目の印象ほどには重くもない。金属を多用した筐体にもかかわらず、この軽さを実現したのはリチウムポリマーバッテリーのおかげだろう。何とかポケットに入りそう、これだったら携帯していいかも、と思わせるスケールに留められているのだ。これはありがたい。
■独自機能を備えたオリジナル音楽プレーヤー「HD Player」
オリジナルの音楽プレーヤー「HD Player」もなかなか使い勝手が良い。PCからの転送は、特に専用ソフトなどは用意されておらず、USB接続(ストレージデバイス認識)によるドラッグ&ドロップを基本としたシンプルなものだが、「HD Player」が転送された音楽ファイルの情報を読み込み、自動でアルバムやアーティスト名などを整理、登録してくれるため、再生時には、手間なく目的の曲を見つけ出すことができる。またプレイリストを作ることもできるため、ひと手間はかかるものの、好きな曲を並べることもできる。
注意すべきは、WAVなど楽曲データの付属していないことが多いファイル形式の場合だが、「HD Player」にはフォルダ選択のアイコンも用意されているし、アルバムの曲順(の数字)をファイル名の頭につければ順序よく再生されるようになるので、リッピング時か転送時にひと工夫加えるだけでよい。WAVで音楽ファイルを管理している人も、これだったら手軽に扱えるだろう。
そして、「HDP-R10」にはmicroSDカードスロットも用意されており、64GBの内蔵ストレージだけでなく、こちらからの音楽再生も可能となっている。これも便利そうだ。またAndroid向けには、様々な音楽プレーヤーソフトがリリースされているので、それらを使ってみるのも面白いかもしれない。スマートフォンなどで使い慣れたプレーヤーをインストールしてみるのもいいだろう。
とはいえ、基本的には標準の「HD Player」の使用をお勧めしたい。というのは、こちらには「HDP-R10」独自の音質にまつわる様々な設定が用意されているためだ。特に、デジタルフィルターの方式を選択する「DF」とアップサンプリングの指定ができる「SRC」は、他の音楽プレーヤーソフトではまず用意されていない専用のものなので、「HDP-R10」の実力を最大限に発揮されるためには、「HD Player」で音楽再生を行うのが無難といえる。
さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。次ページで紹介していこう。