大本命7モデルを野村ケンジが一斉テスト
DSD対応USB-DAC一斉レビュー<第4回>ティアック「UD-501」
DSD対応USB-DACを7モデルにわたって一斉試聴する今回の企画。第4回目は、そのデザインと、PCM 384kHz/32bit、DSD 2.8MHz/5.6MHz再生への対応で注目を集めるティアックの「UD-501」(関連ニュース)をレビューする。
※第1回 ラトック「RAL-DSDHA1」「RAL-DSDHA2」のレビューは(こちら)
※第2回 コルグ「DS-DAC-10」のレビューは(こちら)
※第3回 フォステクス「HP-A8」のレビューは(こちら)
■PCM 384kHz/32bit、DSD 2.8MHz/5.6MHz再生にも対応の「UD-501」
2011年にはデスクトップオーディオをメインターゲットとしたコンパクト・コンポーネント「Reference 01」シリーズをデビューさせたティアック。この冬は、上位モデルとなる「Reference 501」シリーズが登場した。プリメインアンプからヘッドホンアンプ、CDプレーヤーまで幅広いバリエーションをとりそろえる中、最新スペックを誇るUSB-DACとしてラインナップされたのがこの「UD-501」だ。
シリーズ共通となるヘアライン処理が施されたブラックカラーのボディを、シルバーのアルミ製サイドパネルで挟み込むスタイルは、一見するとプロフェッショナル機器をモチーフにしたように見える。だが、角を丁寧に処理した仕上がりや、フロントパネルの重厚さ、凝ったデザインのボリュームなど、全体の佇まいはコンシューマー向け上級モデルならではの上質感が漂う。なお、ボディカラーはブラックの他にシルバーも用意されている。
「UD-501」の最大のアピールポイントと言えば、やはりその内部に収められているシステムだ。PC用のUSB入力は、DACにバー・ブラウン製PCM1795をチョイスすることで最高384kHz/32bitのリニアPCM再生に加え、DSD2.8MHz/5.6MHz再生にも対応。加えて同軸デジタル2系統、光デジタル1系統の入力も用意し、デジタルプリアンプとしても活用できるようになっている。一方でアナログ出力は、XLRバランスとRCAアンバランスの2系統を搭載。フロントパネルにはヘッドホン出力も用意され、幅広いシステムに対応する充実した機能性を持ち合わせている。
さらに驚きなのが、左右チャンネルの干渉を防ぐ「デュアルモノーラル構成」を採用していることだ。回路はもちろん、各チャンネルにそれぞれDAC(PCM1795)やオペアンプ(MUSES8920)を配置、さらにトロイダルコアトランスも2基搭載して電源部もチャンネルごとにセパレートしているのだという。さすがティアックと言いたくなる、徹底的なこだわりようだ。
ハイレゾ音源を再生ソースに実際の音を聴いてみると、確かに徹底したチャンネルセパレーションが功を奏しているようで、ダイナミックレンジがとてつもなく幅広い、S/N感の良好なサウンドが楽しめる。フルオーケストラの演奏は、抑揚が豊かで迫力があり、細やかな部分までしっかりと伝わってくるので、演奏がとてもリアルに感じられる。
ただし、フォーカス感が今ひとつ垢抜けないというか、音にわずかな付帯音があるようにも感じられたので、付属の足の下に金属製のインシュレーターを置いてみたところ、不満点が一気に解消。フォーカス感が高く、キレの良いサウンドに生まれ変わってくれた。特に低域が付帯音のない締まった音に変わり、ジャズやハードロックなどのグルーヴ感もずいぶんと高まった。逆に、この音だと「低域がゴリゴリ硬すぎる」と感じる人がいるかもしれない。幸い「UD-501」付属の足はネジ1本で簡単に外れるようになっているので、好みに合わせていろいろ試してみるのもいいだろう。
続いてDSD音源を再生してみる。こちらもなかなかに良い。DSDならではの密度感の高い丁寧なサウンドが、見事に再現されている。ダイナミックレンジの幅広さでは、リニアPCMのハイレゾ音源に軍配を上げたくなる面もあるが、逆に捉えればPCMもDSDもその特徴がしっかりと引き出されているということ。現在のようなCDリッピング音源からDSD音源まで様々なフォーマットが混在する状況では、ありのままをストレートに再現しようとするなら、「UD-501」のような素直なキャラクターが望ましいかもしれない。
なお、「UD-501」には専用プレーヤーとして「TEAC HR AUDIO PLAYER」が用意されている。こちらはWindows(Vista以降)とMac、両OSに対応している上、DSD再生時に問題となるプレイヤー設定の煩雑さもパスできるため、とても便利だ。「UD-501」導入の際は、こちらを活用するのが得策と言える。
【執筆者プロフィール】
野村ケンジ
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。
※第1回 ラトック「RAL-DSDHA1」「RAL-DSDHA2」のレビューは(こちら)
※第2回 コルグ「DS-DAC-10」のレビューは(こちら)
※第3回 フォステクス「HP-A8」のレビューは(こちら)
■PCM 384kHz/32bit、DSD 2.8MHz/5.6MHz再生にも対応の「UD-501」
2011年にはデスクトップオーディオをメインターゲットとしたコンパクト・コンポーネント「Reference 01」シリーズをデビューさせたティアック。この冬は、上位モデルとなる「Reference 501」シリーズが登場した。プリメインアンプからヘッドホンアンプ、CDプレーヤーまで幅広いバリエーションをとりそろえる中、最新スペックを誇るUSB-DACとしてラインナップされたのがこの「UD-501」だ。
シリーズ共通となるヘアライン処理が施されたブラックカラーのボディを、シルバーのアルミ製サイドパネルで挟み込むスタイルは、一見するとプロフェッショナル機器をモチーフにしたように見える。だが、角を丁寧に処理した仕上がりや、フロントパネルの重厚さ、凝ったデザインのボリュームなど、全体の佇まいはコンシューマー向け上級モデルならではの上質感が漂う。なお、ボディカラーはブラックの他にシルバーも用意されている。
「UD-501」の最大のアピールポイントと言えば、やはりその内部に収められているシステムだ。PC用のUSB入力は、DACにバー・ブラウン製PCM1795をチョイスすることで最高384kHz/32bitのリニアPCM再生に加え、DSD2.8MHz/5.6MHz再生にも対応。加えて同軸デジタル2系統、光デジタル1系統の入力も用意し、デジタルプリアンプとしても活用できるようになっている。一方でアナログ出力は、XLRバランスとRCAアンバランスの2系統を搭載。フロントパネルにはヘッドホン出力も用意され、幅広いシステムに対応する充実した機能性を持ち合わせている。
さらに驚きなのが、左右チャンネルの干渉を防ぐ「デュアルモノーラル構成」を採用していることだ。回路はもちろん、各チャンネルにそれぞれDAC(PCM1795)やオペアンプ(MUSES8920)を配置、さらにトロイダルコアトランスも2基搭載して電源部もチャンネルごとにセパレートしているのだという。さすがティアックと言いたくなる、徹底的なこだわりようだ。
ハイレゾ音源を再生ソースに実際の音を聴いてみると、確かに徹底したチャンネルセパレーションが功を奏しているようで、ダイナミックレンジがとてつもなく幅広い、S/N感の良好なサウンドが楽しめる。フルオーケストラの演奏は、抑揚が豊かで迫力があり、細やかな部分までしっかりと伝わってくるので、演奏がとてもリアルに感じられる。
ただし、フォーカス感が今ひとつ垢抜けないというか、音にわずかな付帯音があるようにも感じられたので、付属の足の下に金属製のインシュレーターを置いてみたところ、不満点が一気に解消。フォーカス感が高く、キレの良いサウンドに生まれ変わってくれた。特に低域が付帯音のない締まった音に変わり、ジャズやハードロックなどのグルーヴ感もずいぶんと高まった。逆に、この音だと「低域がゴリゴリ硬すぎる」と感じる人がいるかもしれない。幸い「UD-501」付属の足はネジ1本で簡単に外れるようになっているので、好みに合わせていろいろ試してみるのもいいだろう。
続いてDSD音源を再生してみる。こちらもなかなかに良い。DSDならではの密度感の高い丁寧なサウンドが、見事に再現されている。ダイナミックレンジの幅広さでは、リニアPCMのハイレゾ音源に軍配を上げたくなる面もあるが、逆に捉えればPCMもDSDもその特徴がしっかりと引き出されているということ。現在のようなCDリッピング音源からDSD音源まで様々なフォーマットが混在する状況では、ありのままをストレートに再現しようとするなら、「UD-501」のような素直なキャラクターが望ましいかもしれない。
なお、「UD-501」には専用プレーヤーとして「TEAC HR AUDIO PLAYER」が用意されている。こちらはWindows(Vista以降)とMac、両OSに対応している上、DSD再生時に問題となるプレイヤー設定の煩雑さもパスできるため、とても便利だ。「UD-501」導入の際は、こちらを活用するのが得策と言える。
【執筆者プロフィール】
野村ケンジ
ホームシアターやヘッドホン、音楽関連、カーAVなどの記事を中心に執筆活動を展開している。100インチスクリーン+TADスピーカーで6畳間極小ホームシアターを実践。さらに現在はステレオと7.1chの同居計画が進行中。好きなクルマはアルファ・ロメオなどのイタフラ系。