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携帯性とクオリティを見事に両立したムービーカメラ・JVC“Everio”「GZ-V675」

公開日 2013/02/25 18:43 取材・執筆/会田 肇
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携帯性に優れるスクエアなコンパクトさを実現しながら画質でも満足できる。そんなコンセプトの下で昨年誕生したのがJVCケンウッドの“Everio”「Vシリーズ」だ。本機はそのボディサイズをそのままにセンサーサイズの能力を高め、機能面での強化も図った最新モデルとして登場した。

「GZ-V675」(アーバンブラウン)

「GZ-V675」(ローズレッド)。女性の手にも負担なく収まるコンパクトさを実現。ボディカラーのお洒落さもJVCが得意とするところ

最大のポイントは、新開発の1/2.3型 総画素1276万画素・裏面照射型CMOSセンサーの搭載だろう。従来モデルは1/4.1型 総画素332万画素とひとクラス下のセンサーを搭載していたため、F1.2の明るいレンズを採用していても画質面で驚きを感じるほどではなかった。それが、本機で撮影した映像を見ると明らかなメリットを感じさせてくれたのだ。

撮影した映像からは細部を克明に映し出す緻密さを感じさせ、風景にも奥行き感が生まれている。山水画では「遠景」「中景」「近景」を描くことで奥行き感を表現すると言われるが、本機が描き出す映像はそれを自然に表現しているのだ。やはりセンサーの高画素化による情報量アップが表現力に明らかなメリットをもたらしているのは確かだ。

広角端が広くなったため、狭い庭でも十分に収めることが可能となった。細部まで鮮明なのもイイ

赤い花はややシアンがかって表現されている。解像感は極めて高く、花びらの一つひとつが克明に映し出された

高画素化だけでなく、センサーのサイズアップも見逃せないポイント。本機に搭載したレンズは従来機からそのまま継承されたもので、F1.2(広角端)光学10倍のスペックはそのまま。しかし、センサーサイズを大型化したため、自ずと広角端の画角が広がり、35mm換算で29.4mmと『広角』と呼ぶに十分な画角を確保することになったのだ。

光学10倍で撮影。ニジミも少なく光学特性は良好。手ブレ補正はややカクカクとした動きが気になる

光学10倍の望遠端で撮影。絞りバネは二枚とのことだが、背景ボケは意外にキレイ

ここで注意すべきは望遠端での焦点距離だ。レンズが同じである以上、光学10倍では294mm相当にしかならず、このままでは遠くにいる被写体のドアップ撮影は難しい。そこで搭載されたのがダイナミックズームだ。これは昔からある「電子ズーム」とは違い、フルHDの画質を確保しながら電子的に映像を拡大してズームアップへとつなげる。その結果、21倍相当の望遠撮影が可能となったというわけだ。

手ブレ補正は、光学式手振れ補正にパワードアクティブモードを加えた、独自のハイブリッド補正を採用する。電子的な補正も加えることで従来比で約3倍もの補正を行い、徒歩撮影時の斜め揺れまでも軽減。本体が230gと超軽量であるから、本来ならブレは大きめとなるはずだが、この機能によってその弱点はかなり軽減されたと言っていい。

分かりやすくイラストで描かれるトップメニュー。「マナー」を押すと操作音をOFFにし、液晶明るさを控えめにできる

その他、機能面では被写体に応じてカメラが自動的に設定する新「インテリジェントオート」や、タイムラプス/フレームイン撮影、300fpsの高速撮影などを備える。また、新たに自動風切り音カット機能を搭載。音質的にはやや上ずった感じにはなるが、風が強めに吹いたときでも風切り音はだいぶ軽減される。従来からある低域カットとは違い、スカスカな音にはならないのがいい。

使うほどに楽しくなるアニメーション撮影機能。写真は手書きモードで入力しているところ

お楽しみ機能のメニュー画面。手書き機能や日時記録は右にスクロールすると現れる

これまでコンパクトさを優先すると画質や機能がどうしても犠牲になることが多かったが、本機にとってそんなハンデは微塵も感じさせない。デザインだけではなく、クオリティ面でも想像以上の進化を遂げたといって間違いないだろう。

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