フルセグ受信・再生のクオリティをチェック
【レビュー】ドコモのフルセグ対応スマートフォン「ARROWS NX F-06E」を試す
■フルセグの受信感度をチェック/映像を視聴してみた
デジタルテレビのフルセグ受信・視聴に対応したことも本機の大きな特徴だ。本体にアンテナを内蔵し、受信感度の悪い場所での視聴をサポートする。
テレビ機能はフルセグ/ワンセグの両方が受信でき、さらに電波環境に応じた自動切り替えに対応。フルセグ固定、ワンセグ固定の視聴モードも選べる。なおワンセグ固定にしたい場合、テレビアプリのメイン画面から「ワンセグ」を選んでもバックグラウンドで常時フルセグ受信の感度チェックプログラムが走り続けている。テレビアプリの設定メニューから「長時間モード」を選ぶことで、完全なワンセグモードに切り替えることができる。
フルセグ放送の連続視聴は受信環境にもよるが、フル充電時で約4時間を目安としている。サウンドではDolby Digital Plusを採用し、テレビ番組も臨場感のあるサウンドを実現している。
なお、ドコモから今夏のラインナップとして発表されたシャープ製のAndroidタブレット「AQUOS PAD」(関連ニュース)もフルセグの視聴・録画に対応しているが、こちらは本体に付属する専用ドックにアンテナケーブルを接続できるF端子が付いており、自宅使用などで安定した視聴を楽しめるが、本機にはこのオプションは用意されていない。
本体を卓上ホルダーにセットして充電を開始すると「シアターモード」が起動する。シアターモードのメインメニューには「テレビ」のほか「NOTTV」「ギャラリー」「YouTube」「DiXiM Player」が用意されており、それぞれのコンテンツをスムーズに呼び出して楽しめる。なお、卓上ホルダーにはスマートフォンの内蔵スピーカーの音量を増幅する音響ダクト構造が設けられている。
ディスプレイは液晶とパネルとの間の空気層をなくして、光の乱反射と拡散を低減する「Super Clear Panel」を搭載。映像エンジンには「ヒューマンセントリックエンジン」を搭載し、自然な映像の色合いを実現。視聴環境の太陽光や照明の色など、ユーザーの使用環境周囲の光の状態をリアルタイムに解析して映像を最適化する「環境光適応色補正」機能も備える。動画再生時は映像フレームを分割して緻密に解析、「Advanced質感表現+階調感復元」の技術により、艶のあるコントラスト感と自然で滑らかな階調感を両立させた。ほかにも「Advanced三次元色補正」「ノイズ除去」「輪郭補正」などの高画質化技術が盛り込まれている。
編集部の窓際近くでテレビのフルセグ映像を視聴してみた。受信感度が良好な環境では特にノイズも発生することなく、高精細な映像を楽しむことができたが、少し窓から離れて部屋の内側に移動するとブロックノイズが出ることが増える。
晴天の日に屋外に出て視聴してみた。「Super Clear Panel」の効果もあり、太陽を真後ろに背負うようなポジションで視聴しない限りは、問題なく明るい高精細な映像が楽しめた。続いて秋葉原のつくばエクスプレス中央改札口に移動し、地下街でフルセグを受信できるかテストしてみた。地上から一つめのエスカレーターを降りたところで、フルセグ映像にブロックノイズが発生。アンテナを全部引き出してみたが、自動でワンセグに切り替わってしまった。さらに二つめのエスカレーターを降りると、今度はワンセグの映像も視聴できなくなった。
電車に乗りながらフルセグがどれほど見られるのか、中央線快速の「御茶ノ水ー荻窪」区間内で、フルセグ/ワンセグの自動切り替えモードをONに設定してテストした。時折ブロックノイズが発生したり、1〜3秒ほどの受信データ落ちがあるものの、区間内はほぼ良好な受信状態をキープ。停車ホームが地上よりも低く谷状になる四ツ谷駅でワンセグに切り替わり、駅を出てすぐのトンネル間でデータ落ちが発生したほか、新宿から中野までの加速区間はワンセグでの視聴となった以外、フルセグで快適に視聴を楽しむことができた。
そのほかテレビ周りの機能では、ワンセグ録画が可能だ。録画用メディアはmicroSDメモリーカードとなり、本体内メモリーへの録画は不可。またフルセグは視聴のみの対応となり、録画はできない。
フルセグ/ワンセグのテレビ視聴では、Twitter連携機能も搭載。番組名のハッシュタグを自動取得して、関連投稿をテレビ画面と2画面表示しながらツイートを読むことができる。
なお、本機はMHLやWi-Fi経由のMiracastによる出力にも対応しているが、テレビ番組の映像を同機能で接続したテレビに表示することはできない。