【特別企画】優雅なデザインと生真面目な音質を兼備した真空管ヘッドホンアンプ
個性的な“真空管ポタアン”Carot One「NIK58-TUBE」を岩井喬が聴いた
■“ポタアン”に新たな風を送り込む真空管モデルが登場
ヘッドホン市場の盛り上がりとともにポータブルヘッドホンアンプ、いわゆる“ポタアン”の世界はここ数年にわかに活気づいている。DAC内蔵タイプやバランス駆動タイプなど、価格レンジの幅も広く、多種多様なモデルが登場している。そんな中に新たな風を送り込む存在としてイタリアから登場したのがCarot Oneの「NIK58-TUBE」である。
「NIK58-TUBE」はその名が示すように真空管を用いたポタアンだ。現在、真空管を用いたポタアンがいくつか存在しているが、その中でも小型の部類であり、なおかつイタリアのブランドらしい一目でわかるデザインと操作フィーリングの良い筺体設計が特徴である。
配色はCarot Oneのブランドカラーである鮮やかなオレンジに、イヤホン「TITTA」でも用いられているブルーを取り入れており、個性溢れるデザインとなっている。このブルーを一面に用いたトップパネルには、真空管をのぞくことができきる小窓が設けられている。
使用されている真空管はサブミニチュア管「6111」(双三極管)である。現在市場に存在する真空管ポタアンの多くに用いられているタイプであるが、Carot Oneの真空管ハイブリッド構成プリメインアンプやヘッドホンアンプでもおなじみの「6DJ8」など、MT(ミニチュア)管よりも小さい。基板用立型コンデンサーなどと同じリード線を用いたスタイルであるため、ソケットを用いた抜き差しはできない仕様となる。
本機に用いられた「6111」はポータブルユースには重要となる耐震性も考慮されたフィリップス製の軍用規格管「JAN 6111WA」である
本来、真空管のヒーターの明かりはほんのりと灯る程度であるが、本機では演出とオペレート表示を兼ねたオレンジ色LEDで美しくライトアップされている。基本的な内部構成は真空管とオペアンプのハイブリッド構成と考えられるが、ヘッドホンの対応インピーダンスが16〜300Ωとなっていることもあり、最終段に余裕を持たせた設計になっているようだ。
音質に対してのこだわりから、真空管にも多めに電圧をかけているということもあり、連続再生時間については、内蔵充電池をフル充電(約5.5時間)した状態で約3.5時間とやや短めになっている。
■削り出しのアルミボディを採用。真空管搭載ながらコンパクトなのも魅力
入出力はシンプルにステレオミニジャックが1系統ず用意されている。ボリュームは電源スイッチ兼用スタイルだ。充電のためのMicro USB端子(5V・500mA)が用意されており、USBバスパワーなどから電源供給ができる。
また本機にはサウンド・フィールド・セレクターが設けられており、ひさご形特性と8の字特性から選択が可能だ。標準モードは8の字特性であり、ひさご形特性に切り替えると音場の横方向への広がりがより豊かになる。左右の音が適度に融合し、空間密度が上がるような印象だ。アルミボディは7075アルミ合金・CNC旋盤削り出し仕様でずっしりとした重みを持つ。このボディが真空管にとって適度な放熱効果をもたらしてくれるのだろう。幅と奥行きは「Astell&Kern AK100」とほぼ同サイズであり、2段スタックでもさほどかさばらない。
なお、多くの真空管ポタアンに備えられている冷却用通気孔は見当たらない。試聴の際、数時間電源を入れた状態にしてみたが、ある程度熱くなるものの、持てなくなるほどではなかった。とはいえ取り扱いの際は気に留めておくにこしたことはないだろう。
なお、本機にはCarot Oneの輸入販売元である(株)ユキムが取り扱うドイツの新鋭ケーブルブランド“AVINITY”のステレオミニ to ステレオミニのショートケーブルが国内限定として同梱される。さらに、先着120台にはCarot Oneのカナル型イヤホン「TITTA」が付属するとのことだ。
ヘッドホン市場の盛り上がりとともにポータブルヘッドホンアンプ、いわゆる“ポタアン”の世界はここ数年にわかに活気づいている。DAC内蔵タイプやバランス駆動タイプなど、価格レンジの幅も広く、多種多様なモデルが登場している。そんな中に新たな風を送り込む存在としてイタリアから登場したのがCarot Oneの「NIK58-TUBE」である。
「NIK58-TUBE」はその名が示すように真空管を用いたポタアンだ。現在、真空管を用いたポタアンがいくつか存在しているが、その中でも小型の部類であり、なおかつイタリアのブランドらしい一目でわかるデザインと操作フィーリングの良い筺体設計が特徴である。
配色はCarot Oneのブランドカラーである鮮やかなオレンジに、イヤホン「TITTA」でも用いられているブルーを取り入れており、個性溢れるデザインとなっている。このブルーを一面に用いたトップパネルには、真空管をのぞくことができきる小窓が設けられている。
使用されている真空管はサブミニチュア管「6111」(双三極管)である。現在市場に存在する真空管ポタアンの多くに用いられているタイプであるが、Carot Oneの真空管ハイブリッド構成プリメインアンプやヘッドホンアンプでもおなじみの「6DJ8」など、MT(ミニチュア)管よりも小さい。基板用立型コンデンサーなどと同じリード線を用いたスタイルであるため、ソケットを用いた抜き差しはできない仕様となる。
本機に用いられた「6111」はポータブルユースには重要となる耐震性も考慮されたフィリップス製の軍用規格管「JAN 6111WA」である
本来、真空管のヒーターの明かりはほんのりと灯る程度であるが、本機では演出とオペレート表示を兼ねたオレンジ色LEDで美しくライトアップされている。基本的な内部構成は真空管とオペアンプのハイブリッド構成と考えられるが、ヘッドホンの対応インピーダンスが16〜300Ωとなっていることもあり、最終段に余裕を持たせた設計になっているようだ。
音質に対してのこだわりから、真空管にも多めに電圧をかけているということもあり、連続再生時間については、内蔵充電池をフル充電(約5.5時間)した状態で約3.5時間とやや短めになっている。
■削り出しのアルミボディを採用。真空管搭載ながらコンパクトなのも魅力
入出力はシンプルにステレオミニジャックが1系統ず用意されている。ボリュームは電源スイッチ兼用スタイルだ。充電のためのMicro USB端子(5V・500mA)が用意されており、USBバスパワーなどから電源供給ができる。
また本機にはサウンド・フィールド・セレクターが設けられており、ひさご形特性と8の字特性から選択が可能だ。標準モードは8の字特性であり、ひさご形特性に切り替えると音場の横方向への広がりがより豊かになる。左右の音が適度に融合し、空間密度が上がるような印象だ。アルミボディは7075アルミ合金・CNC旋盤削り出し仕様でずっしりとした重みを持つ。このボディが真空管にとって適度な放熱効果をもたらしてくれるのだろう。幅と奥行きは「Astell&Kern AK100」とほぼ同サイズであり、2段スタックでもさほどかさばらない。
なお、多くの真空管ポタアンに備えられている冷却用通気孔は見当たらない。試聴の際、数時間電源を入れた状態にしてみたが、ある程度熱くなるものの、持てなくなるほどではなかった。とはいえ取り扱いの際は気に留めておくにこしたことはないだろう。
なお、本機にはCarot Oneの輸入販売元である(株)ユキムが取り扱うドイツの新鋭ケーブルブランド“AVINITY”のステレオミニ to ステレオミニのショートケーブルが国内限定として同梱される。さらに、先着120台にはCarot Oneのカナル型イヤホン「TITTA」が付属するとのことだ。