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B&O PLAY「FORM2」レビュー − 自分のコレクションにも加えたいMoMAパーマネント・コレクションモデル

公開日 2014/04/30 12:00 山本 敦
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1978年に発売されたBang&Olufsenブランド初のヘッドホン「U70」の流れを組むオーバーヘッドタイプのヘッドホン。北欧の著名プロダクトデザイナーJacob Jensen氏のデザインにより誕生した「U70」は、300gのライトウェイトと極上の装着感を追求し、多くのオーディオファイルから支持を集めてきた。

そのコンセプトを受け継ぎ、1985年の発売から2013年までロングセールスを続けたもう一つのヘッドホンが「FORM 2」だ。デザインはカナダのインダストリアルデザイナーであり、当時Bang&Olufsenのインハウスデザイナーとして活躍したSteve McGugan氏が担当している。本機は1992年に、ニューヨークMoMA(近代美術館)のパーマネントコレクションに選定されることになる。一目見ただけで深く印象に残るそのデザインは、長くオーディオヘッドホンのアイコンとして強い存在感を打ち出してきた。そして、2013年には本機をベースにマイクリモコンユニットを追加した「FORM2i」が誕生。5色のカラーバリエーションを展開する。

FORM 2

ふたつの金属のレールが互い違いに動いて伸縮するヒンジ部分のムーブメントなど、ギミックの部分だけを取っても惚れ込んでしまう要素がいくつもあるヘッドホンだが、驚くほどに軽くて快適な装着感という、Bang&Olufsenのヘッドホンが長らく守り続けてきたユーザー志向のフィロソフィーも継承されている。

装着感や音はもちろん、プロダクト的魅力にも溢れたモデル。MoMAのパーマネントコレクションにも選定されている。

Astell&KernのAK100MK2をリファレンスに、ダフトパンクの「Randam Access Memory」から『Doin' It Right』を聴いた。ヘヴィな低域が過度に強調されず、しっかりとした存在感を打ち出してくる。ボーカルはフォーカスが明確でシャープな切れ味だ。シンセサイザーの煌びやかな高域の音色とのバランスも絶妙だ。サウンドスケープは見晴らしが広く、ボコーダーのループとメインボーカルが重なり合うレイヤーの間隔も十分に確保されている。

本機のプラグ部

セミオープンバック型のハウジングだが、外部への音漏れや環境音の飛び込みはほとんど気にならない。ベースの「FORM 2」が発売されてからおよそ30年の年月が経つヘッドホンだが、現代の音楽にもマッチするクリアで鮮度の高いサウンドスケープを特徴とするヘッドホンだ。MoMAのキュレーターに倣って、自身のコレクションにも加えたくなった。



FORM2  Product Data
・価格:¥10,800(税抜)
・カラー:ブラック/シルバー/レッド/オレンジ/イエロー
・形式:ダイナミックセミオープン型
・周波数特性:40 Hz - 20.000 Hz 
・質量:86g
・コード長:1.2m

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