エソテリックのプリメインアンプ×プレーヤーのパフォーマンスを集中試聴
石原俊が「K-07」×「I-05」、「K-05」×「I-03」のコンビを聴いた
K-05とI-03の概要
■VRDS搭載のプレーヤーとプリメインアンプの最上位機
前項ではエソテリックの最上級ラインの末弟機をフィーチャーしたが、ここではそのひとつ上のクラスのモデルでシステムを組んでみた。K-05はKシリーズの三男に相当するモデルで、長兄・次兄に倣ってターンテーブル方式のVRDSメカニズムが与えられている。USB入力端子を装備しているのはシリーズ共通だ。ディスクプレーヤーにUSB入力があるのは誠にありがたい。USB DACを買わなくていいのはもとより、USB-S/PDIF変換コンバーターを用意せずともパソコンなどとダイレクトに接続することができるからである。実際に使用してみるとUSB入力は非常に便利で、いわゆるハイレゾデータだけではなく、世界のインターネットラジオを聴くことができるからだ。
組み合わせたプリメインアンプはI-03である。このモデルは、同社の高級ラインとしては初のプリメインアンプとして世に出た。位置づけ的にはI-05の兄貴分であり、規模こそ大きいものの、基本的な内容は同様であるといっていい。両モデルの最大の特徴は、動作方式がいわゆるクラスDであることだ。これはPWM方式とも呼ばれるもので、入力信号を搬送波に乗せてパルス化したうえで増幅し、ローパスフィルターで搬送波を除去して最終的な出力を得ている。この方式では電源部のクオリティが音質の決め手になるわけだが、I-03/05には大容量のカスタムトランスを擁した、アナログ式の贅沢な電源回路が搭載されている。なお、PWM方式のアンプはダイレクト増幅方式に比べて発熱とアイドル時の消費電力が少ないことから、ヒートシンクを省略して筐体の剛性を上げることが容易にできるし、エコロジーの観点からも推奨できる。
この組み合わせでの試聴レポート
■フレージングの滑らかさは格別で聴き心地にも大きな差が出た
これらでタンノイのディフィニションDC10 Tを鳴らした。先ほど聴いたシステムで筆者の耳は十分満足していたが、まだまだ先があるのだなあ、というのが正直な感想だ。余裕度がまるで違うのである。その主たる要因はスピーカーのサイズにあるのだが、ディスクプレーヤーのメカニズムの差異も大きい。イナーシャの大きいVRDSによるフレージングの滑らかさは格別だ。さらには240W×2(6Ω)を発生させるアンプのドライブ能力があいまって、やわなアンプでは甘口になりがちなDC10 Tの低域がキリリと辛口にグリップされる。そのグリップ力はリア側のダブルバスレフダクトにまで及んでいるかのようだ。
ジャズは基本的に前項のシステムと同様なのだが、小型スポーツカーとGTカーほど聴き心地に差がある。ヴォーカルはナチュラルで声質への反応が鋭い。クラシックは弱音時の音程が聴き取りやすく、強奏時でも解像度が低下しないのには一驚を禁じえなかった。
■試聴で分かった本組み合わせの魅力
■VRDS搭載のプレーヤーとプリメインアンプの最上位機
前項ではエソテリックの最上級ラインの末弟機をフィーチャーしたが、ここではそのひとつ上のクラスのモデルでシステムを組んでみた。K-05はKシリーズの三男に相当するモデルで、長兄・次兄に倣ってターンテーブル方式のVRDSメカニズムが与えられている。USB入力端子を装備しているのはシリーズ共通だ。ディスクプレーヤーにUSB入力があるのは誠にありがたい。USB DACを買わなくていいのはもとより、USB-S/PDIF変換コンバーターを用意せずともパソコンなどとダイレクトに接続することができるからである。実際に使用してみるとUSB入力は非常に便利で、いわゆるハイレゾデータだけではなく、世界のインターネットラジオを聴くことができるからだ。
組み合わせたプリメインアンプはI-03である。このモデルは、同社の高級ラインとしては初のプリメインアンプとして世に出た。位置づけ的にはI-05の兄貴分であり、規模こそ大きいものの、基本的な内容は同様であるといっていい。両モデルの最大の特徴は、動作方式がいわゆるクラスDであることだ。これはPWM方式とも呼ばれるもので、入力信号を搬送波に乗せてパルス化したうえで増幅し、ローパスフィルターで搬送波を除去して最終的な出力を得ている。この方式では電源部のクオリティが音質の決め手になるわけだが、I-03/05には大容量のカスタムトランスを擁した、アナログ式の贅沢な電源回路が搭載されている。なお、PWM方式のアンプはダイレクト増幅方式に比べて発熱とアイドル時の消費電力が少ないことから、ヒートシンクを省略して筐体の剛性を上げることが容易にできるし、エコロジーの観点からも推奨できる。
この組み合わせでの試聴レポート
■フレージングの滑らかさは格別で聴き心地にも大きな差が出た
これらでタンノイのディフィニションDC10 Tを鳴らした。先ほど聴いたシステムで筆者の耳は十分満足していたが、まだまだ先があるのだなあ、というのが正直な感想だ。余裕度がまるで違うのである。その主たる要因はスピーカーのサイズにあるのだが、ディスクプレーヤーのメカニズムの差異も大きい。イナーシャの大きいVRDSによるフレージングの滑らかさは格別だ。さらには240W×2(6Ω)を発生させるアンプのドライブ能力があいまって、やわなアンプでは甘口になりがちなDC10 Tの低域がキリリと辛口にグリップされる。そのグリップ力はリア側のダブルバスレフダクトにまで及んでいるかのようだ。
ジャズは基本的に前項のシステムと同様なのだが、小型スポーツカーとGTカーほど聴き心地に差がある。ヴォーカルはナチュラルで声質への反応が鋭い。クラシックは弱音時の音程が聴き取りやすく、強奏時でも解像度が低下しないのには一驚を禁じえなかった。
■試聴で分かった本組み合わせの魅力
このシステムと前項のシステムの方向性はほぼ同一である。エレクトロニクスもスピーカーも同じブランドなのだから当たり前といえば当たり前なのだが、聴き心地の違いには注目すべきであろう。本文にも記したように前項のそれはスポーツカー的であり、本項のそれはGTカー的なのだ。前者の方が聴き心地がタイトで反応が速く、後者のほうが大音量時の解像度が高い。どちらが偉いというわけではなく、あくまでもテイストの違いであることを理解していただければありがたい。 |