使い勝手と音質を山之内正がレビュー
【レビュー】ベルリンフィル自主レーベルのハイレゾをさっそくDLしてみた
ベルリンフィルが自主レーベル「ベルリンフィル・レコーディングス」を立ち上げる発表会を開催した(関連ニュース)。会場で配布されたサンプル盤のダウンロード用コードを利用し、早速同レーベルのサイトからシューマンの交響曲をダウンロードしてみたので、その使い勝手と音質を報告しよう。
■まずは使い勝手をチェック
ダウンロード購入の手順はシンプルでわかりやすい。ログイン後に通常のパッケージ商品と同様にハイレゾ音源をカートに入れ、コードを入力すると、ダウンロード画面が表示されるので、そこでファイル形式を選択するという流れだ。
ファイル形式はステレオと5ch音源それぞれにFLACまたはWAVを選ぶことができ、サンプリング周波数は192kHzと96kHzの2種類が用意されている(5chの192kHz音源はFLACのみ)。ビット数はいずれも24bitである。
なお、すでにデジタルコンサートホールのアカウントを持っている場合はそれを使ってログインできるため、新たな登録作業は必要ない。デジタルコンサートホールのサイトは最近リニューアルされ、ベルリンフィルだけでなく、ベルリンフィル・レコーディングスのホームページと統合された。コンサート情報、オンライン配信、パッケージとハイレゾ音源のダウンロードをすべて同じサイトで取り扱える便利さは自主レーベルならではと言えるだろう。
ダウンロード速度は国内のハイレゾ音源配信サービスにほぼ準じる水準で、データのサイズが大きい割にはかなり高速だ。192kHz/24bitのFLACファイルは約4GBあり、筆者宅の環境では約40分でダウンロードが完了した。シューマンの交響曲4作品、CD換算で2枚分ということを考えると、十分に実用的な速度である。
Macではダウンロード終了後自動的に「Berlin Philharmoniker」というフォルダができ、データがアルバムごとに格納された。「01 I Andante un poco maestoso - Allegro molto vivace - Animato」という具合に楽章ごとに詳細なファイル名が付いているので、データ管理に手間はかからない。もちろんジャケット画像の高解像度データもあらかじめ埋め込まれているし、ブックレットのデータも同時にダウンロードされた。ベルリンフィルのハイレゾ配信は今回が初の試みだが、使い勝手はかなり優れているという印象を持った。既存の配信サービスを参考にして環境を整えたことがうかがえる。
■気になる音質は?
192kHz/24bitと96kHz/24bitのFLACファイルをダウンロードし、リンのKLIMAX DSで再生した。今回の録音は192kHz/24bitで行われ、96kHz/24bitは下位変換を行ったとのことなので、オリジナルマスターは前者ということになる。いずれにしてもハイレゾ音源のダウンロードはサラウンドを含む全フォーマットが対象になるため、その気になれば納得行くまでフォーマット間の差を聴き比べることもできる。
演奏の音源はデジタルコンサートホールと同じライヴ録音だが、ハイレゾ音源と聴き比べると、明らかな違いを聴き取ることができる。最大の違いは、後者ではホールを満たす空気の密度や揺らぎがいっそうリアルに感じられることだ。
第3番と第4番を聴いた範囲ではラトルの演奏は強弱のダイナミクスと表情を積極的に描き出すとともに、各パートのバランスにも最大限の注意を払って澄んだ響きを引き出している。聴き慣れた厚みのあるハーモニーと違うので最初は少しとまどうが、特に弦楽器群の表情の振れ幅の大きさに説得力があり、息の長いフレージングが自然に浮かび上がってくる。響きの見通しの良さは初稿版で演奏した第4番で顕著だが、第3番の終楽章など、他の作品からも確実に聴き取ることができる。
ハイレゾ音源はフィルハーモニーのアコースティックをリアルに再現するため、そうした演奏の特徴が自然に浮かび上がってくる。192kHz/24bitと96kHz/24bitの各音源の差はそれほど大きくないが、高弦やオーボエの音色は前者の方が伸びやかで柔らかく感じられた。
今回はステレオのハイレゾ音源に焦点を合わせて紹介したが、そのほかにサラウンドのハイレゾ音源、BDオーディオとBDビデオが同梱されている。さらに8月頃にはアナログレコードの発売も予定しており、同じ演奏をいろいろなフォーマットで楽しむことができる。それぞれの音の違いや映像の特徴についてもあらためてレポートする予定だ。
■まずは使い勝手をチェック
ダウンロード購入の手順はシンプルでわかりやすい。ログイン後に通常のパッケージ商品と同様にハイレゾ音源をカートに入れ、コードを入力すると、ダウンロード画面が表示されるので、そこでファイル形式を選択するという流れだ。
ファイル形式はステレオと5ch音源それぞれにFLACまたはWAVを選ぶことができ、サンプリング周波数は192kHzと96kHzの2種類が用意されている(5chの192kHz音源はFLACのみ)。ビット数はいずれも24bitである。
なお、すでにデジタルコンサートホールのアカウントを持っている場合はそれを使ってログインできるため、新たな登録作業は必要ない。デジタルコンサートホールのサイトは最近リニューアルされ、ベルリンフィルだけでなく、ベルリンフィル・レコーディングスのホームページと統合された。コンサート情報、オンライン配信、パッケージとハイレゾ音源のダウンロードをすべて同じサイトで取り扱える便利さは自主レーベルならではと言えるだろう。
ダウンロード速度は国内のハイレゾ音源配信サービスにほぼ準じる水準で、データのサイズが大きい割にはかなり高速だ。192kHz/24bitのFLACファイルは約4GBあり、筆者宅の環境では約40分でダウンロードが完了した。シューマンの交響曲4作品、CD換算で2枚分ということを考えると、十分に実用的な速度である。
Macではダウンロード終了後自動的に「Berlin Philharmoniker」というフォルダができ、データがアルバムごとに格納された。「01 I Andante un poco maestoso - Allegro molto vivace - Animato」という具合に楽章ごとに詳細なファイル名が付いているので、データ管理に手間はかからない。もちろんジャケット画像の高解像度データもあらかじめ埋め込まれているし、ブックレットのデータも同時にダウンロードされた。ベルリンフィルのハイレゾ配信は今回が初の試みだが、使い勝手はかなり優れているという印象を持った。既存の配信サービスを参考にして環境を整えたことがうかがえる。
■気になる音質は?
192kHz/24bitと96kHz/24bitのFLACファイルをダウンロードし、リンのKLIMAX DSで再生した。今回の録音は192kHz/24bitで行われ、96kHz/24bitは下位変換を行ったとのことなので、オリジナルマスターは前者ということになる。いずれにしてもハイレゾ音源のダウンロードはサラウンドを含む全フォーマットが対象になるため、その気になれば納得行くまでフォーマット間の差を聴き比べることもできる。
演奏の音源はデジタルコンサートホールと同じライヴ録音だが、ハイレゾ音源と聴き比べると、明らかな違いを聴き取ることができる。最大の違いは、後者ではホールを満たす空気の密度や揺らぎがいっそうリアルに感じられることだ。
第3番と第4番を聴いた範囲ではラトルの演奏は強弱のダイナミクスと表情を積極的に描き出すとともに、各パートのバランスにも最大限の注意を払って澄んだ響きを引き出している。聴き慣れた厚みのあるハーモニーと違うので最初は少しとまどうが、特に弦楽器群の表情の振れ幅の大きさに説得力があり、息の長いフレージングが自然に浮かび上がってくる。響きの見通しの良さは初稿版で演奏した第4番で顕著だが、第3番の終楽章など、他の作品からも確実に聴き取ることができる。
ハイレゾ音源はフィルハーモニーのアコースティックをリアルに再現するため、そうした演奏の特徴が自然に浮かび上がってくる。192kHz/24bitと96kHz/24bitの各音源の差はそれほど大きくないが、高弦やオーボエの音色は前者の方が伸びやかで柔らかく感じられた。
今回はステレオのハイレゾ音源に焦点を合わせて紹介したが、そのほかにサラウンドのハイレゾ音源、BDオーディオとBDビデオが同梱されている。さらに8月頃にはアナログレコードの発売も予定しており、同じ演奏をいろいろなフォーマットで楽しむことができる。それぞれの音の違いや映像の特徴についてもあらためてレポートする予定だ。