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全4回<オーディオ編>ロングランレポート最終回

QNAPのオーディオ用NAS「HS-210」新機能、“USB-DACダイレクト接続”の音質を検証

公開日 2014/10/08 10:18 山之内 正
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HS-210との接続確認済みのUSB-DAC3機種を試聴

HS-210からの出力に対応するUSB-DACの中から今回はQNAPが対応確認済みの3機種を選び、動作を検証した。いずれもコンパクトな製品だが、192kHz/24bitのハイレゾ音源に対応しており、NASとオーディオシステムの間に無理なく導入でき、使い勝手が良い。

今回はハイエンド・オーディオシステムを用意して、USB-DACダイレクト接続の音質が実用的なものか検証した

<組み合わせ1>
FOSTEX「HP-A4」
¥40,000(税抜)

FOSTEX「HP-A4」

HP-A4とHS-210を組み合わせたところ

フォステクスのHP-A4を組み合わせると、すっきりした見通しの良い音場が広がり、立体的なサウンドステージが目の前に展開。ベースの余韻が底に沈まず、高い位置に広がっていくためか、空間が広々としていることが印象的だ。ボーカルや旋律楽器は明るめの音色で音像が鮮明に浮かび上がり、他の楽器と重なってもイメージが混濁しない。付帯音のないすっきりとした感触がHP-A4の持ち味だ。

<組み合わせ2>
SONY「PHA-2」
¥OPEN(市場想定価格55,000円前後)

SONY「PHA-2」

PHA-2とHS-210を組み合わせたところ

ポータブルヘッドホンアンプをHS-210と組み合わせ、据え置き型として利用するのも面白い。ソニーのPHA-2は音質を吟味したライン出力を装備しているので、本格的なシステムのなかに組み込んでも音質面で不満を感じることはない。

パソコンのアプリケーションでPHA-2を認識するまで少し時間がかかったが、その後は問題なく動作した。ライン出力の再生音はエッジを強調しない素直な音調で、ギターやピアノのアコースティックな響きの美しさが際立つ。ボーカルはハイレゾ音源らしいなめらかさをたたえ、ベースは過剰な重さがなく澄んだ響きを再現する。ステージの奥行きや演奏会場の広さをリアルに再現することが特徴で、オルガン伴奏の合唱ではポータブル機とは思えない空間の広がりに感心させられた。

<組み合わせ3>
M2TECH「hiFaceTWO」
直販サイト価格24,800円

M2TECH「HiFaceTWO」

HiFaceTwoをHS-210に接続すると写真のような形になる

最後にUSB接続対応のD/DコンバーターであるM2TECHのhiFaceTWOを用意し、アキュフェーズのDP-410のデジタル入力につないでハイエンド機器でのパフォーマンスを確認した。本格的なコンポーネントでPCオーディオを手軽に楽しむという想定だ。

緻密さと一体感が両立した再生音は、小型のD/Dコンバーターからは想像できない密度感があり、オーケストラなど音数の多い音源からもスケールの大きなサウンドを引き出すことができる。ボーカルの子音が目立ちすぎることがなく、ピアノやギターにも付帯音や強調感がないので、質感はとてもなめらかで、耳をいたずらに刺激しない。高級オーディオ機器との組み合わせにふさわしい音調を引き出せることが、このD/Dコンバーターの大きなメリットだ。

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