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全4回<オーディオ編>ロングランレポート最終回

QNAPのオーディオ用NAS「HS-210」新機能、“USB-DACダイレクト接続”の音質を検証

公開日 2014/10/08 10:18 山之内 正
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半年HS-210を使ってわかったオーディオ用NASとしての完成度

それではロングランレポート・オーディオ編の最後に、オーディオ用NASとしてHS-210を半年にわたって取材した上での総括を記しておきたい。

手元のデジタルデータはどんどん増えていく。ハイレゾ音源の割合が増えればなおさらであり、その膨大なデータを管理するうえでNASが果たす役割は日増しに高まっている。なかでも音楽データは特に安定した伝送品質の確保が重要で、精度はもちろんのことノイズ対策や静音動作など、たんなるデータの保存や管理のレベルを越えてクオリティへの配慮が求められる。

山之内氏は長期間にわたり、HS-210を自宅システムに組み込んで音質や使い勝手を検証してくれた

QNAPのHS-210はそうした厳しい要求に応え、ネットワークプレーヤーの優れたパートナーになり得るNASの代表格というのが、長期のハンドリングから導き出した私の結論だ。リンのDSと組み合わせたときの安定した動作に加え、計4回のレポートで紹介した様々なネットオーディオ機器で俊敏かつ安定した動作を見せ、どの製品でも不安なく利用することができた。

上写真のマランツ「NA8005」やスフォルツァート「DSP-03」のようなDSDネットワーク再生に対応したモデルが続々と登場してきたことで、DSD配信に対応したHS-210の存在感はますます高まっている

基本的なことと思うかもしれないが、NASが実際にはなかなか期待通りに動作してくれないということは、現実としてよくあること。仕様からは読み取りにくい要素がいろいろあり、短時間では見極められないからこそ、QNAPのように長期間支持されている製品には高い価値がある。今回はそのことを検証する良い機会であった。

DSD信号の配信に対応したり、パソコンの専用再生ソフトによるUSB-DACへの直接伝送を実現するなど、音楽再生関連の新機能を次々に加えていく意欲的な開発姿勢も高く評価すべきだろう。NASの機能拡大は各社が競って進めているが、音楽再生に関わる機能の充実を図る例はそれほど多くない。その意味でHS-210は貴重な存在であり、本機への期待は大きい。今後の進化も大いに楽しみだ。

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