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<山本敦のAV進化論>

Android Wearの使い勝手を「LG G Watch R」で検証。AV機器との連携もチェック

公開日 2014/12/04 08:00 山本 敦
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今週はLGから発売された「LG G Watch R」をハンドリングしながら「Android Wear」とオーディオ・ビジュアルとの親和性について考えてみたい。Android Wear OS搭載ウェアラブル端末がAV的に“使える”モノなのかを検証していこう。

Android Wear搭載のスマートウォッチ「LG G Watch R」

■スマホ・タブレットとの連携で新しいモバイル体験を生み出すAndroid Wear

Android Wearは今年の春にGoogleが発表したウェアラブルデバイス向けのOSだ。Android 4.3以上を搭載するスマートフォンやタブレットなどとBluetoothでペアリングし、スマホの通知をAndroid Wear搭載“ウェアラブル端末”の画面上で知らせたりなど、互いの連携によって利便性を高めることを目的に開発された。

現在のところ、Android Wearを搭載するウェアラブル端末は主にスマートウォッチ型のものが中心だ。Google Playストアのラインナップを見ると、LGからスクウェア型の「G Watch」とサークル型の「G Watch R」が発売されているほか、サムスンからは「Gear Live」、ソニーからは「SmartWatch 3 SWR50」が商品化されている。ASUSが発表した「ZenWatch」も量販店での販売がスタートした。海外ではモトローラ製の「Moto 360」が人気を集めているようだが、残念ながらまだ日本での発売は決まっていない。

ホーム画面を長押しして、ウォッチフェイスの切り替えモードに。フェイスの種類はGoogle Playストアからダウンロードして増やせる

まずはAndroid Wear搭載機器の簡単な使い方から整理しておこう。Google Playストアに公開されているプラットフォームアプリ「Android Wear」をモバイル端末(スマホ/タブレット)に入れ、ウェアラブル端末とそれぞれBluetoothの機能をオンにして、アプリのガイドに従って端末をペアリングする。同アプリからはペアリング後のウェアラブル端末の各設定も行える。なお1台のウェアラブル端末と同時にペア設定できるモバイル端末は1台のみだ。

プラットフォームアプリ「Android Wear」をスマホに入れる

G Watch Rをペアリングすると細かい設定がアプリから行えるようになる

モバイル端末のアプリから送られてくる通知は「カード」とよばれるUIに表示され、スマートウォッチの小さな画面で情報が一望できるようにまとめられている。その内容は例えばGmailやWear対応アプリからの通知であったり、モバイル端末でGoogle Nowを使っていれば交通情報や天気、カレンダーなどGoogle Nowカードも表示される。

時計への通知の表示もこちらから設定が可能だ

Android WearのUIの構造を示したガイダンスムービーも収録されている

画面の基本的な操作は、時計を表示するホーム画面を上下にスワイプするとカードの表示が切り替わり、カードを左にスワイプするとより詳しい情報がモバイル端末で開く。音楽再生時にはコントローラーを表示する次のアクションのメニューに移動する。天気や交通情報など、一度内容を確認して不要になったカードは右にスワイプすると削除される。

なおAndroid Wear端末単体でWebサイトを表示することはできないので、カードに表示されている通知以上の情報をチェックしたい場合は左にスワイプして「端末で開く」を選択すると、それぞれに対応するアプリがモバイル端末側で起動する仕組みになっている。

タッチ操作のインターフェースはシンプルにつくられているが、これに加えて音声コマンドによる操作や文字入力もできる。メールやSMSの送信、簡単なメモの入力などは音声入力を使うと便利だ。例えばメールを送る際には、ウェアラブル端末の内蔵マイクに向かって「Ok, Google(オーケー、グーグル)」と話しかけるか、あるいはホーム画面を少し長めにタップすると「キュー・カード」と呼ばれる画面が表示され、音声コマンドの画面が立ち上がる。ちなみに“オーケー、グーグル”は無理に英語っぽく発音しなくても、ベタにカタカナ読みしても認識された。

ホーム画面を起動して、“Ok, Google”と話しかければボイスコマンド入力の画面に切り替わる

音声コマンド入力の待機状態で、例えば「●●さんにメールを送信」と発声してから続けて入力したい文書を声で入力すれば、電話帳に登録されている●●さんにメールが送れる。

メールは簡単な文書を音声入力で入れられる

キュー・カードのリスト一覧をさらに下に向かってスクロールしていくと歩数計やアラーム、ストップウォッチなどの時計単体で使える機能を呼び出せる。Google Nowをはじめ、GmailやGoogleマップなどのGoogle アプリはAndroid Wearのインターフェースにはじめから組み込まれているが、ほかにもAndroid Wearに対応するアプリを、キュー・カードのリストを一番下までスクロールして表示される「開始」のアイコンをタップして選択できる。Google Playストアに公開されているAndroid Wear対応のアプリは、いったんモバイル端末を経由してからBluetooth経由でウェアラブル端末側に転送してインストールする。ウォッチフェイスについても同様にGoogle Playストアから追加できる。



天気や歩数計、Gmail、Google Keepの通知を知らせるカードの画面

■LGが早くも発売した2つめのAndroid Wear搭載機「G Watch R」

今回テストしたのはサークル状の文字盤=ディスプレイを搭載したLG G Watch Rだ。6月に初代のLG G Watchが発売されてから約半年の期間で発売されたLGのAndroid Wear搭載機第2弾ということもあって、時計としてのルックスや装着感はとても洗練されている。ディスプレイには1.3インチの有機ELを搭載。画像にキリッとした精彩感があって、色合いも鮮やかなのが特長だ。CPUは1.2GHzのクアルコムSnapdragon 400。本体には4GBのストレージを内蔵しているが、こちらの用途については後述する。

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