【特別企画】海上忍が音質チェック
クリエイティブメディアの多機能ハイレゾ対応USB-DAC/ポタアン「E5」の魅力に迫る
■サウンドカードの老舗が提示する新しいUSB-DAC/ポタアン
ポータブルアンプといえば、いまやDAC内蔵型が主流。各社の新製品を見ても、PCやスマートフォン/ポータブルオーディオとデジタル接続できることは半ば"お約束"だ。それをクリアしたうえで各社なりの音作りや機能といった創意工夫を盛り込むことが、現在市場に求められているポータブルアンプの姿と言っていいだろう。
ここに紹介する「Sound Blaster E5」は、PC用サウンドカードの老舗クリエイティブメディアが世に問うUSB-DAC/ポータブルヘッドホンアンプ。「E1」「E3」と続いていたSound Blaster Eシリーズに満を持して加わったフラグシップモデルだ。
DACには、ポータブルアンプはもちろん多くのコンポーネントオーディオに採用実績を持つ「Cirrus Logic CS4398」を採用し、PCとUSBケーブルで接続すれば最大192kHz/24bitのオーディオフォーマットを再生できる。
入力端子はアナログ/光デジタルに対応、そのうえBluetoothを利用したワイヤレス接続も可能だ。ちなみにBluetoothは、NFCに対応しており、対応端末ならワンタッチでの接続も可能。コーデックはaptXや上位規格であるaptX Low Latency、そしてAACに対応しており、Bluetooth接続としては高品質なモノをサポートしている。ファイル・ウェブ読者ならもちろんUSBや光デジタル接続にもこだわりがあると思うが、利便性という意味では、使うシーンによってはあえてBluetooth接続を使うというのも充分アリな選択だろう。
そして出力は最大600Ωという高インピーダンス対応のヘッドホン端子を2基装備、ハイスペックなヘッドフォンを同時に2台ドライブできるというオーディオメーカー製ポータブルアンプにはないアプローチも見られる。
オーディオプロセッサー「SB-Axx1」にも注目したい。基本的にはDSP(Digital Signal Processor)という理解で差し支えないが、Creative社の音のノウハウを詰め込んだシステムオンチップとしての性格が色濃く、実際Sound BlasterAxxなどPC向け製品にも採用されてきた実績がある。本機、Sound Blaster E5を特徴付けるオーディオテクノロジー「SBX Pro Studio」も、このSB-Axx1により実現されている。
スマートフォン/ポータブルオーディオとの接続もしっかりサポート。背面のUSB A端子を利用すれば、iPhoneなどiOSデバイス(最大48kHz/24bit)およびAndroid端末(要AOA 2.0対応、最大44.1kHz/16bit)とのデジタル接続が可能だ。
専用アプリ「Sound Blaster Central」も用意され、SBX Pro Studioの設定変更もスマートフォンから行うことができる。なお、USB A端子を利用したデジタル接続では48kHz/24bitまでとなるが、光デジタル入力を使えば最大96kHz/24bitの再生が可能になる。
■オーディオファン向けには「ダイレクトモード」を用意
Sound Blaster E5に搭載のオーディオ拡張技術「SBX Pro Studio」は、E5単体でオン/オフできるが、設定はPCあるいはスマートフォンから行う。なお、本機ではWindowsでもMacの場合でも、ドライバや専用ソフトを収録した「ドライバ&アプリケーション」のパックを同社のサイトよりダウンロードする必要がある。
インストールされた「Sound Blaster E-Series コントロールパネル」では、SBX Pro Studioの各種設定のほか、本体に内蔵のマイクでボイスチャットや通話をするときの音響効果を調整する「CrystalVoice」を設定できる。
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