ステレオ/サラウンドの各音質を検証
マランツ「SR7009」レビュー【音質編】同社Hi-Fi直系のサウンドを大橋伸太郎が聴く
SR7009で再生したジャズはどうだろう。カサンドラ・ウィルソンのライブ『SilverPony』(CD)は、マランツのアンプの特徴である音場表現の美がいかんなく発揮される。解像力に優れたカメラレンズのフォーカスをマニュアルでさらにシビアに追い込んだように絶妙の遠近感で楽器(演奏者)の音像が生々しく現れる。本機はAVアンプとしては画期的なほどにステレオ定位がいい。デジタル回路のアナログ部への悪影響を非常によく排除しており、アンプはクロストークがなく再生帯域が広いことが如実に窺われる。
■HDMI入力によるステレオ再生はS/Nが良さと細部の描出力が特徴
デジタル入力(主にHDMI)の音質も確認してみよう。SR7009は、クロックジッターリダクション回路やデジタルボードの電源強化、高周波ノイズコントロール用にデカップリングコンデンサーを実装するなど、徹底したHDMIの音質対策が行われている。そのサウンドは、S/Nが良く細部の描出に優れることが特長。BDミュージック『至高のコンサートグランドファツィオーF278』(PCM192kHz/24bit)は、ピアノの倍音、共鳴弦の光沢感ある響きをきめ細やかに響かせる。高音の虚空にきらめく存在感、早いパッセージのこぼれるような光沢、強弱の表情の豊かさ、引き締まった低音の立ち上がりの対比が美しい。音場が深く、背後に闇を感じさせる。対比的に音色の明るさを表現し、音楽を華やかに美しく聴かせる。この辺り、まぎれなくマランツのHi-Fiオーディオアンプである。
次にデジタルファイルのハイレゾ音源『ワルツ・フォー・デビー』(FLAC192kHz/24bit)をネットワーク再生。ウッドベースの響きを解像、響きの芯を掴まえる。帯域も十分で、低音がしなやかに弾む。ピアノは明るく生気に富み、音が飛んでくるが響きがしなやかで突っ張らないのがいい。SR7009の持ち味で音がリスナーに近く、トリオ定位が抜群によく、コンボジャズらしいグルーヴ感が豊かだ。
■サラウンド再生では音場の空気を湿度感まで再現
SR7009はドルビーアトモスホームに対応し、11.2チャンネルまでの再生に対応(内蔵パワーアンプは9チャンネル構成)する。しかし今回は、アトモス再生においてもそのベースとなる7.1chまでのHDオーディオであえて試聴し、まずはサラウンド再生の地力を確認した。
筆者の最近の定番ソフトのひとつが、コーエン兄弟監督が北米フォークソングのバックグラウンドを描く『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』(DTS-HDマスターオーディオ 48kHz/24bit・5.1ch)である。再生が始まってすぐに気付くのはサラウンド再生での情報量の豊かさ。DACの性能にはじまりアナログ増幅部までのシステムとして、S/Nが非常に良い。ステレオ再生同様に、一音たりとも疎かにせず細大漏らさず音場に描き込む。ライブハウスの客のざわめきや足音などの雑音を丁寧に拾いだす。
■HDMI入力によるステレオ再生はS/Nが良さと細部の描出力が特徴
デジタル入力(主にHDMI)の音質も確認してみよう。SR7009は、クロックジッターリダクション回路やデジタルボードの電源強化、高周波ノイズコントロール用にデカップリングコンデンサーを実装するなど、徹底したHDMIの音質対策が行われている。そのサウンドは、S/Nが良く細部の描出に優れることが特長。BDミュージック『至高のコンサートグランドファツィオーF278』(PCM192kHz/24bit)は、ピアノの倍音、共鳴弦の光沢感ある響きをきめ細やかに響かせる。高音の虚空にきらめく存在感、早いパッセージのこぼれるような光沢、強弱の表情の豊かさ、引き締まった低音の立ち上がりの対比が美しい。音場が深く、背後に闇を感じさせる。対比的に音色の明るさを表現し、音楽を華やかに美しく聴かせる。この辺り、まぎれなくマランツのHi-Fiオーディオアンプである。
次にデジタルファイルのハイレゾ音源『ワルツ・フォー・デビー』(FLAC192kHz/24bit)をネットワーク再生。ウッドベースの響きを解像、響きの芯を掴まえる。帯域も十分で、低音がしなやかに弾む。ピアノは明るく生気に富み、音が飛んでくるが響きがしなやかで突っ張らないのがいい。SR7009の持ち味で音がリスナーに近く、トリオ定位が抜群によく、コンボジャズらしいグルーヴ感が豊かだ。
■サラウンド再生では音場の空気を湿度感まで再現
SR7009はドルビーアトモスホームに対応し、11.2チャンネルまでの再生に対応(内蔵パワーアンプは9チャンネル構成)する。しかし今回は、アトモス再生においてもそのベースとなる7.1chまでのHDオーディオであえて試聴し、まずはサラウンド再生の地力を確認した。
筆者の最近の定番ソフトのひとつが、コーエン兄弟監督が北米フォークソングのバックグラウンドを描く『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌』(DTS-HDマスターオーディオ 48kHz/24bit・5.1ch)である。再生が始まってすぐに気付くのはサラウンド再生での情報量の豊かさ。DACの性能にはじまりアナログ増幅部までのシステムとして、S/Nが非常に良い。ステレオ再生同様に、一音たりとも疎かにせず細大漏らさず音場に描き込む。ライブハウスの客のざわめきや足音などの雑音を丁寧に拾いだす。
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