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ステレオ/サラウンドの各音質を検証

マランツ「SR7009」レビュー【音質編】同社Hi-Fi直系のサウンドを大橋伸太郎が聴く

公開日 2014/12/12 17:48 大橋伸太郎
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しかもSR7009が描き出す音場には温湿感があり、試聴室の空気を変える力がある。映画の序盤に猫がアパートの廊下の奥へと歩む場面があるのだが、カーペット上の猫の柔らかい足音がちゃんと聴こえる! そして映画の中の音楽の表現にSR7009らしさが横溢。ミュージックシーンはギターの音色が濁らず明るい。他のAVアンプでの再生に比べても倍音がさらに上まで伸びているような印象だ。

マルチチャンネル再生については、ELACの240BEラインによる7.1chシステムと組み合わせて視聴した

圧倒的なセパレーション。移動表現のスピード感も魅力

さらに感心したのが、『ニール・ヤングジャーニーズ』(DTS-HDマスターオーディオ 96kHz/24bit 5.1ch)。再現する空間が広く、トロントの演奏会場の中規模ホールの乾いた空気へ音場が一変する。ラウドなエレキギターの音圧は豊かで質量に富むが、音の感触が柔らかくきめ細かいので煩くない。チャンネル間のクロストークが非常に少なく、移動表現のスピードとキレがいい。反射、飽和、暴れといった会場内の音の動きを捉え生き物のように表現する。

BD『ニール・ヤングジャーニーズ』

イギリスの携帯ショップの店員の男がオペラ歌手になる夢を実現するまでを描くヒューマンドラマ『ワンチャンス』(ドルビーTrueHDアドバンスド96kHz/24bitアップサンプリング 5.1ch)は、冒頭のモーツァルトの交響曲の弦楽の分解能が高く新鮮。終盤の主人公ポール・ポッツの独唱は朗々と歌うポッツのハイトーンをオケ(カラオケ)にかき消されず歪みなく鮮明に音場に引き出す。

BD『ワンチャンス』

音場の深さとS/Nの高さはまさにマランツのハイエンドオーディオ

アナログ入力のステレオソースからデジタルハイレゾファイル、映像音響までSR7009は一貫して音が明るく美しい。軽々しいという意味でなく帯域が広くS/Nに優れるため音が引きこもらず倍音が豊かに乗り、最弱音まで生き生きとし表情があるのだ。音場の深さと透明度の高さはマランツのハイエンドオーディオのそれ。一体型AVアンプのカテゴリーで、マランツの美学が開花した感がある。ソフトがリリースされ始めたドルビーアトモスホームの三次元音場を、SR7009がどう描き出すか興味が募るばかりだ。

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