天然のアメリカン・ウォールナット材を使用
デノンのポータブルヘッドホン「AH-MM400」をレビュー - 木製ハウジング採用の上位モデル
昨年の発表から注目を集めていたデノンのプレミアムポータブルヘッドホン“AH-MMシリーズ”の最上位モデル「AH-MM400」が、今週末にはついに店頭に並ぶ。今回はこのAH-MM400を中林直樹氏がレポート。音質と所有欲を刺激するデザインを両立した本機のサウンドを検証する。
■MUSIC MANIACに登場したポータブルヘッドホンの最上位モデル
2014年も実に多くのヘッドホンと遭遇した。良音をひたすら追求する各ブランドの姿勢は感動的ですらあった。それと同時にこのシーンでサバイブしてゆくための術を得ることの難しさも見えてしまった。ユーザーの拡大や市場の盛り上がりに乗じて、新たに参入するブランドも数えきれないほどある。それらに触れるにつけ、決して全てとはいわないが、搭載された技術やその企画背景に不安定さを見いだすこともあったからだ。一過性のブームを作り上げようとしているだけではないか、と。
その点、古くからに実直にオーディオ製品を作り続けて来たブランドには安心感がある。ブランド力の高さといえばそれまでだが、連綿と受け継がれて来たもの作りの歴史は、なにものにも代え難いアドバンテージである。
デノンはその代表格のひとつと言っても異論はないだろう。そんな同社が2012年の夏から新たに展開しはじめたのが「MUSIC MANIAC」シリーズである。品位の高いサウンドを狙うというヘッドホン作りの本質と、現代的なフォルムやデザインとの調和が、このシリーズのミッションであるようだ。老舗の土壌をもとに芽生えた製品群なのである。
■フリーエッジ構造採用の40mmドライバーを採用
そして2014年秋、新たに3モデルが姿を表した。コンパクトに折りたたむことも可能なポータブルヘッドホンという位置づけで、アラウンドイヤーの「AH-MM400」、オンイヤーの「AH-MM300」(製品レポート)および「AH-MM200」というラインナップである。
ここで紹介するAH-MM400の最大の特徴は、40mm口径のドライバーユニットにある。振動板にはカーボンとペーパーを合成した繊維を採用。異なる素材の組み合わせで各素材固有のカラーレーションを打ち消す狙いだ。さらにその縁(エッジ)を固定せず、レスポンス良く動作させる「フリーエッジ構造」としている。これはスピーカーでも用いられる方式で、小さな部分だが、このあたりにもオーディオメーカーとしての発想とテクノロジーが息づいている。
ハウジングには天然のアメリカン・ウォールナット材を使用。イヤパッドとヘッドバンドには日本のサプライヤーとともに新開発したという人工皮革が用いられている。また、金属のスライダーやアーム、ヒンジ部はしっかりとした作りで、多少ラフに使っても耐えうるはずだ。手に持つとコンパクトながら、適度な重量感がある。小型一眼レフカメラのような、プロダクトとしての高い密度を感じる。
■MUSIC MANIACに登場したポータブルヘッドホンの最上位モデル
2014年も実に多くのヘッドホンと遭遇した。良音をひたすら追求する各ブランドの姿勢は感動的ですらあった。それと同時にこのシーンでサバイブしてゆくための術を得ることの難しさも見えてしまった。ユーザーの拡大や市場の盛り上がりに乗じて、新たに参入するブランドも数えきれないほどある。それらに触れるにつけ、決して全てとはいわないが、搭載された技術やその企画背景に不安定さを見いだすこともあったからだ。一過性のブームを作り上げようとしているだけではないか、と。
その点、古くからに実直にオーディオ製品を作り続けて来たブランドには安心感がある。ブランド力の高さといえばそれまでだが、連綿と受け継がれて来たもの作りの歴史は、なにものにも代え難いアドバンテージである。
デノンはその代表格のひとつと言っても異論はないだろう。そんな同社が2012年の夏から新たに展開しはじめたのが「MUSIC MANIAC」シリーズである。品位の高いサウンドを狙うというヘッドホン作りの本質と、現代的なフォルムやデザインとの調和が、このシリーズのミッションであるようだ。老舗の土壌をもとに芽生えた製品群なのである。
■フリーエッジ構造採用の40mmドライバーを採用
そして2014年秋、新たに3モデルが姿を表した。コンパクトに折りたたむことも可能なポータブルヘッドホンという位置づけで、アラウンドイヤーの「AH-MM400」、オンイヤーの「AH-MM300」(製品レポート)および「AH-MM200」というラインナップである。
ここで紹介するAH-MM400の最大の特徴は、40mm口径のドライバーユニットにある。振動板にはカーボンとペーパーを合成した繊維を採用。異なる素材の組み合わせで各素材固有のカラーレーションを打ち消す狙いだ。さらにその縁(エッジ)を固定せず、レスポンス良く動作させる「フリーエッジ構造」としている。これはスピーカーでも用いられる方式で、小さな部分だが、このあたりにもオーディオメーカーとしての発想とテクノロジーが息づいている。
ハウジングには天然のアメリカン・ウォールナット材を使用。イヤパッドとヘッドバンドには日本のサプライヤーとともに新開発したという人工皮革が用いられている。また、金属のスライダーやアーム、ヒンジ部はしっかりとした作りで、多少ラフに使っても耐えうるはずだ。手に持つとコンパクトながら、適度な重量感がある。小型一眼レフカメラのような、プロダクトとしての高い密度を感じる。
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