カメラ機能・音質などをテスト
【レビュー】「iPhone 6s」のAV機能をチェック。買い替える価値はあるか?
■4K撮影の実力を検証する
動画機能も大幅に強化された。なかでも今回のハイライトは、4K動画の撮影が可能になったことだ。4K撮影を行うには、設定の「写真とカメラ」から「ビデオ撮影」に進み、4K/30fpsを選択すれば良い。すると、カメラアプリの動画撮影時に「4K」と表示される。まずはデモ動画をご覧頂こう。
4K動画の解像度は3,840×2,160で、一般的な4K動画と同じ。映像コーデックはH.264で、音声は44.1kHzのAAC、モノラル収録だった。また、撮影した動画のビットレートは50.09Mbpsと、かなり高かった。
H.264を使っていることもあり、4K動画のデータ消費量は大きい。1分間のデータ量の目安は375MB。3分撮影したら1GBを超える計算になる。4K動画をひんぱんに撮影するのであればストレージの大きなモデルを選択したい(気が早いが、次世代iPhoneではHEVC採用を望みたい)。
なお、動画撮影中も静止画の撮影は可能で、これは4K動画撮影時であっても同様。ただし4K動画撮影時に同時撮影した静止画の解像度は3,840×2,160で、つまりは撮影中のものを切り出し、別途保存していることになる。
撮影した4K動画データは、PCにいったん転送するなど、一手間かければ4Kテレビで表示できる。だが、その一手間を日常的に、頻繁に行う方は少ないだろう。フォトライブラリやYouTubeに4K動画を保存して再生するのが一般的な使い方になるはずだ。
では4K動画の使い道があまりないかというと、そんなことはない。iPhoneで動画を再生しているときに、任意の場所を自由に拡大して見ることができるため、フレーミングを気にせずカジュアルに撮影できるのだ。
たとえば子供のサッカーの試合を撮影するシチュエーションを考えてみよう。いったん引きで撮影しておいて、再生する際にボールのあたりをピンチアウトで拡大すれば、目当てのプレイを拡大して見ることができるのだ。しかもiPhone 6sはレンズ性能が口径の小ささのわりに高く、拡大表示してもディテールの見通しが良い。4K動画の意味は確かにあると感じた。
また、今回は時間の関係で試せていないが、アップル純正のiOS用動画編集アプリ「iMovie」も4K動画の編集に対応しており、iPhone 6s/6s Plus、そして今後発売されるiPad Proで4K動画編集が行える。しかもiPad Proは、複数の4K動画ストリームを同時に扱うことができるというから楽しみだ。
もっとも、iPhone 6sと同時に発表された新Apple TVは4Kに対応していないなど、提供しているソリューションがちぐはぐで、アップルの4Kに対する考え方が一貫していない感もある。このあたりが今後どう変化していくかも興味深いポイントだ。