「ERNESTOLO EX」と「FABRIZIOLO EX」を聴く
Carot One「EXシリーズ」レビュー。さりげなく繋げて音楽に浸れるデスクトップオーディオ
■プリメインアンプ「ERNESTOLO EX」をエラックと組み合わせて聴く
では、試聴に移ろう。まずはプリメインアンプのERNESTOLO EX。プレーヤーにAstell&Kernのハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「AK1120II」を使用し、ヘッドホン端子でアナログ接続する。試聴するのはパンチ・ブラザーズの『The Phosphorescent Blues』。このサイトでもリファレンスとして何度か紹介したオルタナティブなカントリーロック。さらに原田知世の『恋愛小説』や新たな室内楽を標榜する中島ノブユキの『散りゆく花』、キース・リチャーズの『クロスアイド・ハート』、サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』などを主として聴いた。
スピーカーはエラックの小型ブックシェルフ『BS72』とし、デスクトップでのニアフィールドリスニングを想定した。BS72は25mmのシルクドームのトゥイーターと、116mmウーファーの2ウェイ構成。ハイエンドモデルを中心に展開するエラックだが、本機はペアで6.5万円(税抜)という低価格設定も魅力だ。
パンチ・ブラザーズを再生すると、耳に伸びやかな歌声が届いた。ウッドベースやドラムスはマイルドで、低域はどちらかというとしっとりとした印象だ。原田知世のボーカルも落ち着きがあり、耳に優しい。このあたりに真空管のアドバンテージが出ているのだろう。ノラ・ジョーンズのカバー「Don't Know why」ではサザンソウル調のずっしりとしたリズムセクションを堪能できる。しかも、それが歌声の邪魔をしないところにも好感が持てた。
一方でホーンセクションは音の角が丸くなり、楽器の高域の煌めきよりも、厚みを重視したかのような音づくりといえる。中島ノブユキでは、ストリングスが重なり合いうねりを紡ぎ出している。それは至近距離で、しかも小さな音量にしても感じることができた。バンドネオンもつややかに表現する。また、キース・リチャーズではロックならではのラウドな響きが伝わってきた。ただし、エレキギターの高域が刺激的にならず、中高域を太めにまとめる傾向にある。
面白かったのはミカ・バンドの「塀までひとっとび」。スネアやタム、シンバルといったドラムスを構成するパーツの音色がしっかりと描き分けられていたからだ。そのため溌剌としたグルーブが醸し出され、楽曲そのもののパワーが一段と向上したかのようだった。
■音場の広さ、そして音色の温かみが見事に調和したヘッドホン再生
次に「ERNESTOLO EX」にオーバー型のヘッドホン、シュア「SHR1840」を接続。オープンバックタイプのフラッグシップモデルだ。上記と同様の楽曲を試聴したがベストマッチだったのは中島ノブユキ。ストリングスの厚みと、音場の広さ、そして音色の温かみが見事に調和したからだ。
さらに、イヤホンへチェンジ。Astell&Kernとベイヤーダイナミックによるコラボレーションモデル「AK T8iE」を使用する。パンチ・ブラザーズでは小型のイヤホンでもどっしりとした低域を味わうことができた。また、音楽全体に躍動感がプラスされたようで、アンプのドライブ力の高さを思い知った。原田知世は先ほどスピーカーで聴いた印象とはやや異なり、歌声やホーンセクションなどにキレやスピード感が加わるようだ。ドラムスもタイトで、音場の見晴らしも抜群。接続するスピーカーやヘッドホン、イヤホンの個性を引き出しているといってもよいだろう。
では、試聴に移ろう。まずはプリメインアンプのERNESTOLO EX。プレーヤーにAstell&Kernのハイレゾ対応ポータブルプレーヤー「AK1120II」を使用し、ヘッドホン端子でアナログ接続する。試聴するのはパンチ・ブラザーズの『The Phosphorescent Blues』。このサイトでもリファレンスとして何度か紹介したオルタナティブなカントリーロック。さらに原田知世の『恋愛小説』や新たな室内楽を標榜する中島ノブユキの『散りゆく花』、キース・リチャーズの『クロスアイド・ハート』、サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』などを主として聴いた。
スピーカーはエラックの小型ブックシェルフ『BS72』とし、デスクトップでのニアフィールドリスニングを想定した。BS72は25mmのシルクドームのトゥイーターと、116mmウーファーの2ウェイ構成。ハイエンドモデルを中心に展開するエラックだが、本機はペアで6.5万円(税抜)という低価格設定も魅力だ。
パンチ・ブラザーズを再生すると、耳に伸びやかな歌声が届いた。ウッドベースやドラムスはマイルドで、低域はどちらかというとしっとりとした印象だ。原田知世のボーカルも落ち着きがあり、耳に優しい。このあたりに真空管のアドバンテージが出ているのだろう。ノラ・ジョーンズのカバー「Don't Know why」ではサザンソウル調のずっしりとしたリズムセクションを堪能できる。しかも、それが歌声の邪魔をしないところにも好感が持てた。
一方でホーンセクションは音の角が丸くなり、楽器の高域の煌めきよりも、厚みを重視したかのような音づくりといえる。中島ノブユキでは、ストリングスが重なり合いうねりを紡ぎ出している。それは至近距離で、しかも小さな音量にしても感じることができた。バンドネオンもつややかに表現する。また、キース・リチャーズではロックならではのラウドな響きが伝わってきた。ただし、エレキギターの高域が刺激的にならず、中高域を太めにまとめる傾向にある。
面白かったのはミカ・バンドの「塀までひとっとび」。スネアやタム、シンバルといったドラムスを構成するパーツの音色がしっかりと描き分けられていたからだ。そのため溌剌としたグルーブが醸し出され、楽曲そのもののパワーが一段と向上したかのようだった。
■音場の広さ、そして音色の温かみが見事に調和したヘッドホン再生
次に「ERNESTOLO EX」にオーバー型のヘッドホン、シュア「SHR1840」を接続。オープンバックタイプのフラッグシップモデルだ。上記と同様の楽曲を試聴したがベストマッチだったのは中島ノブユキ。ストリングスの厚みと、音場の広さ、そして音色の温かみが見事に調和したからだ。
さらに、イヤホンへチェンジ。Astell&Kernとベイヤーダイナミックによるコラボレーションモデル「AK T8iE」を使用する。パンチ・ブラザーズでは小型のイヤホンでもどっしりとした低域を味わうことができた。また、音楽全体に躍動感がプラスされたようで、アンプのドライブ力の高さを思い知った。原田知世は先ほどスピーカーで聴いた印象とはやや異なり、歌声やホーンセクションなどにキレやスピード感が加わるようだ。ドラムスもタイトで、音場の見晴らしも抜群。接続するスピーカーやヘッドホン、イヤホンの個性を引き出しているといってもよいだろう。