海上忍のラズパイ・オーディオ通信(7)
ラズパイ・オーディオでアップサンプリング! CD音源を変換して高音質再生
■精度にこだわるなら設定は手作業で
ここまでお読みいただいて、「CD音源のアップサンプリングが96kHzでいいのか?」と疑問に感じた向きも多いことだろう。非整数倍アップサンプリングでは変換誤差が生じてしまう。いやいや、ジッターを抑制できるので音質向上につながる。など考え方はいろいろあるが、本稿ではその点について論じない。いずれにしても、libresampleを利用したリサンプリグ処理はRaspberry Pi 2に搭載されたクロックをもとに演算を行うもので、高音域の補正/補完を行うわけではないため、音が変わって聞こえることはあっても(必ずしも)音質向上にはつながらないだろう。
とはいえ、アップサンプリングするなら整数倍で、と考える向きは多いはず。前ページの内容だけでは、"ラズパイ・オーディオ"では88.2kHzや176kHzにはアップサンプリングできないと早合点されてしまいそうだが、決してそうではないことを明記しておきたい。ただし、現在のところその手段は「SSHでリモートログインしてテキストエディタを使い設定ファイルを直接編集」となるので、ハードルはやや高くなる。
書き換える箇所は、/etc/mpd.confの中ほどにある「audio_output_format」行。出力を96kHz/24bitに設定しているときは「"96000:24:2"」と記述されているので、これを整数倍にしたければ「"88200:24:2"」に書き換えて上書き保存、その後MPDを再起動しよう。変換誤差がなくなるうえに96kHz/24bitのときより負荷が若干下がるので、CD音源を中心に楽しみたい向きには試す価値があるはずだ。
176.4kHz/24bit出力を試したところ、音質向上効果は実感できなかったものの、音が途切れることなく再生できた。こちらも「audio_output_format」の部分を「"176400:24:2"」に書き換え、上書き保存してからMPDを再起動すれば準備は完了。ただし、再生が破たんしない限界付近までCPU使用率が高まるため、あわせてCPUのオーバークロックを検討すべきだろう。
(海上 忍)
ここまでお読みいただいて、「CD音源のアップサンプリングが96kHzでいいのか?」と疑問に感じた向きも多いことだろう。非整数倍アップサンプリングでは変換誤差が生じてしまう。いやいや、ジッターを抑制できるので音質向上につながる。など考え方はいろいろあるが、本稿ではその点について論じない。いずれにしても、libresampleを利用したリサンプリグ処理はRaspberry Pi 2に搭載されたクロックをもとに演算を行うもので、高音域の補正/補完を行うわけではないため、音が変わって聞こえることはあっても(必ずしも)音質向上にはつながらないだろう。
とはいえ、アップサンプリングするなら整数倍で、と考える向きは多いはず。前ページの内容だけでは、"ラズパイ・オーディオ"では88.2kHzや176kHzにはアップサンプリングできないと早合点されてしまいそうだが、決してそうではないことを明記しておきたい。ただし、現在のところその手段は「SSHでリモートログインしてテキストエディタを使い設定ファイルを直接編集」となるので、ハードルはやや高くなる。
書き換える箇所は、/etc/mpd.confの中ほどにある「audio_output_format」行。出力を96kHz/24bitに設定しているときは「"96000:24:2"」と記述されているので、これを整数倍にしたければ「"88200:24:2"」に書き換えて上書き保存、その後MPDを再起動しよう。変換誤差がなくなるうえに96kHz/24bitのときより負荷が若干下がるので、CD音源を中心に楽しみたい向きには試す価値があるはずだ。
176.4kHz/24bit出力を試したところ、音質向上効果は実感できなかったものの、音が途切れることなく再生できた。こちらも「audio_output_format」の部分を「"176400:24:2"」に書き換え、上書き保存してからMPDを再起動すれば準備は完了。ただし、再生が破たんしない限界付近までCPU使用率が高まるため、あわせてCPUのオーバークロックを検討すべきだろう。
(海上 忍)