アイ・オー・データ「RockDisk for Audio」で検証
お手頃オーディオ専用NASでネットオーディオ! AVアンプやコンポでかんたんスタート
■改めて実感したネットワーク再生の魅力
ここまで様々な機器で紹介したように、ネットワークオーディオは手持ちの機器ですぐに始められることがわかった。では、ネットワークオーディオの魅力とは何だろうか。膨大な量のCDもデータ化してネットワークオーディオで再生すれば、聴きたい1曲にあっという間に辿りつける。自分の聴きたい順番でアルバムや曲を並び変えるプレイリスト再生も可能だ。操作は、タブレットやスマートフォンのアプリから直感的に行える。パソコンと向き合う必要もなく、リモコン操作が可能な範囲にいる必要もない。
PCオーディオと重複する部分もあるが、PCオーディオはあくまで「パソコンの電源が入っていること」が前提になる。音楽を聴くのにパソコンの起動を待ったり、日常的に電源をオンにしておくことは、読者の方々もできるだけ避けたいはずだ。24時間、低消費電力で稼働可能なNASの存在がここでも光る。
そしてネットワークオーディオには「ひとつの音楽ライブラリに複数の場所からアクセスできる」魅力がある。NASに収めた音楽ライブラリには、有線/無線のホームネットワークが届く範囲の様々な機器から、自由にアクセスできる。複数の機器からの同時アクセスもでき、家族で音楽ライブラリを共有して使うこともできる。
■ネットワークオーディオを始めるのに重要となるNAS
そしてネットワークオーディオを身近な機器から楽しむ上で、NASの重要性を忘れてはならない。今回の検証でも、オーディオ用NASでなかったら、設定や選曲で戸惑うことが多かったはずだ。手軽にネットワークオーディオを始める上で、機能と価格の両面からRockDisk for Audioは有力な選択肢となる。では、オーディオ評論家はこの本機をどのように評価するか。いち早くネットワークオーディオ再生に取り組んできた山之内 正氏に実際に使ってもらい、その印象についてコメントをいただいた。
山之内正氏に聞いた
RockDisk for Audioが“オーディオ用”である理由
■Twonky Serverを採用。設定不要ですぐに使える
少し前までは“ちょっと難しそう”なイメージもあったネットワークオーディオですが、最近はかなり身近な存在になってきました。低価格のネットワークプレーヤーやAVアンプが増えて格段に導入しやすくなったことに加え、再生機器と並んで重要な役割を果たすNASにも手頃な製品が登場し、初心者にも安心してお薦めできる環境が整っています。
これからネットワークオーディオを始める音楽ファンにお薦めのNASとして真っ先に思い浮かぶのが、今回取り上げる「RockDisk for Audio」です。三角柱型のこのNASは、大きさもマグカップほどしかなく、置き場所を選びません。そして、HDDモデルは2万円台で買える製品ながら、ネットワーク再生に照準を合わせたオーディオ専用設計を採り入れていることが最大の注目ポイントです。
オーディオ専用を名乗っているのは、音楽再生で重要な点を押さえているため。まずは、データを受け渡す役割を担うメディアサーバーソフトにTwonky Serverを採用していることが肝心です。ネットワークプレーヤーのメーカーがNASの標準サーバーとして想定している定番のソフトだけに、機能、安定性、互換性いずれも定評があり、DSD音源を含む対応ファイル形式の幅の広さも際立っています。
RockDisk for Audioは、メディアサーバーの基本動作をネットワーク再生向けにあらかじめ設定してあり、購入後にパソコンで変更する必要がほとんどありません。映像データの保存も想定した多機能なNASでは、使い始める前に煩雑な設定変更をしなければならない製品が多かったのですが、音楽再生に的を絞れば、ナビゲーションツリー、更新時間、画像解像度など複数の項目を最初から最適な内容に設定して出荷できます。よって私たちユーザーは手間いらずです。基本的には、ネットワークにつなぎ、音楽データをコピーするだけで、すぐにネットワーク再生のフル機能を使えるようになります。
■ファンレスで動作音も静か。SSDモデルも用意
熱対策を工夫して放熱ファンを省略し、静音動作を実現したことも音楽ファンには重要なポイントのひとつ。内蔵するHDDの動作音は耳を近づけないと聞こえないほど小さく、SSD仕様のモデルは事実上動作音がしないので、静かな環境で音楽を聴いている人には特にお薦めです。実際には、長時間使い続けても本体が少し温かくなる程度なので、ファンレスとはいえ、設置場所にそれほど神経質になる必要もないでしょう。NASとしては消費電力が小さいこととあわせ、ハンドリングに気を使わないで済むのはありがたいことです。
ネットワークオーディオの音源はハイレゾとリッピングが中心ですが、その両方について、RockDisk for Audioはパソコンを使わずNASにデータを直接保存できる方法を用意しています。前者はe-onkyo musicの自動ダウンロード、後者はアイ・オー・データの「CDレコ」と連動する機能で、どちらもスマートフォンやタブレットの直感的な操作で使いこなすことができます。面倒なパソコンの操作から解放されると、元に戻れなくなるかもしれません。
ここまで様々な機器で紹介したように、ネットワークオーディオは手持ちの機器ですぐに始められることがわかった。では、ネットワークオーディオの魅力とは何だろうか。膨大な量のCDもデータ化してネットワークオーディオで再生すれば、聴きたい1曲にあっという間に辿りつける。自分の聴きたい順番でアルバムや曲を並び変えるプレイリスト再生も可能だ。操作は、タブレットやスマートフォンのアプリから直感的に行える。パソコンと向き合う必要もなく、リモコン操作が可能な範囲にいる必要もない。
PCオーディオと重複する部分もあるが、PCオーディオはあくまで「パソコンの電源が入っていること」が前提になる。音楽を聴くのにパソコンの起動を待ったり、日常的に電源をオンにしておくことは、読者の方々もできるだけ避けたいはずだ。24時間、低消費電力で稼働可能なNASの存在がここでも光る。
そしてネットワークオーディオには「ひとつの音楽ライブラリに複数の場所からアクセスできる」魅力がある。NASに収めた音楽ライブラリには、有線/無線のホームネットワークが届く範囲の様々な機器から、自由にアクセスできる。複数の機器からの同時アクセスもでき、家族で音楽ライブラリを共有して使うこともできる。
■ネットワークオーディオを始めるのに重要となるNAS
そしてネットワークオーディオを身近な機器から楽しむ上で、NASの重要性を忘れてはならない。今回の検証でも、オーディオ用NASでなかったら、設定や選曲で戸惑うことが多かったはずだ。手軽にネットワークオーディオを始める上で、機能と価格の両面からRockDisk for Audioは有力な選択肢となる。では、オーディオ評論家はこの本機をどのように評価するか。いち早くネットワークオーディオ再生に取り組んできた山之内 正氏に実際に使ってもらい、その印象についてコメントをいただいた。
山之内正氏に聞いた
RockDisk for Audioが“オーディオ用”である理由
■Twonky Serverを採用。設定不要ですぐに使える
少し前までは“ちょっと難しそう”なイメージもあったネットワークオーディオですが、最近はかなり身近な存在になってきました。低価格のネットワークプレーヤーやAVアンプが増えて格段に導入しやすくなったことに加え、再生機器と並んで重要な役割を果たすNASにも手頃な製品が登場し、初心者にも安心してお薦めできる環境が整っています。
これからネットワークオーディオを始める音楽ファンにお薦めのNASとして真っ先に思い浮かぶのが、今回取り上げる「RockDisk for Audio」です。三角柱型のこのNASは、大きさもマグカップほどしかなく、置き場所を選びません。そして、HDDモデルは2万円台で買える製品ながら、ネットワーク再生に照準を合わせたオーディオ専用設計を採り入れていることが最大の注目ポイントです。
オーディオ専用を名乗っているのは、音楽再生で重要な点を押さえているため。まずは、データを受け渡す役割を担うメディアサーバーソフトにTwonky Serverを採用していることが肝心です。ネットワークプレーヤーのメーカーがNASの標準サーバーとして想定している定番のソフトだけに、機能、安定性、互換性いずれも定評があり、DSD音源を含む対応ファイル形式の幅の広さも際立っています。
RockDisk for Audioは、メディアサーバーの基本動作をネットワーク再生向けにあらかじめ設定してあり、購入後にパソコンで変更する必要がほとんどありません。映像データの保存も想定した多機能なNASでは、使い始める前に煩雑な設定変更をしなければならない製品が多かったのですが、音楽再生に的を絞れば、ナビゲーションツリー、更新時間、画像解像度など複数の項目を最初から最適な内容に設定して出荷できます。よって私たちユーザーは手間いらずです。基本的には、ネットワークにつなぎ、音楽データをコピーするだけで、すぐにネットワーク再生のフル機能を使えるようになります。
■ファンレスで動作音も静か。SSDモデルも用意
熱対策を工夫して放熱ファンを省略し、静音動作を実現したことも音楽ファンには重要なポイントのひとつ。内蔵するHDDの動作音は耳を近づけないと聞こえないほど小さく、SSD仕様のモデルは事実上動作音がしないので、静かな環境で音楽を聴いている人には特にお薦めです。実際には、長時間使い続けても本体が少し温かくなる程度なので、ファンレスとはいえ、設置場所にそれほど神経質になる必要もないでしょう。NASとしては消費電力が小さいこととあわせ、ハンドリングに気を使わないで済むのはありがたいことです。
ネットワークオーディオの音源はハイレゾとリッピングが中心ですが、その両方について、RockDisk for Audioはパソコンを使わずNASにデータを直接保存できる方法を用意しています。前者はe-onkyo musicの自動ダウンロード、後者はアイ・オー・データの「CDレコ」と連動する機能で、どちらもスマートフォンやタブレットの直感的な操作で使いこなすことができます。面倒なパソコンの操作から解放されると、元に戻れなくなるかもしれません。
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