【特別企画】専用室・リビング・プライベートルームにわけて紹介
<3つのシーン別>オプトマプロジェクターでつくるシアター設置のポイントを鴻池賢三が解説!
鴻池賢三
2016年01月08日
一般的な家庭で最も採用事例が多いのが、リビングルームを利用した「リビングシアター」だ。日常生活での使い勝手や安全性も考慮する必要があるので、専用室に比べてAV機器の設置方法や画質・音質クオリティーは制約を受けるが、スペースが有効活用でき、都会では現実的と言える。また、家族が集まってのコミュニケーションにも向いていて、お子さまのいるファミリーにも適している。
▼プロジェクターの種類
リビングシアターの場合、日中に直射日光が差し込んだり、日没後も生活や安全のために明かりを残す必要がある。また、食事をしながら映画鑑賞、スポーツ観戦をしながらパーティー、コントローラーの操作を伴ったゲームプレイなど、相応の照明環境も想定しておきたい。よって、プロジェクターは輝度が高く映像が明るい製品が適している。
投写する映像サイズにもよるが、スペックの目安として2,000ルーメン程度以上あれば、比較的明るいリビングでも映像の内容を確認することができる。よりコントラストが高く、鮮明な映像を得たい場合は、できるだけ輝度の高い製品を選ぼう。
また、ソファの前のテーブルに設置するようなスタイルで、スクリーンまでの投写距離が短い場合、より大画面を得るには短焦点タイプのプロジェクターが活躍する。最近では、1.5m程度で80インチ〜100インチ程度の大画面も手に入る超短焦点タイプも人気だ。
▼スクリーンのパターン&サイズ
リビングシアターの場合、視聴時のみ機材を設置する比較的簡易的なタイプから、専用ルームに近い、インストーラーと呼ばれる専門業者が施工する本格的なものまで様々である。
常設しない簡易的なシアターの場合、使わない時はコンパクトに収納でき、必要な時にのみ取り出して使える立ち上げ式のスクリーンが便利だ。立ち上げ式は携帯性にも優れ、部屋間の移動、友人宅など屋外移動も可能で、用途や楽しみも広がる。
常設の本格的なシアターの場合、スクリーンは、天井設置タイプの巻き取り式が主流。テレビの前で昇降できるようにしておくと、テレビとスクリーンの2ウェイ利用が可能で、放送番組はテレビで視聴、映画など必要に応じてスクリーンとプロジェクターを使用するという、柔軟な使い分けができる。巻き上げ式は、スペースの節約に加え、巻き上げておけば、幕面の汚れや日光焼けによる変色を防止できるのもメリット。特にリビングでは、調理時の油煙やたばこの煙に含まれるヤニの付着なども気になりやすいので、こまめに手間無く昇降ができる電動式が便利だ。
幕面のタイプは、基本マットで良いが、日中あるいは照明が非常に明るいリビングでの視聴がメインの場合、より明るく鮮明な映像が得られるビーズタイプも一案である。ビーズタイプは幕面に無数のガラス玉を敷き詰めた構造で、回帰型と呼ばれる光学特性を持ち、光がやって来た方向に、光を重点的に返す性質がある。よって、プロジェクターと視聴ポイントとが近い、つまり、テーブル上設置と相性が良い。プロジェクターを天吊りする場合は、ビーズタイプだと視聴位置に映像光が届かないので、反射型のパールタイプを選ぶと良い。
▼設置位置&距離
スクリーンサイズは視聴距離に応じて適切なサイズを選ぶのが基本だが、プロジェクターの映像は、画面が小さいほど凝縮されて明るく見えるので、特に明るい環境での視聴を想定している場合は、意識しておくと良いだろう。完全に遮光できない場合は、スクリーンを外光の入り口の前に設置すると、遮光の一助になり、また漏れた光が幕面にあたらず、コントラスト確保の点でも有利だ。
▼スピーカーの種類
視聴時のみ設置する簡易的なシアターの場合、プロジェクターに内蔵されたスピーカーの利用も一案だ。音量や音質は限定的だが、設置場所を変えてもオーディオ装置の移動は必要なく、使い勝手が良い。本格的な施工を伴うシアターの場合、リビングでは見栄えを重視し、スピーカーを目立たなくする埋め込み式が人気だ。しっかりしたスピーカーを設置する場合も、インテリアとのマッチングを考えよう。スピーカーは黒色が多いが、白いスピーカー、明るい木目調など、選択肢は豊富だ。
▼室内の壁など環境
映像の見え方を重視すると、壁紙や家具類の色は艶の無い黒が理想で、ほか、ダーク調の色味が適しているが、生活空間であるリビングでは好まれないケースが多い。普段リビングとして部屋の明るさを重視するなら、白、グレー、淡いベージュなど、無彩色に近いものを選ぼう。無彩色なら、光が反射しても色付きがなく、スクリーン映像の見え方にも影響が少ない。ユーザーの好みによりカラフルな色の壁紙を使いたい場合でも、緑色は避けよう。人間の視覚は緑色に対して感度が高く、明るい緑色は映像の見え方に大きな影響を与えてしまうからだ。
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