11万円と高価だが人気沸騰
仮想空間内を「歩ける」新感覚。話題のVR「HTC Vive」を体験
まず、椅子に座ってゴーグルを装着する。メガネを付けながらでも装着できると言われたのだが、筆者のメガネのフレームが大きいためかうまく入らず、裸眼で装着することになった。ちなみに筆者の視力は0.1を遙かに下回る。だが少し映像がぼんやりする程度で、問題無いレベルで映像が見られた。
装着感はまずまず、といったところ。ゴーグルは見た目がかなりゴツいが、装着してみるとそれほど重さを感じない。
■VR世界の中を歩いて散策できる
椅子から立つと、まず表示されたのは、ほとんど真っ白な画面。ほとんどオブジェクトが置かれていないシンプルな環境だ。だが、頭を上下左右に移動させてみると少し映像が変わり、すでにセンサーが正常に動作していることがわかる。
「ちょっと歩いてみてもらえますか」と促され、歩くと、青い格子状の壁が見えてきた。「それが壁です。そこから先は行かないで下さい」と説明員さん。壁や家具などに当たらないように限界を設定しておくことができるのだ。
「それでは始めます」と説明員さんが告げると、パッと映像が切り替わり、青みがかった光の中に移動した。どうやら海の底に沈んだ船の上にいるようだ。甲板の上を歩いて、ヘリのところまで行き、下を覗き込むと、吸い込まれそうなほどの深海の闇。思わず足がすくむ。
すると小魚の群れが近くにやってきた。両手に持ったコントローラーを近づけて振ると、動きに合わせて小魚が逃げていく。コントローラーを持って振っているというより、手を近づけて魚と戯れているような感覚だ。人間の感覚はかなり騙されやすいのだな、と感じる。
「クジラが近づいてきましたね」と言われ、右上を見上げると、確かに巨大なクジラがこちらに近づいてくる。ゆったりと上下運動する尾の動きがすごくリアルだ。さらに頭を右に向けると、現実世界なら1〜2メートル先といった距離にあるクジラの目が、こちらを観察している。眼球の周りの皺などまで、非常に細かく作り込まれており、じっくり眺めているとたじろぐくらいのリアリティがある。最後に尾を超至近距離で大きく振り下ろし、クジラは去って行った。
もっと長くこの世界を探索してみたいが、時間の関係で次のデモへ。またパッと画面が切り替わると、目の前にゴルフボールがある。立っている地面は芝生だ。今度はゴルフを試すようだ。
■ゴルフボールを打った手応えまで実感できる
先ほどまではを両手に一つずつコントローラーを持っていたが、今回使うのは一つだ。ゴルフパットのように両手で持ち、狙いをさだめてスイングすると、ボールが転がっていく。Wiiスポーツのゴルフをやったことがあれば、あれを仮想空間内に入り込んで行うようなイメージとご想像頂きたい。
リアルなのはボールを打ったときに振動フィードバックがあるため、実際に打った手応えが感じられることだ。
ボールの方に足で歩いて近づくこともできるのだが、遠くまで歩くと壁にぶつかってしまう。コントローラーのボタンを押せば、ボールの側まで瞬間移動することができる。慣れない操作に戸惑いながらも、なんとかカップにボールを入れ、このゲームもクリアできた。