【特別企画】販売現場の最前線で売れ筋の理由を探る
JVC「WOODイヤホン」はなぜ売れ続けているのか? ロングセラーの理由をヨドバシ店員に訊く
JVCのイヤホンは「長い間にわたってコンスタントに同じモデルが売れる数少ないブランドのうちのひとつ」とのことで、WOODイヤホンも「評判を聞いて試聴しにいらっしゃって、実際に気に入って購入されるお客様も多いですね」と佐野氏は紹介。発売からある程度の時間が経って各所で評判になっていることが“指名買い”につながっていることがうかがえる。
なお、ヨドバシAkibaのヘッドホン/イヤホン売り場では、WOODイヤホンを含めたJVC製品を自由に試聴できるコーナーが何ヶ所か展開されているが、「いずれかのモデルを常に誰かが試聴しているような状態」だという。自由に試聴できるようにする前も「このモデルを聴かせてほしい」と要望してくる来店者が多かったとのことで、こんなところからも同社製品の人気の高さがわかる。
購入者層については、HA-FX650はコストパフォーマンスの良さから若めのユーザーに人気で、それ以外では30〜40歳代の男性が中心とのこと。売れ行きの割合はHA-FX650とHA-FX850が若干高めで、「HA-FX850はリケーブルできるようになることと、HA-FX650からの音質的なグレードアップ感が大きく感じられることが理由ではないでしょうか」と佐野氏は解説してくれた。
また、購入者は「ジャズがお好きな方がほとんど」とのことで、「店員としても、ジャズ好きのお客様には真っ先にオススメできる製品」だと佐野氏はコメント。ジャズとの相性が抜群と、キャラクターがハッキリ確立されている点がWOODイヤホンの人気につながっているのだろう。
一方で佐野氏はブラスリングをパーツに使用していることが好影響を及ぼし、ジャズだけでなくクラシックとの相性もよいモデルだとも説明。「金属のブラスパーツが入ったことで、前モデルに比べて金管楽器の音も非常にクリアになりました。ホール系の音の広がりが重要になってくる音楽にはバッチリあっていると思います」と説明した。
なお、HA-FX1100については「HA-FX850を持っているお客様が買い増ししているケースが多い印象」とのこと。「HA-FX1100はナイロン系の編み込みケーブルでHA-FX850に比べて取り回しがしやすいこと、そして低域が若干強くなることがその理由にあるのではないでしょうか」という。
そしてJVCのWOODイヤホンは「店員としても売りやすいモデル」だと表現。「お客様の音楽的嗜好をうかがって『じゃあこんなモデルはいかがですか?』と提案すると『なるほど、いいね』と言っていただけます」と、WOODイヤホンに対する一般ユーザーの反応の良さも紹介してくれた。
見てきたように、JVCのこだわりを多数投入したことによる音質的キャラクターが評価を集め、その評判がさらなる人気を読んでいるロングセラー機のWOODイヤホン。その人気はまだまだ衰えることはなさそうだ。