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【特別企画】ハイエンドケーブルのノウハウを投入

SUPRAから“ポータブル向け”光デジタルケーブル「SUPRA ZAC」登場。音質と使い勝手を試す

公開日 2016/04/11 11:14 山本 敦
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土岐麻子のアルバム「Bittersweet」から『きみだった』では、ボーカルの素性が自然と引き出され、バンドのハーモニーと甘く溶け合う。アコースティック楽器の音色はしなやかで、ディテールが緻密に描き込まれる。バスドラムは懐の深い余韻とともに安定感あふれるリズムの足跡を残していく。

上原ひろみの「SPARK」から『Wonderland』では、トリオ編成の演奏なのに、そのスケール感が雄大に広がる。SUPRA ZACの実力によりフォーカスするために、一般的な光ケーブルに交換して音を聴き比べてみると、その差は歴然だ。ZACで聴くピアノのメロディは目が覚めるほど鮮やかなのだ。ドラムスのスティックが空気を切り裂く音まで聞こえてくるほど、静寂にも緊張感がある。

SUPRA ZACを一般的な光ケーブルの平板な音と比較すると、目の前に存在しているリアルな情景とその写真を見比べるくらいの、明らかな違いがある。音の潤いが段違いなのだ。

ちなみにAK100は、光デジタル経由でも最大192kHz/24bitまでPCM出力に対応する。2.8MHzまでのDSDも、PCMに変換して再生できる。SUPRA ZACは、192kHz/24bitのPCM信号も問題なく伝送することができた。

据え置きシステムでも音質を確認。解像感がアップし、空気感まで伝わる

SUPRA ZACの絶対的な音質を確認するために、AK100の光デジタル出力を、フルサイズのオーディオコンポーネントにつないだ環境でスピーカーリスニングも試してみた。AK100をSUPRA ZAC経由でマランツのSACDプレーヤー「SA-14S1」の光デジタル入力に接続。アンプにはアキュフェーズ「E-360」、スピーカーにはモニターオーディオ「GOLD 300」を組み合わせた。

マランツのSACDプレーヤー/USB-DAC「SA-14S1」とAK100を光デジタル接続して、ZAKの音質をさらに確認した

スピーカーリスニングでも、ヘッドホンのときと同じように、ケーブルの特性としての定位やS/Nの良さがはっきりとわかる。上原ひろみのピアノは、鍵盤を叩く指先の疾走感を肌で感じられるようで、空気感も生々しい。低域の解像感も高く、トリオの演奏から心地よい緊張感が伝わってくる。土岐麻子のボーカルは声の彫りが深く、きめの細かな質感に息を呑んだ。ドラムスのタイトで有機的なリズムとのバランス感覚も絶妙だ。



SUPRA ZACは、高い技術と長年のケーブルづくりのノウハウに裏打ちされた音の良さを持ちながら、現代的なポータブル用途での使い勝手に配慮された光デジタルケーブルだ。同様のケーブルの選択肢が少ないなかで、端子形状を2タイプ、長さも2種類を用意していて、用途に合わせて選ぶことができる。ポータブルオーディオの可能性と楽しみを一段と広げるデジタルケーブルと言えるだろう。

なお、今後はラインナップの拡充も予定されており、長尺モデルも用意されるとのこと。具体的には「ZAC MiniTOS」は1mと2m、「ZAC Mini」は1mのモデルが追加され、両端が角形TOS端子のモデルも登場する。ZACを据え置きオーディオやテレビ回りの音質強化にも活用できるようになるので、こちらにも期待したい。


(山本 敦)

特別企画 協力:サエク・コマース

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