<山本敦のAV進化論 第99回>
Lightning直結で“超軽量”ノイキャンイヤホンが実現。「JBL Reflect Aware」を聴く
ほかにも10バンドのイコライザー機能が搭載されている。プリセットはJazz/Vocal/Bassの3種だが、ユーザーがカスタマイズした値をメモリーしておくこともできる。アプリで設定したANCやイコライザーの効果はミュージックなど音楽プレーヤーアプリやYouTubeやNetflixなど動画コンテンツの再生時にも有効だ。
はじめに音楽再生せずにANC機能の効果をチェックした。比較用に「JBL EVEREST ELITE 100」も用意している。
Reflect AwareのANC機能は全体に穏やかなかかり方で、オンに切り替えた時に耳の穴が詰まるような圧迫感はほとんどない。最初はノイズ消去の効果が弱いのではと感じたほどだったが、アウトドアで使ってみると車の低いロードノイズや、雑踏のざわめきなどが確実に消えていることが実感できた。
なおReflect Awareにはハウジングの内側と外側に搭載したマイクでノイズを打ち消す、フィードバックとフィードフォワードのハイブリッド方式が採用されている。
もっとも、ANC機能をオフにした状態でもかなり高い遮音性を備えているのがReflect Awareの特長だ。耳に入れるイヤーチップと、外耳のくぼみにはめて装着感を安定させるスタビライザーが、それぞれセパレートのチップになっているので、S/M/Lサイズの組み合わせを自由に選んで耳元へのフィット感を高められる。装着時に外れにくい所も、ハーマングループのブランドであるスポーツイヤホンのスペシャリスト「Yurbuds(ヤーバッズ)」製品のノウハウが活きているのだろう。
ANC機能はリモコンのボタンからでもオン・オフと、Ambient Awareモードの効果が操作できる。アプリからならば、さらに左右イヤホンのANC効果を個別にコントロールできる。それほど頻繁に使う機能ではなさそうだが、オフィスで仕事をしながら音楽を聴くときにも、片側から聴こえる外の音に集中を残したいときなどに役立つかもしれない。
本体のカラバリは4色が揃い、約1.2mのケーブルがメインカラーとグレーのツートン&ツイストデザインになっている。被覆のグレーの部分は少しざらっとしたタッチに仕上げられていて、ケーブル自体がやや固めなのでからみにくいのが良いところ。
アウトドアリスニングを中心に想定しているためか、わずかに中低音にバランスをシフトさせて、一体感を重視したサウンドにチューニングされているように感じた。ANCのオン・オフを切り替えても音質にほぼ変化がないのは、EVEREST ELITEシリーズと共通の特長として高く評価できるポイントだと思う。
■音質傾向をチェック
原田知世の「恋愛小説2〜若葉のころ」から『September』では冒頭からリッチなベースが響く。音像がだぶつく感じはなく、タイトなリズムを正確に刻む。ボーカルの音像はふくよか。声の質感はシルキーな艶っぽさがやや強調される傾向だ。ピアノやギターの音色はこってりとしていて、おおらかな余韻を漂わせる。