<山本敦のAV進化論 第53回>“世界初のLightning接続対応ヘッドホン”をレビュー
「iPhoneとLightningで直結」の音質は? − フィリップスのヘッドホン「Fidelio M2L」を聴く
■“世界初のLightning接続対応ヘッドホン”「Fidelio M2L」
4月下旬にヨーロッパのマルタで開催されたIFA2015グローバル・プレスカンファレンスに参加してきた(レポート記事一覧)。毎年秋にドイツの首都ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」の見所を、集まったプレスに向けて説明するためのプレイベントなのだが、イベントを協賛するスポンサー企業が出展する小さなブースに、意外に面白い製品やサービスの“出もの”が見つかることもある。
今年はフィリップスのオーディオ機器事業を展開するWOOX Innovations社、改めGibson Innovations社が参加して、フィリップスのハイエンドシリーズである「Fidelio」のヘッドホンを並べていた。中にはもちろん、あの“世界初のLightning接続対応ヘッドホン”である「Fidelio M2L」の姿もあった(IFA GPCのブースレポート)。
「Fidelio M2L」は、昨年の9月に開催されたIFA2014の終了直後に発表されたヘッドホンだ。こんなにセンセーショナルなモデルをなぜIFAに間に合わせることができなかったのか?と発表当時は不思議でたまらなかったのだが、ようやく今年初のCESに出展したギブソンのブースで、実機を試聴したり、開発者に設計まわりの詳しい話も聞くことができた(関連レポート)。
筆者は本機が発表されてからすごく興味を持っていたので、海外取材の機会に見つけたら購入したいとずっと思い続けていて、今年の3月上旬にスペインのバルセロナで開催されたMWCに足を運んだ際にショップを探して回った。ところが、電気製品も充実する大型ショップのfnac(フナック)を2件ハシゴして、オーディオショップらしき店舗を訪ねてみても、どこにもM2Lを見つけることはできなかった。
IFA GPCの会場でGibson Innovations社のスタッフに「一体いつ発売されたんですか?」と悔しさを滲ませながら訊ねてみたところ、「ヨーロッパでも3月からようやく出荷が始まった」のだという。発表当初はヨーロッパで12月、北米でも1月から順次出荷が始まるとされていたのだが、何らかの事情でスケジュールが後ろ倒しにされていたようだ。
ならばマルタで買ってやろうじゃないかと、勇んで首都・バレッタに足を運んでみても、今度は街中にFidelioシリーズが置いてあるようなそれなりに充実したショップが見つからなかった…。これまでにCESのブースを取材して、M2Lの音を聴いたことが無かったわけではないのだが、改めてじっくりと音を確かめてみたいという思いを抑えきれずに、Gibson Innovations社のPRマネージャーであるマーク・グルーヴス氏に、本機を一晩借りて聴かせてもらえないかと頼み込んだところ、展示用とは別に予備で持参していたヘッドホンを1台、快く貸してもらうことができた。
というわけで、今回は“世界初のLightning接続ヘッドホン”「Fidelio M2L」のハンドリング&リスニングインプレッションをお届けしたいと思う。
■Lightning接続によるデジタル伝送をどうやって実現しているのか
本機は「Fidelio M」シリーズをベースに、iPhoneなどに直接つないでより高品位なサウンドが楽しめるアンプおよびDACを内蔵したオンイヤーヘッドホンだ。iPod/iPhone/iPadを対象としたMFi認証を取得しており、iOS機器はLightning端子とiOS 7.1以上を搭載していれば組み合わせることができる。Lightningケーブル直結時には最大48kHz/24bitのハイレゾ再生も楽しめる。その仕組みは以下の通りだ。
4月下旬にヨーロッパのマルタで開催されたIFA2015グローバル・プレスカンファレンスに参加してきた(レポート記事一覧)。毎年秋にドイツの首都ベルリンで開催されるエレクトロニクスショー「IFA」の見所を、集まったプレスに向けて説明するためのプレイベントなのだが、イベントを協賛するスポンサー企業が出展する小さなブースに、意外に面白い製品やサービスの“出もの”が見つかることもある。
今年はフィリップスのオーディオ機器事業を展開するWOOX Innovations社、改めGibson Innovations社が参加して、フィリップスのハイエンドシリーズである「Fidelio」のヘッドホンを並べていた。中にはもちろん、あの“世界初のLightning接続対応ヘッドホン”である「Fidelio M2L」の姿もあった(IFA GPCのブースレポート)。
「Fidelio M2L」は、昨年の9月に開催されたIFA2014の終了直後に発表されたヘッドホンだ。こんなにセンセーショナルなモデルをなぜIFAに間に合わせることができなかったのか?と発表当時は不思議でたまらなかったのだが、ようやく今年初のCESに出展したギブソンのブースで、実機を試聴したり、開発者に設計まわりの詳しい話も聞くことができた(関連レポート)。
筆者は本機が発表されてからすごく興味を持っていたので、海外取材の機会に見つけたら購入したいとずっと思い続けていて、今年の3月上旬にスペインのバルセロナで開催されたMWCに足を運んだ際にショップを探して回った。ところが、電気製品も充実する大型ショップのfnac(フナック)を2件ハシゴして、オーディオショップらしき店舗を訪ねてみても、どこにもM2Lを見つけることはできなかった。
IFA GPCの会場でGibson Innovations社のスタッフに「一体いつ発売されたんですか?」と悔しさを滲ませながら訊ねてみたところ、「ヨーロッパでも3月からようやく出荷が始まった」のだという。発表当初はヨーロッパで12月、北米でも1月から順次出荷が始まるとされていたのだが、何らかの事情でスケジュールが後ろ倒しにされていたようだ。
ならばマルタで買ってやろうじゃないかと、勇んで首都・バレッタに足を運んでみても、今度は街中にFidelioシリーズが置いてあるようなそれなりに充実したショップが見つからなかった…。これまでにCESのブースを取材して、M2Lの音を聴いたことが無かったわけではないのだが、改めてじっくりと音を確かめてみたいという思いを抑えきれずに、Gibson Innovations社のPRマネージャーであるマーク・グルーヴス氏に、本機を一晩借りて聴かせてもらえないかと頼み込んだところ、展示用とは別に予備で持参していたヘッドホンを1台、快く貸してもらうことができた。
というわけで、今回は“世界初のLightning接続ヘッドホン”「Fidelio M2L」のハンドリング&リスニングインプレッションをお届けしたいと思う。
■Lightning接続によるデジタル伝送をどうやって実現しているのか
本機は「Fidelio M」シリーズをベースに、iPhoneなどに直接つないでより高品位なサウンドが楽しめるアンプおよびDACを内蔵したオンイヤーヘッドホンだ。iPod/iPhone/iPadを対象としたMFi認証を取得しており、iOS機器はLightning端子とiOS 7.1以上を搭載していれば組み合わせることができる。Lightningケーブル直結時には最大48kHz/24bitのハイレゾ再生も楽しめる。その仕組みは以下の通りだ。