ハイレゾ、CD、レコードもこれ1台で！ パイオニア「NC-50」であらゆる音源を味わい尽くす

・音楽再生を簡単に楽しむことができるさまざまな機能を備えている

NC-50は後日のアップデートでいくつか機能追加が予定されており、音楽ファイルの再生をさらに手軽に楽しむことができるようになる。その１つが、ハイレゾ配信サイト「e-onkyo music」からのファイル自動ダウンロード機能だ。すでに一部のNASでは実現している機能だが、これがかなり便利だ。

ハイレゾ音源を購入して聴く場合、購入したパソコンからNASやUSBメモリー/HDDへいちいちコピーする必要がある。NC-50では最初に設定を済ませていれば、e-onkyo musicで楽曲を購入すると、自動的に本体にUSB接続した外付けHDDに購入した楽曲をダウンロードしてくれる。さらには、ネットワーク上から本機の外付けHDDへ、楽曲ファイルの転送も可能になるという。

■NC-50のサウンドを、様々な音楽ソースでチェックする

本機が長所の多い製品のため、そちらの解説が長くなってしまった。ここからはいよいよ音質レビューを行ってみよう。

試聴室に入って実物と対面。シャーシはシルバーで、精密感も醸し出す。フロントにははヘアライン処理されたアルミパネルが装着され、再生中のステータスやアルバムアートが表示できる3.5インチのフルカラー液晶ディスプレイを装備する。このデザインであれば、インテリアにこだわった部屋とのマッチングもいいはず。ボリュームもアルミ製で、回すと適度な重みがある。オールインワンのオーディオ製品というとミニコンポを想像する方も多いはずだが、NC-50は別グレードの製品と言える。

まずは基本となるCD再生からスタートする。今回は試聴室のリファレンスであるトールボーイ型スピーカーのモニターオーディオ「GOLD 300」と、価格的にも現実的な選択肢になるであろうパイオニア製のコンパクト・ブックシェルフスピーカー「S-CN301-LR」を用意して、試聴に臨んだ。

まずは試聴室のリファレンスでもあるGOLD 300を接続して、井筒香奈江『リンデンバウム』（UHQ CD）をCDトレイに乗せる。最近リファレンスの１枚に加えた高音質盤なのだが、一聴して音に透明感があることがわかる。リバーブ成分がほとんど乗らない生々しいボーカルと深く沈みこむベースをしっかりと再現してくれる。全帯域の解像度も高く、聴いていて楽しい音調だ。ＧOLD 300は本機に組み合わせるにはやや大きいスピーカーだが、不足なく鳴らす駆動力も備えている。

続いて、NASからのネットワーク再生を試みる。浜崎あゆみ 『A BEST -15th Anniversary Edition-』（96Hz/24bit FLAC）を再生。やはり音に透明感があり、音色も豊かだ。そしてハイレゾらしく、ボーカルとバックミュージックと明快に分離してスピーカー中央にコンパクトに定位する。

ちなみに再生時には、フロントの液晶画面にアルバムジャケットが表示されるのだが、これがまた良い。物理的に存在しないデジタル楽曲を再生するとき、このように本体にアートワークが表示されると、ディスクを再生するような物理的な存在感があり、とても安心できる。このあたりはCDをずっと楽しんできた方にもしっくりとくるのではないだろうか。

続いてスピーカーを「S-CN301-LR」に替えてみる。コンパクトで手頃な価格ながら仕上げの質感も良いモデルで、高域は40kHzまでの再生に対応しておりハイレゾ再生にも申し分ない。同じく浜崎あゆみを聴いて確認してみたのだが、NC-50との相性は抜群だ。音色のリアルさやハイレゾらしい解像度をしっかりと再現しつつ、コンパクトスピーカーらしい立ち上がりの速いリズムと広がりのある音場が楽しめる。価格も手ごろなので、組み合わせるスピーカー選びに迷ったら、まずは本機を選択するといいのではないだろうか。