“フルバランス” が引き出すクラスDアンプの真価
「 20万円以下では圧倒的な駆動力」。パイオニアのプリメイン「A-70A」を岩井喬がレビュー
クラスDアンプ&フルバランス構成で更なる進化を遂げた「A-70A」
パイオニアが手掛けるピュアオーディオ系のプリメインアンプとしては、久々の10万円オーバークラスとなるモデルとして2012年に登場した「A-70」。同社のAVアンプで磨きをかけたクラスDアンプを2ch仕様に落とし込むとともに、192kHz/32bit対応USB-DACを内蔵する物量投入モデルであり、非常にC/Pも高く、改めてピュアオーディオにかけるパイオニアの並々ならぬ意気込みの強さを感じ取れるものであった。
そして2015年、「A-70」の後継機として「A-70A」「A-70DA」が誕生した。前モデルから大きく変わったのが、クラスDアンプを積む出力段の直前までフルバランス構成を取り入れたことだ。
USB-DACを含む機能面も踏まえた進化という点では、11.2MHz・DSD入力にも対応したA-70DAが純粋なグレードアップ機となるが、アナログ入力しか持たないシンプルな構成の「A-70A」も用意された。こちらは、バランス出力搭載USB-DAC「U-05」やネットワークプレーヤー「N-70A」等とXLRバランス接続することで、更なるステップアップを図れることがポイントとなる。これ以上デジタル入力が加わる必要性がないと考える方にとって、A-70Aは最良の選択肢だ。
パイオニアがクラスDアンプを
ピュアオーディオコンポに採用する理由とは?
フルサイズコンポのプリメインアンプにおいて、クラスDアンプを採用したモデルはあまり多くはない。特に、アナログ入力しか持たないモデルで採用しているという点で、A-70Aはかなり異色の存在といえるかもしれない。
クラスDアンプながらアナログ入力に特化した理由は、パイオニアがブラッシュアップを重ねて着実に積み上げてきた技術の蓄積にある。だからこそ今このタイミングで、これまでに培った技術を生かし、2ch環境でも十分アナログアンプと渡り合えるクオリティを持つピュアオーディオ用クラスDアンプを世に送り出したのだといえるだろう。その可能性を愚直なまでに追い求めてきたパイオニアのスピリットが、このクラスDアンプには凝縮されているのである。
クラスDアンプのメリットを最大限味わえるのは
「単体DAC+A-70A」の組み合わせ
クラスDアンプはデジタル入力と親和性が高く、DAC内蔵機はデジタル信号のままアンプまで回路設計できるシグナルショートパスのメリットもある。しかし、今回の「A-70A」のようにバランス入力を持つアナログ・プリ段を作り込んだ設計であれば、DAC内蔵機の持つ純度の高いダイレクト感よりも、アナログ出力に贅を尽くしたDAC単体機とのバランス接続の方が音色的にも良い影響を与えるケースが起こり得るだろう。
DAC内蔵機ではスペースの制約も当然あり、DAC段へのこだわりにも限界がある、応答性に優れるクラスDアンプによってその限界さえも明確に描き出してしまう。ゆえに最もクラスD方式の持つメリットを一層味わえるモデルは、USB-DACさえも省いた、バランス対応アナログ入力のみを持つ「A-70A」なのである。
今回はこのA-70Aにスポットを当て、前モデルA-70との比較を通して進化したサウンドについて検証してゆく。
パイオニアが手掛けるピュアオーディオ系のプリメインアンプとしては、久々の10万円オーバークラスとなるモデルとして2012年に登場した「A-70」。同社のAVアンプで磨きをかけたクラスDアンプを2ch仕様に落とし込むとともに、192kHz/32bit対応USB-DACを内蔵する物量投入モデルであり、非常にC/Pも高く、改めてピュアオーディオにかけるパイオニアの並々ならぬ意気込みの強さを感じ取れるものであった。
そして2015年、「A-70」の後継機として「A-70A」「A-70DA」が誕生した。前モデルから大きく変わったのが、クラスDアンプを積む出力段の直前までフルバランス構成を取り入れたことだ。
USB-DACを含む機能面も踏まえた進化という点では、11.2MHz・DSD入力にも対応したA-70DAが純粋なグレードアップ機となるが、アナログ入力しか持たないシンプルな構成の「A-70A」も用意された。こちらは、バランス出力搭載USB-DAC「U-05」やネットワークプレーヤー「N-70A」等とXLRバランス接続することで、更なるステップアップを図れることがポイントとなる。これ以上デジタル入力が加わる必要性がないと考える方にとって、A-70Aは最良の選択肢だ。
パイオニアがクラスDアンプを
ピュアオーディオコンポに採用する理由とは?
フルサイズコンポのプリメインアンプにおいて、クラスDアンプを採用したモデルはあまり多くはない。特に、アナログ入力しか持たないモデルで採用しているという点で、A-70Aはかなり異色の存在といえるかもしれない。
クラスDアンプながらアナログ入力に特化した理由は、パイオニアがブラッシュアップを重ねて着実に積み上げてきた技術の蓄積にある。だからこそ今このタイミングで、これまでに培った技術を生かし、2ch環境でも十分アナログアンプと渡り合えるクオリティを持つピュアオーディオ用クラスDアンプを世に送り出したのだといえるだろう。その可能性を愚直なまでに追い求めてきたパイオニアのスピリットが、このクラスDアンプには凝縮されているのである。
クラスDアンプのメリットを最大限味わえるのは
「単体DAC+A-70A」の組み合わせ
クラスDアンプはデジタル入力と親和性が高く、DAC内蔵機はデジタル信号のままアンプまで回路設計できるシグナルショートパスのメリットもある。しかし、今回の「A-70A」のようにバランス入力を持つアナログ・プリ段を作り込んだ設計であれば、DAC内蔵機の持つ純度の高いダイレクト感よりも、アナログ出力に贅を尽くしたDAC単体機とのバランス接続の方が音色的にも良い影響を与えるケースが起こり得るだろう。
DAC内蔵機ではスペースの制約も当然あり、DAC段へのこだわりにも限界がある、応答性に優れるクラスDアンプによってその限界さえも明確に描き出してしまう。ゆえに最もクラスD方式の持つメリットを一層味わえるモデルは、USB-DACさえも省いた、バランス対応アナログ入力のみを持つ「A-70A」なのである。
今回はこのA-70Aにスポットを当て、前モデルA-70との比較を通して進化したサウンドについて検証してゆく。