今週試聴会も開催される注目イヤフォンをチェック
AROMA「Witch Girl Pro」&「Witch Girl S」レビュー〜新しいブランド像を見せてくれるイヤフォン
一方のWitch Girl Proのサウンドである。低域のダイナミック型ドライバーの効果もあり、ベースがどっしりと響くウォームな傾向だ。設計陣としては音楽の大事な要素である低域のエナジーを表現するには、大入力時における耐歪特性の高いダイナミック型を用いることがひとつの解であったそうで、BAドライバーの繊細で鮮やかな描写性と相まってヘッドホンで聴いているかのような豊かな量感を持つサウンドを楽しめる。
クラシックのレヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』(CDリッピング:44.1kHz/16bit)では、管弦楽器の鮮やかで艶良い旋律をハリ良く描き、ティンパニの豊かな胴鳴りを中心とした低域の押し出し感の深さと共に、リッチなホールトーンが響きわたる。『飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013』(96kHz/24bit)においては、厚みのあるふくよかなハーモニーが音場を満たし、管弦楽器の旋律の煌びやかさも滑らかに描き出す。個々のパートのほぐれも感じられるが、温かみのある響きに包まれたハーモニーの融合感の方が増す印象だ。
ジャズのオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(CDリッピング:44.1kHz/16bit)では、ウォームなピアノのまろやかなタッチを中心に、ウッドベースの太くむっちりとした胴鳴りの豊かさ、スネアブラシのハリ良い際立ち感が一体となり、優しげな音が満ちる音場が現れる。
ロックのデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』(CDリッピング:44.1kHz/16bit)においてもこの印象は同様で、太く押し出し良いリズム隊と粘りのあるエレキギターのリッチなディストーションサウンドが密度良く際立つ。ヴォーカルのボトムは太さもあり、ハスキーな口元の明瞭感によって適度なキレも得ることができる。
女性バラードのLia『Planetarian〜星の人〜』(96kHz/24bit)では、重厚なオーケストラレーションをバックにした艶とハリのあるウォームなヴォーカルを滑らかに描き出す傾向だ。ベースもゆったりと伸びやかで、シンセの煌びやかなフレーズも適度な厚みを持っている。中域のエナジーも十分で、繊細ながらもパワー溢れるLiaの声の説得力を存分に味わえた。
TRUE『サウンドスケープ』(96kHz/24bit)でも印象的なのはやはり低域。パワフルな低域を持つリードとホーンセクションのソリッドな高域の際立ちによって、ゴージャスなサウンドが展開。粘りあるベースとヴォーカルのクールかつ艶やかな描写のバランスも良く、アップテンポながら落ち着きある表現となっている。
今回、聴いて分かったことは、Witch Girl Proはダイナミック型ドライバーを2基積んでいることもあり、再生側の駆動力が求められる傾向にある。可能であればポタアンとの併用をお薦めしたい。
これらWitch Girlシリーズには国内のケーブルブランドWAGNUSとコラボレーションしたφ2.5mm・4極バランス駆動用リケーブルも用意されており、Witch Girl S用の「Sera」、Witch Girl Pro用の「Karine」がラインナップされた。
ケーブルをSeraに交換したWitch Girl SをDP-X1Aのバランス端子に繋いで聴いてみると、解像度の高さ、音場の爽快さが増した印象で、ヴォーカルや弦楽器の艶やかさも向上。低域方向の倍音もより豊かになり、ウッドベースもむっちりとした艶が乗る。質感も滑らかに描かれ、よりスムーズなサウンドを楽しめるようになった。
もう一方のKarineに交換したWitch Girl Proは中低域のリッチさが増し、よりダイナミック型ドライバーの存在を感じるゴージャスなサウンドになる。ロックにおけるエレキギターの存在がより大きく描かれるようになり、サウンドバランスの印象も変化して来るようだ。
AROMA製品は目新しい技術を盛り込んでいるわけではないが、“ユーザー発信”による“ユーザー目線”の製品開発を標榜しており、開発者自らが楽しいと思えるものを提供する、新しいブランド像を我々に見せてくれている。Witch Girl シリーズはAROMA開発陣の感じた“音の楽しさ”を満喫できる、バランスの良さと大らかさに溢れたイヤホンだ。
12月3日(土)・4日(日)には、e☆イヤホン全国4店舗にて「Witch Girl」の最新モデルとなる「Witch Girl 12」の試聴会が実施される。参加にあたっての予約等は必要ないので、Witch Girl 12の実際の音に触れてみてほしい(関連ニュース)。
クラシックのレヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』(CDリッピング:44.1kHz/16bit)では、管弦楽器の鮮やかで艶良い旋律をハリ良く描き、ティンパニの豊かな胴鳴りを中心とした低域の押し出し感の深さと共に、リッチなホールトーンが響きわたる。『飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ コンサート2013』(96kHz/24bit)においては、厚みのあるふくよかなハーモニーが音場を満たし、管弦楽器の旋律の煌びやかさも滑らかに描き出す。個々のパートのほぐれも感じられるが、温かみのある響きに包まれたハーモニーの融合感の方が増す印象だ。
ジャズのオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(CDリッピング:44.1kHz/16bit)では、ウォームなピアノのまろやかなタッチを中心に、ウッドベースの太くむっちりとした胴鳴りの豊かさ、スネアブラシのハリ良い際立ち感が一体となり、優しげな音が満ちる音場が現れる。
ロックのデイヴ・メニケッティ『メニケッティ』(CDリッピング:44.1kHz/16bit)においてもこの印象は同様で、太く押し出し良いリズム隊と粘りのあるエレキギターのリッチなディストーションサウンドが密度良く際立つ。ヴォーカルのボトムは太さもあり、ハスキーな口元の明瞭感によって適度なキレも得ることができる。
女性バラードのLia『Planetarian〜星の人〜』(96kHz/24bit)では、重厚なオーケストラレーションをバックにした艶とハリのあるウォームなヴォーカルを滑らかに描き出す傾向だ。ベースもゆったりと伸びやかで、シンセの煌びやかなフレーズも適度な厚みを持っている。中域のエナジーも十分で、繊細ながらもパワー溢れるLiaの声の説得力を存分に味わえた。
TRUE『サウンドスケープ』(96kHz/24bit)でも印象的なのはやはり低域。パワフルな低域を持つリードとホーンセクションのソリッドな高域の際立ちによって、ゴージャスなサウンドが展開。粘りあるベースとヴォーカルのクールかつ艶やかな描写のバランスも良く、アップテンポながら落ち着きある表現となっている。
今回、聴いて分かったことは、Witch Girl Proはダイナミック型ドライバーを2基積んでいることもあり、再生側の駆動力が求められる傾向にある。可能であればポタアンとの併用をお薦めしたい。
これらWitch Girlシリーズには国内のケーブルブランドWAGNUSとコラボレーションしたφ2.5mm・4極バランス駆動用リケーブルも用意されており、Witch Girl S用の「Sera」、Witch Girl Pro用の「Karine」がラインナップされた。
ケーブルをSeraに交換したWitch Girl SをDP-X1Aのバランス端子に繋いで聴いてみると、解像度の高さ、音場の爽快さが増した印象で、ヴォーカルや弦楽器の艶やかさも向上。低域方向の倍音もより豊かになり、ウッドベースもむっちりとした艶が乗る。質感も滑らかに描かれ、よりスムーズなサウンドを楽しめるようになった。
もう一方のKarineに交換したWitch Girl Proは中低域のリッチさが増し、よりダイナミック型ドライバーの存在を感じるゴージャスなサウンドになる。ロックにおけるエレキギターの存在がより大きく描かれるようになり、サウンドバランスの印象も変化して来るようだ。
AROMA製品は目新しい技術を盛り込んでいるわけではないが、“ユーザー発信”による“ユーザー目線”の製品開発を標榜しており、開発者自らが楽しいと思えるものを提供する、新しいブランド像を我々に見せてくれている。Witch Girl シリーズはAROMA開発陣の感じた“音の楽しさ”を満喫できる、バランスの良さと大らかさに溢れたイヤホンだ。
12月3日(土)・4日(日)には、e☆イヤホン全国4店舗にて「Witch Girl」の最新モデルとなる「Witch Girl 12」の試聴会が実施される。参加にあたっての予約等は必要ないので、Witch Girl 12の実際の音に触れてみてほしい(関連ニュース)。