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【特別企画】ネットワーク/USB-DAC再生機能を内蔵

KEF「LS50 Wireless」の実力をチェック ー スピーカー銘機をアクティブ化&Wi-Fi内蔵

公開日 2016/12/22 15:22 土方久明
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DSPによって、LS50の優れたタイムアライメントをさらに強化

技術面でのハイライトは、KEF社が本機に投入した数々の高音質化技術だ。入力から出力まで順を追って説明したい。

LS50 Wirelessには単なる「アクティブ化」にとどまらない、最新技術が多数搭載されている

まず入力されたデジタル音声信号は、全て192kHz/24bitにアップコンバートされる。アナログ信号も192kHz/24bitのデジタル信号にA/D変換され、いずれもDSPに送られる。

DSPでは192kHz/24bitのまま、時間軸補正と帯域分割を行う。本機がDSDフォーマットに対応していないのは、DSP内部の処理を上記のサンプリング周波数/ビットレートで行っているためだ。そのほか、デスクへ設置した場合などで、反射などを考慮し最適な補正を行ってくれる機能も搭載している。余談であるが、これらのデジタル処理はLINNのEXAKTと関係はなく、KEFの独自技術である。

DSPを通ったデジタル信号は、デジタル信号のまま両chのスピーカーに割り振られ、帯域ごとにウォルフソン社製DACチップによりD/A変換される。なお、片chで2つのDACチップを使用するという贅沢な設計を採用している。

ユニットはLS50から引き続き同軸2ウェイユニット「Uni-Q」を搭載

Lchの背面端子部。左右chはLANケーブルでつなぐ

アンプ部は高域用に30WのAB級アナログアンプ、中低域用に200WのクラスD(デジタル)アンプを左右スピーカーにそれぞれ個別に搭載したマルチアンプ方式を採用。ちなみに、1つのスピーカーの各ユニットを複数のアンプで駆動するマルチアンプ方式は、ホームオーディオでも限られた一部のハイエンド・マニアのみが行う手法である。

なお通常のアクティブスピーカーは、小型で扱いやすいクラスDアンプで全てのユニットを駆動する場合が多い。しかし本機は高域用に低歪で特性の良いアナログアンプを使用し、特性の全く違う2種類のアンプをDSPによって制御するという、かなり高度な駆動方式を採用している。

DLNA、USB、Bluetoothの再生音質をチェックする

今回はDLNAによるネットワーク再生、PCからのUSB-DAC再生、Bluetooth再生を行い、それぞれの音質と使い勝手をレポートしていきたい。

LS50 Wirelessの試聴の模様

まずは配線を行う。それぞれのスピーカーに電源ケーブルを接続して、左右を1本のLANケーブルで結ぶ。続いて右チャンネルのスピーカーにWi-Fi、もしくは有線LANを接続して、ルーターと接続する(今回の試聴には主に有線LANを使用した)。そして操作アプリを端末にインストールすれば終了だ。

<DLNA再生>
各帯域のスピードが揃い、各楽器がピンポイントに定位する

それでは本機の目玉機能、ネットワーク再生から試してみよう。NASにはfidataのミュージックサーバー「HFAS1」を使用した。インストールしたアプリを起動させて再生を開始する。

「アンドレア・バッティストーニ - イタリア・オペラ管弦楽・合唱名曲集(FLAC 96kHz/24bit)」を聴いた。音が出てすぐに、正確なサウンドステージが構築されていることに驚く。声楽隊とオーケストラ、各楽器がそれぞれピンポイントに定位している。ベースモデルのLS50はUni-Qドライバの搭載により位相特性に優れていたが、今聴いている音は、それに加え、各帯域のスピード感が完全に揃っている印象。内蔵されたDSPとアンプ部が予想以上の効果を発揮していることがわかる。

専用アプリからネットワーク再生を操作しているところ(画面はAndroid用。以下同)

NASのライブラリをブラウジングしている画面

一方で、筆者にはアンプ内蔵によるデメリットは全く感じられなかった。逆にこの音を、LS50とプリメインアンプという通常のシステムで再現するのは大変な作業になるかもしれないと思ったほどだ。

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