DDFA搭載のフルデジタル・ヘッドホンアンプ
デノン「DA-310USB」は高級ヘッドホンをどこまで鳴らせるか。4機種と組み合わせテスト
■【組み合わせ3】ベイヤーダイナミック「T1 2nd Generation」
倍音豊かな華やかな再現。600Ωモデルを余裕持って鳴らす
続いてはハイインピーダンス機の代表格、ベイヤーダイナミック「T1 2nd Generation」だ。全体的に高域の軽やかな華やぎ感、倍音成分の豊かさによる艶やかな表現を引き出してくれる傾向にある。
駆動力についてはHD 800のときよりも幾分ボリュームが上がったものの、聴いていた値は-34dB周辺で、まだまだ余裕もある。第2世代となり豊かさの増した低域も密度高く再現し、ウッドベースの弾力感や管弦楽器のしなやかなディティールがゴージャスな響きを生む。
オーケストラの低域方向の伸びも豊かで、中域の高密度な表現と合わせ、緻密で落ち着きあるサウンドとなっている。ピアノのタッチは硬質で転がるような描写となるが、ハーモニクスは爽やかで上品だ。ボーカルは口元の動きまでを分離良く描写する。11.2MHz音源では、カラッと澄んだ倍音の響きに包まれる心地良い描写を聴くことができた。
■【組み合わせ4】HiFiMAN「HE1000 V2」
音像の緻密で自然な厚み、シームレスで立体的な音場を堪能
最後は平面駆動ドライバーを積むHiFiMAN「HE1000 V2」だ。従来機からイヤーパッドの材質やヘッドバンド構造、ハウジングの薄型化などに加え、ケーブル線材もより上質なものに変更し、特性を改善。インピーダンス値でいうと35Ωと決して高くないが、感度が90dBとやや低め。振動板面積も広く、ヘッドホンアンプにとっては駆動力を要求されるモデルといえるだろう。
ボリューム位置はT1 2nd Generationとさほど変わらず、DA-310USBの駆動力については全く心配のないものと実感することができた。平面駆動ならではの歪み感のない、スムーズでナチュラルなサウンド。音像の緻密で自然な厚み、シームレスで立体的な音場性など、高級機ならではの情報量の多さを堪能することができる。
ジャズの奔放なグルーブ感も躍動感に溢れ、ピアノやウッドベースも透明感高く伸びやかで、オーケストラの立ち上がりもスムーズだ。ボーカルは艶良く潤いに溢れた有機的な描写となり、質感もナチュラルで品位の高い落ち着きに溢れたものとなる。11.2MHz音源で味わえた、音像がふわっとスムーズに立ち上がる様は印象的であった。片やロックのエレキギターも粒が細かくエナジーに溢れた押し出しの良いサウンドで、これもまた魅力的である。
■「AK380」をトランスポートに、PCレスのデスクトップシステムを構築
さらにDA-310USBとHE1000 V2はそのままで、入力ソースをポータブルプレーヤーの高級機Astell&Kern「AK380」を接続してみた。OTGケーブルを介したAK380のUSBオーディオ出力機能を生かした接続となるが、ハイレゾ高級DAPをトランスポートとして、PCレスの高音質なデスクトップオーディオシステムを構築し、そのサウンドを聴いてみる試みである。
MacBook Proとの接続に比べて多少平面的な音場になる印象だが、伸びやかでストレスのない空間性や、艶良く滑らかな楽器の描写力、朗らかで密度の高いボーカルの存在感を味わうことができた。DA-310USBのデジタルアイソレーターやDDFAの能力の高さも相まって、ハイレゾDAPをソースとした場合でも十分S/Nの高い自然なサウンドを味わえるだろう。
倍音豊かな華やかな再現。600Ωモデルを余裕持って鳴らす
続いてはハイインピーダンス機の代表格、ベイヤーダイナミック「T1 2nd Generation」だ。全体的に高域の軽やかな華やぎ感、倍音成分の豊かさによる艶やかな表現を引き出してくれる傾向にある。
駆動力についてはHD 800のときよりも幾分ボリュームが上がったものの、聴いていた値は-34dB周辺で、まだまだ余裕もある。第2世代となり豊かさの増した低域も密度高く再現し、ウッドベースの弾力感や管弦楽器のしなやかなディティールがゴージャスな響きを生む。
オーケストラの低域方向の伸びも豊かで、中域の高密度な表現と合わせ、緻密で落ち着きあるサウンドとなっている。ピアノのタッチは硬質で転がるような描写となるが、ハーモニクスは爽やかで上品だ。ボーカルは口元の動きまでを分離良く描写する。11.2MHz音源では、カラッと澄んだ倍音の響きに包まれる心地良い描写を聴くことができた。
■【組み合わせ4】HiFiMAN「HE1000 V2」
音像の緻密で自然な厚み、シームレスで立体的な音場を堪能
最後は平面駆動ドライバーを積むHiFiMAN「HE1000 V2」だ。従来機からイヤーパッドの材質やヘッドバンド構造、ハウジングの薄型化などに加え、ケーブル線材もより上質なものに変更し、特性を改善。インピーダンス値でいうと35Ωと決して高くないが、感度が90dBとやや低め。振動板面積も広く、ヘッドホンアンプにとっては駆動力を要求されるモデルといえるだろう。
ボリューム位置はT1 2nd Generationとさほど変わらず、DA-310USBの駆動力については全く心配のないものと実感することができた。平面駆動ならではの歪み感のない、スムーズでナチュラルなサウンド。音像の緻密で自然な厚み、シームレスで立体的な音場性など、高級機ならではの情報量の多さを堪能することができる。
ジャズの奔放なグルーブ感も躍動感に溢れ、ピアノやウッドベースも透明感高く伸びやかで、オーケストラの立ち上がりもスムーズだ。ボーカルは艶良く潤いに溢れた有機的な描写となり、質感もナチュラルで品位の高い落ち着きに溢れたものとなる。11.2MHz音源で味わえた、音像がふわっとスムーズに立ち上がる様は印象的であった。片やロックのエレキギターも粒が細かくエナジーに溢れた押し出しの良いサウンドで、これもまた魅力的である。
■「AK380」をトランスポートに、PCレスのデスクトップシステムを構築
さらにDA-310USBとHE1000 V2はそのままで、入力ソースをポータブルプレーヤーの高級機Astell&Kern「AK380」を接続してみた。OTGケーブルを介したAK380のUSBオーディオ出力機能を生かした接続となるが、ハイレゾ高級DAPをトランスポートとして、PCレスの高音質なデスクトップオーディオシステムを構築し、そのサウンドを聴いてみる試みである。
MacBook Proとの接続に比べて多少平面的な音場になる印象だが、伸びやかでストレスのない空間性や、艶良く滑らかな楽器の描写力、朗らかで密度の高いボーカルの存在感を味わうことができた。DA-310USBのデジタルアイソレーターやDDFAの能力の高さも相まって、ハイレゾDAPをソースとした場合でも十分S/Nの高い自然なサウンドを味わえるだろう。
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