重要ブランドの「新たなレファレンス」

RMEのPCM 768kHz/DSD 11.2MHz対応AD/DAコンバーター「ADI-2 Pro」発売。20万円前後

公開日 2016/12/18 11:21 オーディオ編集部:浅田陽介
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(株)シンタックスジャパンは、同社が取り扱うRMEの最新AD/DAコンバーター「ADI-2 Pro」を2016年12月17日より発売開始した。価格はオープンプライスで、200,000円前後での実売が予想される。


2016年12月17日より発売開始となったRME「ADI-2 Pro」(¥OPEN/予想実売価格¥200,000前後)
ADI-2 Proは、RMEのラインアップのなかでもレファレンスとして位置づけられる単体のAD/DAコンバーター。


ADI-2 Proの画面表示。同社としては初となるPCM768kHzやDSDへの対応に注目

ADI-2 Proのリアパネル。本機は2chのAD/DA機能に特化した仕様となっている
最大の注目は、RME製品として初となるDSD対応と、192kHzを超えるPCM 768kHzへの対応だ。今年の6月に発表会(関連ニュース)が行われたほか、11月に開催されたINTER BEEでも展示(関連ニュース)され大きな注目を集めた本機だが、今回その発売日と価格、そしてさらなる詳細が発表されたことになる。

これまでRMEは192kHzまでのPCMにこだわり製品開発を行ってきたが、その大きな理由は、RMEがあくまで録音をはじめとしたプロオーディオ環境での使用を想定していたことが関係する。RMEは「必要のものを最高のスペックで作る」ことをポリシーとするだけに、このPCM 768kHz/DSD 11.2MHz対応は大きな意味を持つものと見て良さそうだ。

ちなみに、DAコンバーターとしても極めてハイスペックなADI-2 Proだが、ADコンバーターとしても世界的にも極めて貴重なPCM 768kHz/DSD 11.2MHz対応機となっている。


215W×130Dmmというコンパクトなボディに収められた10層構造のメインサーキット。アナログ経路は完全バランス構成だ
そんなハイスペックな仕様を実現できた大きな理由としては、基幹パーツとなるADコンバーター、DAコンバーター部のそれぞれのチップのアップグレードが大きい。


ヘッドホンアンプ機能もADI-2 Proの大きな魅力。パラレル出力や2つ別々のソースの出力に加え、バランス駆動にも対応した
ADコンバーターには、旭化成製の4ch ADCチップ「AK5574」をデュアルモノで搭載。一方のDAコンバーターには2ch DACチップとしてオーディオファイルから大きな支持を獲得するAK4490をそれぞれのステレオ出力に対して1基ずつマウントした。


視認性の高い操作性を実現するIPS方式のディスプレイも搭載する
ADI-2 Proが通常のDAコンバーターと大きく異なるのは、録音ツールとしての側面も持つことである。そのためEQや位相メーター、スペクトラム・アナライザーなどさまざまな信号処理を行う仕様となっているが、ADI-2 Proではそうした内部の信号処理に2.17ギガフロップ(2922MIPS)のハイパフォーマンスDSPを搭載。768kHzという極めて豊富な情報量を持つ音信号でも十分なパワーを獲得することに成功している。こうした動作の高い安定性は、必然的に音質にとっても大きなメリットを持つといって良さそうだ。

また、ADI-2 Proに搭載されたメインボードにも注目したい。基板そのものは10層構造となっており、そのサーキットデザインはRMEのノウハウが存分に盛り込まれたもの。極めて緻密にデザインされた回路デザインとした上で、TI製のSoundPlusをオペアンプに採用。S/Nや全高調波歪み、スルー・レート等さまざまな項目で極めて高いスペックを実現した。

内部のアナログ信号経路が完全バランス回路となっていることも注目で、コンデンサーはDCプロテクションとなる入力ソケット部にのみ、定評あるニチコン製MUSEを搭載。215W×130Dmmというコンパクトなボディの内部は、あらゆる面で音質を最優先したデザインとなっている。

さらに注目はヘッドホンアンプ機能だ。開発時に「モニタリング用のヘッドフォンアンプとしての性能を重要視した」という本機のヘッドフォンアンプは、S/N比120dBという数値を実現。事実上ノイズ・フリーのリスニング環境を可能としており、2つあるヘッドホン端子は同じソースをパラレルで出力することはもちろん、異なるソースを再生することも可能となっている。また、ハイインピーダンス機を駆動することも念頭に置かれた設計となっていることも注目すべきポイントだろう。

ADI-2 Proが他のUSB DACと大きく異なるのが、ADコンバーター機能の実装だ。これはマスタリングを始めとした用途を想定しているものだが、コンシューマー的に見れば昨今ニーズが高まりつつあるアナログレコードをはじめとしたアナログ音源のデータ化するためのインターフェースとしても使用できることを意味している。

前述のとおり、現時点でPCM 768kHz/DSD 11.2MHzという最高峰のスペックを実現したADコンバーターとして本機は非常に重要な位置づけとなる製品だ。もちろん、本機以外にアナログ音源のデータ化の際に使用するアプリケーションも必要となるが、高精細、高画質、広視野角のIPS方式液晶パネルも含めてユーザーの工夫次第でさまざまな使い方を実現する製品とみていいだろう。

なお、本機の詳細は2017年1月19日に刊行される『季刊・ネットオーディオ』誌でも紹介予定。そちらも合わせてご参照いただきたい。

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