装着性や機能性も向上
“音の良さ”を追求したスポーツ向けBluetoothイヤホン。デノン「AH-C160W」を聴く
■“スポーツイヤホン”の枠にとどまらない音の良さが魅力
BluetoothのオーディオコーデックはAACとSBCに対応する。iPhoneなどiOSデバイスとの組み合わせに本領を発揮してくれそうだ。今回は筆者のiPhone 7で音楽配信サービスの音源を聴きながら音質をチェックした。
AH-W150と同じ11.5mm口径のダイナミック型ドライバーを採用している。各帯域の音がスムーズにつながってまとまりが非常に良い。低域はしっかりとした厚みがあって、中高域の透明感も犠牲にしていない。エネルギッシュなサウンドだ。アタックの立ち上がりは素速いが、押し出しは滑らかだ。
スヌープ・ドッグのアルバム「Coolaid」から『Two Or More』では歯切れのよいラップに、分厚い低域のビートが腹の底を突き上げてくるような手応えがいい。メインボーカルとコーラスとのレイヤーもきちんと描き分けられて、立体的な音場が広がる。
スポーツで疲れた身体は、女性ボーカルのバラードでも聴きながらクールダウンしたいもの。ウィルソン・フィリップスのアルバム『Shadows And Light』から「You Won't See Me Cry」を聴いてみる。低音ばかりが分厚く鳴り響くイヤホンで聴くと、いかにも興ざめに感じられる曲だが、AH-C160Wは軸の安定したしなやかな低音が足場を固めて、そのうえボーカルが煌びやかなメロディやストリングスの優しい和音が重なってくる。階調表現もしっとりとしてきめ細かい。
シリコンとComply、どちらのイヤーピースを選んでも音のキャラクターにブレがなく、デノンが目指した「音質に妥協しないワイヤレススポーツイヤホン」というコンセプトが明快に伝わってきた。
装着感については、ハウジングの周囲を覆うように装着するシリコン製の「イヤーリング」と呼ばれるパーツが快適さの向上に一役買っている。ハウジングを耳にぴたりと密着させても、エッジがあたって不快に感じるようなことがない。イヤホン本体のタッチノイズを抑える効果にも結びついているようだ。
デノンのイヤホン技術の集大成と呼ぶべき、音の良いワイヤレスイヤホンが誕生した。音質に加えて優れた装着感と防水性能も備えているので、スポーツ以外にも様々な生活シーンで活躍してくれるだろう。
(山本 敦)
BluetoothのオーディオコーデックはAACとSBCに対応する。iPhoneなどiOSデバイスとの組み合わせに本領を発揮してくれそうだ。今回は筆者のiPhone 7で音楽配信サービスの音源を聴きながら音質をチェックした。
AH-W150と同じ11.5mm口径のダイナミック型ドライバーを採用している。各帯域の音がスムーズにつながってまとまりが非常に良い。低域はしっかりとした厚みがあって、中高域の透明感も犠牲にしていない。エネルギッシュなサウンドだ。アタックの立ち上がりは素速いが、押し出しは滑らかだ。
スヌープ・ドッグのアルバム「Coolaid」から『Two Or More』では歯切れのよいラップに、分厚い低域のビートが腹の底を突き上げてくるような手応えがいい。メインボーカルとコーラスとのレイヤーもきちんと描き分けられて、立体的な音場が広がる。
スポーツで疲れた身体は、女性ボーカルのバラードでも聴きながらクールダウンしたいもの。ウィルソン・フィリップスのアルバム『Shadows And Light』から「You Won't See Me Cry」を聴いてみる。低音ばかりが分厚く鳴り響くイヤホンで聴くと、いかにも興ざめに感じられる曲だが、AH-C160Wは軸の安定したしなやかな低音が足場を固めて、そのうえボーカルが煌びやかなメロディやストリングスの優しい和音が重なってくる。階調表現もしっとりとしてきめ細かい。
シリコンとComply、どちらのイヤーピースを選んでも音のキャラクターにブレがなく、デノンが目指した「音質に妥協しないワイヤレススポーツイヤホン」というコンセプトが明快に伝わってきた。
装着感については、ハウジングの周囲を覆うように装着するシリコン製の「イヤーリング」と呼ばれるパーツが快適さの向上に一役買っている。ハウジングを耳にぴたりと密着させても、エッジがあたって不快に感じるようなことがない。イヤホン本体のタッチノイズを抑える効果にも結びついているようだ。
デノンのイヤホン技術の集大成と呼ぶべき、音の良いワイヤレスイヤホンが誕生した。音質に加えて優れた装着感と防水性能も備えているので、スポーツ以外にも様々な生活シーンで活躍してくれるだろう。
(山本 敦)