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超軽量でデザインにもこだわった“非カナル型”イヤホン ー フィリップス「SHE4205」をレビュー
■“普通に使いやすく、変に目立たない”が個性の非カナル型イヤホン
3,000円前後クラスのイヤホンはここ1年ほどで全体の底上げが著しく、「3,000円にしては音がよい」という程度では、もう特別に注目はされないような状況だ。十分な音質はもちろん、音にしても音ではない部分にしても、その製品ならではの個性が求められる。
「SHE4205」はその個性を備える製品のひとつだ。女性が使うことも意識したモデルとのことだが、その特徴を歓迎するユーザーは、性別を問わずに少なからずだろう。その個性とは「普通に使いやすくて、変に目立たない」ということだ。
まず「普通に使いやすい」という面は、単純に着け心地がよいというところに代表される。
最近の別売イヤホンの主流は「カナル型」、イヤホン本体からシリコン製のイヤーピースが飛び出ていて、それを耳の穴の中に挿入するタイプだ。耳栓のような遮音性で周囲の騒音をある程度カットして、適度な音量で音楽を楽しむことができることが特長。しかし、耳の穴の中に異物を入れる感覚が苦手な方もいらっしゃるだろう。
対してこちらのモデルは非カナル型。iPhone付属イヤホン「EarPods」のポスト部分をカットしたような形状だ。着け心地もEarPodsに近く軽やか。実際の質量もケーブル含めて質量13gと超軽量だ。遮音性はカナル型と比べると皆無というレベルだが、外の音が聞き取りやすいことを利点と考えることもできる。
次の「変に目立たない」というのはデザイン性の話だ。前述のように、おおよその形状は「EarPodsのポスト部分をカットしたような」印象。さて、他の人がEarPodsを装着している様子は街中などで見かけることが多いと思うが、装着時のEarPodsで目立つのはあのポスト部分ではないだろうか?つまりあのポスト部分がないこのモデルは、装着時の外観が実にすっきりしているのだ。髪型によってはどんなイヤホンを着けていてもおおよそ隠れて目立たないだろう。しかし耳周りを出している方にとってここはポイントになるのでは?と思う。
色合いも、ブラックモデルはブラック+メタリックブラック、ホワイトモデルはホワイト+ゴールドだが、メタリック仕上げなのは耳に当たる内側部分が主。装着時にはアクセント的に外周に少し見えるといった様子だ。あからさまに輝くことはなく、たまにキラっとする程度だろう。悪目立ちをすることのない、隠れたお洒落だ。
その他の面では、リモコンはワンボタンタイプで再生/停止と通話の機能を装備。ケーブルの耐久性も高めてある。
■明るくてすっきりとした音。滑舌良くボーカルの言葉が立つ印象
音調はというと、明るくて滑舌の良い印象。中低音の厚みは控えめで、中高域の見せ方の方に振ったチューニングだ。今お使いのイヤホンの低音がうるさい、楽器のバランスは確保しつつ、もう少し軽やかですっきりとした感じで聴きたい。そんな方におすすめしたい。
滑舌が良いというのは、もちろんまずはボーカルで特に感じる。声のアタックがパシッとしていて、言葉が立っている。相対性理論「夏至」のように、ボーカルのリズムに面白みのある曲だとそこがさらに際立ったりもするし、ラップ的なボーカル、あるいはラップそのものとの相性も良いだろう。他にも、ギターのカッティングなど中高域の細かなリズムもやはりカチッとした感触になり、リズムが見えやすい。
ベースなど低域の厚みや太さは前述のように控えめ。しかしこの相対性理論「夏至」やQ-MHz feat. 小松未可子「ふれてよ」など、ロックのニュアンスは強くても基本的にはポップスでボーカルが中心の曲などを、そのままボーカル中心に楽しむ分には、低域の不足はさほど気にならないかもしれない。そこは各リスナーの音楽の聴き方や好みの問題だ。
いずれにせよ、低域が控えめにしてもそれは好みの範疇に収まる程度の控え方であり、音楽全体のバランスを崩すほど中高域に偏っているということはない。ロックのドライブ感やクラブ系の重低音を楽しみたいとなるとそれは難しいが、そうでないならば十分な低音は確保されている。
装着感もルックスもサウンドも、さり気なさが身上。別にイヤホンにすごいこだわるってわけではないけれど、何でもいいってわけでもない。そんな方に気にしてみてほしいモデルだ。
(高橋 敦)
<編集部・川田が実際に使ってみた>
耳への収まりが良いコンパクトさ。音質はボーカルがはっきりとして歌モノが楽しい
SHE4205のホワイト色モデルは、白がベースのシンプルなデザインに、ピンクゴールドに近い色の縁取りをあしらっていて、iPhoneとの見た目の相性もばっちり。
イヤホンはカナルタイプのものしか使ったことがなく、インイヤータイプの形状は外れやすいのでは不安だったけれど、SHE4205はコンパクトながら小さすぎないサイズ感で、耳への収まりもすごく良くて驚いた。長時間歩いたり動き回っていても、落ちるようなことはなかった。着け心地は、つけている感触がもはやないくらい軽い。同時期発売のBluetoothヘッドホン「SHB4405」のイヤーパッドと同じく、滑らかな感触も気持ち良い。このあたりは、人間工学に基づいてデザインを行っているフィリップスらしい。
音は輪郭がくっきりしていて、ボーカルがはっきりと気持ち良く耳に届く。ついつい音量を上げがちになるけれど、オープン型ということもあって、音量は適度に抑えるようこころがけて使った。その一方で、外の音が聴き取れるのは、歩きながら使う上でとても安心感があるということがよくわかった。
(川田菜月)
3,000円前後クラスのイヤホンはここ1年ほどで全体の底上げが著しく、「3,000円にしては音がよい」という程度では、もう特別に注目はされないような状況だ。十分な音質はもちろん、音にしても音ではない部分にしても、その製品ならではの個性が求められる。
「SHE4205」はその個性を備える製品のひとつだ。女性が使うことも意識したモデルとのことだが、その特徴を歓迎するユーザーは、性別を問わずに少なからずだろう。その個性とは「普通に使いやすくて、変に目立たない」ということだ。
まず「普通に使いやすい」という面は、単純に着け心地がよいというところに代表される。
最近の別売イヤホンの主流は「カナル型」、イヤホン本体からシリコン製のイヤーピースが飛び出ていて、それを耳の穴の中に挿入するタイプだ。耳栓のような遮音性で周囲の騒音をある程度カットして、適度な音量で音楽を楽しむことができることが特長。しかし、耳の穴の中に異物を入れる感覚が苦手な方もいらっしゃるだろう。
対してこちらのモデルは非カナル型。iPhone付属イヤホン「EarPods」のポスト部分をカットしたような形状だ。着け心地もEarPodsに近く軽やか。実際の質量もケーブル含めて質量13gと超軽量だ。遮音性はカナル型と比べると皆無というレベルだが、外の音が聞き取りやすいことを利点と考えることもできる。
次の「変に目立たない」というのはデザイン性の話だ。前述のように、おおよその形状は「EarPodsのポスト部分をカットしたような」印象。さて、他の人がEarPodsを装着している様子は街中などで見かけることが多いと思うが、装着時のEarPodsで目立つのはあのポスト部分ではないだろうか?つまりあのポスト部分がないこのモデルは、装着時の外観が実にすっきりしているのだ。髪型によってはどんなイヤホンを着けていてもおおよそ隠れて目立たないだろう。しかし耳周りを出している方にとってここはポイントになるのでは?と思う。
色合いも、ブラックモデルはブラック+メタリックブラック、ホワイトモデルはホワイト+ゴールドだが、メタリック仕上げなのは耳に当たる内側部分が主。装着時にはアクセント的に外周に少し見えるといった様子だ。あからさまに輝くことはなく、たまにキラっとする程度だろう。悪目立ちをすることのない、隠れたお洒落だ。
その他の面では、リモコンはワンボタンタイプで再生/停止と通話の機能を装備。ケーブルの耐久性も高めてある。
■明るくてすっきりとした音。滑舌良くボーカルの言葉が立つ印象
音調はというと、明るくて滑舌の良い印象。中低音の厚みは控えめで、中高域の見せ方の方に振ったチューニングだ。今お使いのイヤホンの低音がうるさい、楽器のバランスは確保しつつ、もう少し軽やかですっきりとした感じで聴きたい。そんな方におすすめしたい。
滑舌が良いというのは、もちろんまずはボーカルで特に感じる。声のアタックがパシッとしていて、言葉が立っている。相対性理論「夏至」のように、ボーカルのリズムに面白みのある曲だとそこがさらに際立ったりもするし、ラップ的なボーカル、あるいはラップそのものとの相性も良いだろう。他にも、ギターのカッティングなど中高域の細かなリズムもやはりカチッとした感触になり、リズムが見えやすい。
ベースなど低域の厚みや太さは前述のように控えめ。しかしこの相対性理論「夏至」やQ-MHz feat. 小松未可子「ふれてよ」など、ロックのニュアンスは強くても基本的にはポップスでボーカルが中心の曲などを、そのままボーカル中心に楽しむ分には、低域の不足はさほど気にならないかもしれない。そこは各リスナーの音楽の聴き方や好みの問題だ。
いずれにせよ、低域が控えめにしてもそれは好みの範疇に収まる程度の控え方であり、音楽全体のバランスを崩すほど中高域に偏っているということはない。ロックのドライブ感やクラブ系の重低音を楽しみたいとなるとそれは難しいが、そうでないならば十分な低音は確保されている。
装着感もルックスもサウンドも、さり気なさが身上。別にイヤホンにすごいこだわるってわけではないけれど、何でもいいってわけでもない。そんな方に気にしてみてほしいモデルだ。
(高橋 敦)
<編集部・川田が実際に使ってみた>
耳への収まりが良いコンパクトさ。音質はボーカルがはっきりとして歌モノが楽しい
SHE4205のホワイト色モデルは、白がベースのシンプルなデザインに、ピンクゴールドに近い色の縁取りをあしらっていて、iPhoneとの見た目の相性もばっちり。
イヤホンはカナルタイプのものしか使ったことがなく、インイヤータイプの形状は外れやすいのでは不安だったけれど、SHE4205はコンパクトながら小さすぎないサイズ感で、耳への収まりもすごく良くて驚いた。長時間歩いたり動き回っていても、落ちるようなことはなかった。着け心地は、つけている感触がもはやないくらい軽い。同時期発売のBluetoothヘッドホン「SHB4405」のイヤーパッドと同じく、滑らかな感触も気持ち良い。このあたりは、人間工学に基づいてデザインを行っているフィリップスらしい。
音は輪郭がくっきりしていて、ボーカルがはっきりと気持ち良く耳に届く。ついつい音量を上げがちになるけれど、オープン型ということもあって、音量は適度に抑えるようこころがけて使った。その一方で、外の音が聴き取れるのは、歩きながら使う上でとても安心感があるということがよくわかった。
(川田菜月)