バランス対応、小型・高機能で約4万円
ついに出たミニDAP! オンキヨー“rubato”「DP-S1」&パイオニア“private”「XDP-30R」最速ハンドリング
■新開発OSでサクサク動作。ストレスフリーな操作感
OSも既存の大型モデルとは完全に別物だ。既存の大型モデルはAndroidベース。対して今回の新モデルは、Androidと同じくLinuxカーネルがベースだが、このモデルのために新開発されたシステムだ。
基本的には、非常に多機能なAndroidをオーディオに最適化させていくよりも、最小限のシステムをベースに必要な機能だけを足していく方が、より無駄がなく、軽いシステムを作りやすい(もちろんAndroidを採用すれば様々なアプリを使えるなど、別のメリットがあるのは言うまでもない)。
システムを軽くできれば、低消費電力で安価なチップでも軽快に動作し、バッテリーサイズもダイエットできる。DP-S1とXDP-30Rが「小型かつ低価格」を実現した背景には、このシステムの貢献も大きいだろう。バッテリーライフもカタログスペックで連続駆動15時間を実現している。
その動作は非常に軽快。ユーザーの操作から実際に画面が切り替わり終えるまでの速度は、近年のタッチ操作DAPでも最速クラスな印象。これぞ「サクサク」だ。
電源オンオフ時の起動と終了の処理も速い。通勤や通学時に使うことが多いDAPは、一瞬の操作のモタつきが大きなストレスになる。本機であれば、そんなストレスとは無縁でいられる。
ただし画面はDP-X1AやGRANBEATなどと比べはるかに小さいし、フォントやアルバムアートのドット感もある。このあたりは動作負荷と消費電力の低減、低コスト化とのトレードオフと考えたい。
さて、軽いOSをベースに、オーディオに必要な機能だけを足したのが両モデルだが、その「足された機能」に同社ならではの強みが含まれている。
・Hi-bit32
・アップサンプリング
・デジタルフィルター切替
・ロックレンジアジャスト
という、おなじみのサウンドカスタマイズ機能がフル装備されているのだ。それらの機能を新規システムに実装する際には、AVアンプの開発者も活躍したとのこと。総合オーディオメーカーの強みが発揮された部分と言えるだろう。