HOME > レビュー > デノン「AVR-X6300H」実力検証。性能とサイズを両立した準旗艦 11ch AVアンプ

単体で7.1.4のアトモス/DTS:X再生に対応

デノン「AVR-X6300H」実力検証。性能とサイズを両立した準旗艦 11ch AVアンプ

公開日 2017/04/10 10:48 山之内正
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大音量のアトモス再生でも圧迫感や飽和感がなく、全方位に余韻が広がる

LGの4K OLEDディスプレイと組み合わせ、UHD BDとBDを再生してマルチチャンネル再生のクオリティを確認する。

ドルビーアトモス音源は『マッドマックス 怒りのデスロード』(UHD BD)を視聴した。まずなによりも7.1chシステムにトップスピーカーを4本追加しても1台のアンプでまかなえるのは本機の大きなアドバンテージで、煩雑になりがちな配線を集約できるメリットも大きい。再生音は効果音の音数の多さと質感の高さにまず注目すべきだが、それはAVR-X7200WAでも体験済みだ。

サラウンドでは、AVR-X6300Hの凝縮された筐体からは想像もつかない、大音量でも飽和感のない鮮度感の高いサウンドを聴かせてくれた

本機の場合はそれに加えて空間の大きさが際立ち、特に家庭では限界と思えるほどの大音量で聴いたときにも圧迫感や飽和感がなく、全方位に広がる音の余韻が上方に向かって抜けていく感覚すら体感することができた。特性の揃った1台のアンプに信号処理と増幅を集約させるメリットと、パワーアンプの実質的な性能に十分な余裕があることを物語っている。

『オデッセイ』(BD)はマークが事故に合う冒頭場面と終盤の火星からの脱出シーンを再生した。この作品は聴き手を取り囲む効果音の密度が高く、均質性が高いことに特徴がある。今回用意したスピーカーの音色と位相が精度高く揃っていたこともあり、AVR-X6300Hの再生音は隙間なく全方向に広がり、一体感のあるサウンドを味わうことができた。

宇宙船本体が発進する場面ではエンジン音の音圧が低い音域で発生するが、その振動で船体のきしみなど他の効果音がマスクされることがなく、状況をリアルに描き出していることに強い印象を受けた。

プロムスのライヴ映像で聴いたゲルギエフの指揮によるマーラー第6番はオーケストラ全体の一体感とディテール再現が両立し、サラウンド再生では広大なホールのパースペクティブ豊かな空間再現が聴き手を圧倒する。アンプ側にまだ余裕がありそうだったので通常の1.5倍ほどの大音量で鳴らしてみると、トゥッティが飽和しないどころか、フォルテシモの瞬発力は思いがけず大きく、全奏の頭がつかえる感覚がない。

AVR-X6300Hの凝縮された筐体からは想像しにくいが、このアンプは駆動力の点でも上級機に引けを取らないポテンシャルを秘めている。

(山之内 正)

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