[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第187回】ポータブルDAP+スマホの2台使い、持ち物を増やさずどこまでスマートに運用できるか?
■ポータブルオーディオの“運用プラン”を考える
まず、今回サンプルとする仮想ユーザーは以下のような環境と設定する。
》音楽再生にはバランス駆動対応ポータブルプレーヤーを使い、愛用イヤホンをリケーブルしてバランス駆動で運用
》ストリーミング配信やラジオは通信環境のあるスマートフォンで聴くけれど、そのiPhone 7にはイヤホン端子がない
問題は「スマホでラジオを聴こうとしてもスマホ側にイヤホン端子がない……」というところだ。ではその問題への対策となる運用パターンをまずはざっと挙げてみる。
▼問題)スマホでラジオを聴こうとしてもスマホ側にイヤホン端子がない…
● 策-A:バランス駆動端子-3.5mmシングルエンド駆動端子変換アダプタからのLightning-3.5mm変換ケーブルで多段変換
● 策-B:スマホに接続する時はケーブル自体を3.5mmシングルエンド駆動ケーブルに交換、そこからLightning-3.5mm変換ケーブルで変換
● 策-C:スマホに接続する時はケーブル自体をLightningケーブルに交換
● 策-D:スマホ/プレーヤーともにBluetoothリケーブルでワイヤレス接続
今回は話が広がりすぎないように、ポータブルアンプの追加や高音質スマホへの一本化といった選択肢は省略し、「プレーヤーとスマホの二台持ちは維持した上でどう対応していくか?」に絞らせていただいた。絞らせていただいた、のだが……
「多段変換」「変換」「交換」と面倒そうな文字が並んでおり、自分で書いていてすでに「これもう『「持ち物をシンプルに少なくできるのは正義!』とか無理じゃんね……」という気分になってしまっていることは否めない。
■各プランを検討する
だが、しっかり検討すれば良い感じの妥協点は見つけられるかもしれない。一縷の希望にすがって各プランの細かな検討に進もう。
●策-A:バランス駆動端子-3.5mmシングルエンド駆動端子変換アダプタからのLightning-3.5mm変換ケーブルで多段変換
シングルエンド駆動で良い音をさせてくれるプレーヤーもいくらだってある。しかしバランス駆動対応プレーヤーの場合、その物量やお値段はバランス駆動込みでその物量やお値段になっているわけで、使わないともったいない感がある。そこを重視するとこのパターンになるわけだ。スマホ利用時の変換アダプタは音質面ではやはり少し不利な要素ではあるが、今回スマホはラジオ聴取などにしか使わない前提なのでそこはたいした問題ではない。
しかし一目瞭然、小物とはいえ持ち運ぶアイテムは増えるし、不格好だ。写真は2.5mm端子の場合だからまだ良いが、これが4.4mmからとなると、大きな端子から小さな端子に変換することになるので、その大きさ重さの負荷が機器の端子部にかかるのでは?という不安もある。Lightning-2.5mmやLightning-4.4mmを直接変換してくれるアダプタやケーブルが出てきてくれると嬉しいのだが。