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IFI-Audioの真空管へのこだわり

「電子管(GE 5670)、これが重要なのです」。iFI-Audioのサウンドの秘密

公開日 2017/04/28 17:53 iFI-Audio(翻訳:生塩昭彦)
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公式な記録に残っているガラス管

記録に残っている5670/2C51/ECC40の製造元は以下のとおりです(各カテゴリーの電子管の音質のランキングはやっていません。あまりに主観的な判断になりますので):

●最良
・WE USA(396Aとして発売されました。ゲッターのバージョンにDとOがあります):おそらくは最高のものと思われますが、オリジナルの「良品」を定評のある売り主から高額で入手するのは、運次第です。
・Bendix USA(6385として発売されました):非常に稀少で、超高価です。
・GE 5670 USA:AMRのCD777SE/DP-777SE及びiFiのProシリーズ、iTube、iTube2に使用しているものです。

●中程度
・レイセオンUSA製
・タングソルUSA製の旧ソビエトの6N3P-EV OTKマーク付きの在庫

●最悪
・ソビエト=ロシアの6N3P(キリル文字のマークが付いているので6H3Пになっています)民生タイプの中国バージョン(6N3として発売されました)
5670/2C51は後にヨーロッパで発売されたECC88と同じデータを持ち、適用対象も同じなので、ヨーロッパの電子管メーカーはこのタイプの電子管を集中的に製造しました。
「England」のマークが付いた電子管も見られますが、これらの大半はロシア製のユニットに「England」のマークを付け替えたもののようです。
Sylvania(シルバニア)も5670を作っていましたが、これも「Mullard」(ムラード)というマークに替えられています。これは真正なMullardではありません。Mullardはこのバージョンの電子管は作ったことがないからです。ブランド名を付け替えただけのものということです。結論として、AMRのCD/DP-777SEやiFiのPro iCan, iTube、iTube2に関しては、私たちは一生懸命稼いだお金をWE396AまたはBendix USA以外のものには使わないということです。

(注1)背景について多少説明しましょう。5670/2C51は、技術的観点から考えると、6922電子管の「プレミアムバージョン」ということができます。設計がより優れており、プレートが頑丈で、マイクロフォニック雑音が少ない……等々の利点があるのです。

つまり、6922を所有している人は、iFi-Audioの製品以外でも6922を使うことができ、これによってより良い音質を得ることができますが、5670/2C51ファミリーの電子管をアダプターを介して使っている場合は、すでに「大砲(より優れたもの)」を使っていることになるということです。


(注2)5670と6922は同じピン配列になっていますが、そもそもの基本設計が異なるので、直接の互換性はありません。

AMR CD/DP-777SEは6922のピン配列を使い、5670を6922のピン配列に変換するためのアダプターを使っています。ですから、6922と5670の両方を使うことができるのです。iFiのPro iCAN、iTube、iTube2は5670用に配線したソケットしか装備していないので、6922を差し込むことはできません。

話をさらに進めましょう。私たちの製品に使われているような素晴らしい5670電子管が、容易に入手できるにも関わらず実際には使われていないとしたら、それは何か重要な要素が欠けているからではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。上述したように、この電子管は長年にわたってレーダーの下で「飛んでいた」ので、6922とその同等品がずっと広く知られていたのです。しかし、人気があれば品質も良い、ということにはなりません。

純粋に技術的な側面で言えば、GE JAN 5670 NOS電子管は、商業で利用するのに十分な数量があるものの中では、最高のものです。
(1) まとまった在庫が散在していても、電子管の品質に素晴らしいほどばらつきがない
(2) ガラスが通常より厚い
(3) ウォームアップがコントロールされている
(4) グリッド電流の仕様が厳格
(5) ノイズとマイクロフォニック雑音が低く、並外れて長寿命である

真に軍事グレードの「新古」の5670電子管は(欲しくても入手が困難な他の多くの電子管と違い)かなり容易に入手することができるので、その潜在能力を引き出そうとしないのは恥ずべきことではないでしょうか。それゆえ私たちは、GE JAN 5670 NOSがどのように働き、どのような音を生み出すのかをすべて知ったうえで、その能力をできる限り最大に引き出しているのです。

iFi-Audioでは、与えられた課題のために最良の部品を探すよう、常に努力をしています。これはリップサービスではありません。必死でそれを目指しているのです!

私たちは数多くのメーカーの数多くの部品で実験し、計測し、試聴します。そして、広範囲にわたる調査を行って、ひとつひとつを厳選します。もしも全ての部品の決定をGE JAN 5670 NOSの場合と同じようにシンプルに行うことができれば、私たちのエンジニアの生活はずっと楽になり、もっと多くの時間をパブで過ごすことができるでしょうに!

結論として言えることは、この電子管は信じがたいほどのコストパフォーマンスを示すということです。正直なところ、これ以上のものを手に入れることはできないでしょう。私たちは現場にいて、それをなし遂げたのです。

保証期間を過ぎたPro iCANでもちろん自由に試していただけますが、「正常」と思われる金額で買えるものの中で、これ以上に良い結果が出るものがあるとはとても思えません。この件に関しては、私たちを信用してください。音質の話になったら、ジョークなど言わないのです。

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