AKG「N40」と「N30」どっちを買うべき？ 編集部・風間が自腹購入レポート

■だが、N30には一つ大きな問題が…

だが調べていくうち、一つ問題があることに気づいた。

それは、N30のMMCX端子の形状だ。これがかなり独特で、市販されているMMCXケーブルの多くが、うまくハマらない。つまりリケーブルの選択肢がかなり少ない。一部非常に高額なケーブルで適合するものもあるが、イヤホンと同じ程度の価格となると、さすがに躊躇してしまう。

ふだん使っているDAP「AK320」は、当然ながら2.5mmのバランス端子を備えている。アンバランスで聴いても良い音なのだが、せっかくならバランスでも聴きたい。

いっぽうのN40は同じくMMCXを採用しているが、こちらは多くのケーブルに対応している。当サイトでもいくつかのケーブルとのマッチングテストを掲載している。

正直、ここでかなり迷った。

N30にはリモコン付きケーブルが同梱される。だが筆者のスマホがイヤホン端子のないiPhone 7ということもあり、N30と組み合わせるのはほぼDAPに限られる。Android系DAPのときはリモコンを重宝するだろうが、そうでないDAPのときは、なるべくリモコン無しのケーブルを使いたい。

N30でリケーブルが楽しめない、バランス出力もできないとなると、音の好み以前の問題になってしまう。それならばN40をリケーブルしたり、メカニカル･チューニング･フィルターを付け替えて遊んだ方がよい。

…やっぱりN40にしようかな。

◇

こうして、4万円ちょっとを握りしめてN40を買おうと考えていた矢先。中野へ「ヘッドホン祭2017春」の取材に出かけたら、ハーマンブースであるものを発見した。

………なんと！ N30にも使える純正リケーブルだと！！ まだ参考出品の段階ではあるが、素材も6N OFCとなかなかハイグレードっぽい。価格もまだ正式決定ではないとのことだが、おおむね15,000円程度という価格も、まあ現実的なラインに収まっている。これを使えばN30の唯一のネックだったリケーブル問題が解決しそうだ。

会場では試聴も行えた。ケーブルが正式発表されたら詳細なレビューをお届けする予定だが、手持ちのDAPにつないでバランス接続し、聴き慣れた楽曲をいくつか聴いてみると、音場が確実に一段階広がった印象。分離もよく、見通しがさらに良くなった。N30にはまだこれほどのポテンシャルがあったのか…と驚いた次第だ。このケーブルが発売されたら、アンバランスとバランスの両方を楽しめ、手持ち環境を活かすことができる。

…ということで、ここまで引っ張りまくりましたが、これにてようやく決定！

N30と純正リケーブル、しめて45.000円くらいをお買い上げします。もうすぐ手元に届く予定。楽しみです！