【連載】角田郁雄のオーディオSUPREME
CDから生演奏のような臨場感を引き出す ー CHORDのCDトランスポート「Blu MkII」を聴く
■M-Scalerを搭載した最新CDトランスポート、「Blu MkII」の登場
このDAVEと対になるCDトランスポートとして新たに登場したのが、「Blu MkII」(関連ニュース)だ。
従来のCODAは、AES/EBUまたはBNC(同軸)のデュアル・ワイヤー接続(2本のデジタルケーブルを用いて同社製DACへと接続する)によって、CDを176.4kHz/24bitへアップコンバートしてDACへ伝送するという方式を採っていた。
これに対してBlu MkIIは、内部に最新の高速演算FPGA(ザイリンクス「XC7A200T」)を搭載し、ここにロバート・ワッツ氏が新開発した「M-Scaler」というアルゴリズムを投入した。このFPGAでは、528個ものDSPが稼働し、1,015,808タップという大規模な演算を実現するというから驚きである。
このM-Scalerというものは、一般的なサンプリングレート・コンバーターとは違い、CDから高精度な音の立ち上がりや臨場感を得るために、冒頭に説明したような音響心理学に基づいてWTAフィルターと同様の思想を盛り込んだ超高解像度技術と言うべきものだ。
特筆すべきは、DAVEとの接続において、前述のDAVE内部のWTA1フィルター(16倍)をバイパスし、WTA2フィルターへ直接接続することだ。これはBlu MkII内部のM-Scalerで高密度な理想のオーバーサンプリングを実行して、なおかつDAVEの処理負荷を下げてD/A変換の精度を向上させるための施策である。
実際のデジタル出力の仕様を確認したが、BNCシングル接続(デジタルケーブル1本)では44.1〜192kHz/24bitまでデジタル出力でき、BNCデュアル接続(デジタルケーブル2本)では、176.4kHz〜768kHz/24bitまで出力できる。また後面のスイッチで、シングルの場合2倍/4倍/8倍、デュアルの場合4倍/8倍/16倍とUPサンプリングの倍数を3段階に設定できる。CDは44.1kHzなので、最大16倍の705.6kHz/24bitで出力することになる。なお今回の仕様では、AES/EBUのデュアル接続では、176.4kHzまたは、192kHz/24bitに限定された。
Blu MkIIから追加された機能で興味深いのは、BNC同軸とUSB入力を装備したことだ。FPGA処理によるM-Scalerを積極的に活用するというアイデアである。例えばパソコンやオーディオNASのUSB出力をBlu MkIIに接続して、768kHzへ拡張してDAVEから再生するという使い方が可能になる。USB入力は、最大で768kHz PCMおよび11.2MHz DSDに対応する。
そのほか、初期に発売されたCDを再生するときに有効な、弱音の再現性を高める「ディザー」のオン・オフも可能だ。肝心なCDドライブメカは、CODAに搭載したフィリップスのCDM-Pro2と同等の性能を備えるアルミ筐体製の独自CDメカドライブを搭載した。電源には、CHORDこだわりの高速スイッチング電源SMPSを用いている。
このDAVEと対になるCDトランスポートとして新たに登場したのが、「Blu MkII」(関連ニュース)だ。
従来のCODAは、AES/EBUまたはBNC(同軸)のデュアル・ワイヤー接続(2本のデジタルケーブルを用いて同社製DACへと接続する)によって、CDを176.4kHz/24bitへアップコンバートしてDACへ伝送するという方式を採っていた。
これに対してBlu MkIIは、内部に最新の高速演算FPGA(ザイリンクス「XC7A200T」)を搭載し、ここにロバート・ワッツ氏が新開発した「M-Scaler」というアルゴリズムを投入した。このFPGAでは、528個ものDSPが稼働し、1,015,808タップという大規模な演算を実現するというから驚きである。
このM-Scalerというものは、一般的なサンプリングレート・コンバーターとは違い、CDから高精度な音の立ち上がりや臨場感を得るために、冒頭に説明したような音響心理学に基づいてWTAフィルターと同様の思想を盛り込んだ超高解像度技術と言うべきものだ。
特筆すべきは、DAVEとの接続において、前述のDAVE内部のWTA1フィルター(16倍)をバイパスし、WTA2フィルターへ直接接続することだ。これはBlu MkII内部のM-Scalerで高密度な理想のオーバーサンプリングを実行して、なおかつDAVEの処理負荷を下げてD/A変換の精度を向上させるための施策である。
実際のデジタル出力の仕様を確認したが、BNCシングル接続(デジタルケーブル1本)では44.1〜192kHz/24bitまでデジタル出力でき、BNCデュアル接続(デジタルケーブル2本)では、176.4kHz〜768kHz/24bitまで出力できる。また後面のスイッチで、シングルの場合2倍/4倍/8倍、デュアルの場合4倍/8倍/16倍とUPサンプリングの倍数を3段階に設定できる。CDは44.1kHzなので、最大16倍の705.6kHz/24bitで出力することになる。なお今回の仕様では、AES/EBUのデュアル接続では、176.4kHzまたは、192kHz/24bitに限定された。
Blu MkIIから追加された機能で興味深いのは、BNC同軸とUSB入力を装備したことだ。FPGA処理によるM-Scalerを積極的に活用するというアイデアである。例えばパソコンやオーディオNASのUSB出力をBlu MkIIに接続して、768kHzへ拡張してDAVEから再生するという使い方が可能になる。USB入力は、最大で768kHz PCMおよび11.2MHz DSDに対応する。
そのほか、初期に発売されたCDを再生するときに有効な、弱音の再現性を高める「ディザー」のオン・オフも可能だ。肝心なCDドライブメカは、CODAに搭載したフィリップスのCDM-Pro2と同等の性能を備えるアルミ筐体製の独自CDメカドライブを搭載した。電源には、CHORDこだわりの高速スイッチング電源SMPSを用いている。
次ページBlu MkIIとDAVEが描写する、生演奏に挑むような臨場感