「AAudio」がもたらすものとは
遅延大幅減で “音ゲー” も増える? 次期「Android O」で大きく変わるオーディオ環境
■Android Oのオーディオ再生
では、Android OでHi-Fiオーディオ再生はどのように変わるのだろうか。
ひとつ確実なことは、Bluetoothオーディオ(A2DP)でサポートされるコーデックの増加だ。Android Oのデベロッパープレビューおよびパブリックベータでは、従来から標準サポートされていたSBCやAACに加え、ソニーが開発した「LDAC」とクアルコムの「aptX HD」という2つのHi-Fiコーデックが収録されている。もちろん、それらのコーデックに対応したレシーバー(Bluetoothヘッドホン/スピーカー)が必要となるが、特定の端末でなければLDACやaptX HDで再生できないという現在の状況は大幅に改善される。
USBオーディオについては、現状維持と見てよさそうだ。AndroidにおけるUSBオーディオは、Android 5.0のときOSレベルで正式にサポートされて以降、OSレベルでの再生(最大48kHz/16bit、DSD不可)とアプリ内蔵ドライバによる再生(最大384kHz/32bit、DSD可)に分かれており、この仕様はAndroid Oでも変更されない。最大48kHz/16bitというAudio Flingerの制約がAndroid Oでも残るということだ。
USB Type-C端子のみ装備する端末の場合、USB DACの接続にはUSB Type-CのOTGケーブルが必要になるが、一方ではDAC内蔵のType-Cイヤホンが登場するなど再生方法のバリエーションが増えている。Android OではLDACやaptX HDによるHi-Fi Bluetoothオーディオ再生が一般化しそうだが、ワイヤードで音楽を聴くスタイルが急速にしぼむこともないだろう。
後編では、オーディオ目線でのAndroid Oにおける最大の進化といえる、LDACおよびaptX HDサポートの実際についてお届けする予定だ。