[PR]「Kraken Pro V2 Oval」の実力をチェック
音質大幅アップ&高コスパ! プロゲーマー御用達“Razer”の新ヘッドホンは音楽リスニングも◎
クランプ圧も強すぎずむしろ緩めなのに、耳のまわりにピタリとフィットするイヤーパッドのおかげで音漏れによる音質の劣化も発生しない。ハウジングが半密閉型なので、ある程度の音量を超えると外にも音が聞こえるようになる。
インピーダンスが32Ωと、スマホやDAPでも鳴らしやすくつくられているうえ、本体が軽量設計なのでアウトドアにも持ち出してみたくなるが、ハウジング構造に由来する音漏れには十分気を配りながら使いこなしたい。なお前機種が採用していた、本体をコンパクトに折り畳めるコラプシブル構造が新しい“V2”に継承されていない。最新モデルではそのぶん本体の構造を安定させて、ポータビリティよりも音質や装着感の安定性を優先したということだろう。
今回、Kraken Pro V2 Ovalの音質チェックはMacBook AirにMeridian Audioのハイレゾ対応ヘッドホンアンプ「Explorer 2」をつないで、Audirvana Plus 3でCDやハイレゾ音源のソースを再生しながら、オーディオヘッドホンとしての実力をチェックした。
まずはEDMから、Lykke Liの『I Follow Rivers(The Magician Remix)』を聴く。想像していたよりもずっとS/Nが高く、クリアで見通しが良い。解像度も秀逸で、微細な音の粒がキリッと立っている。低音は立ち上がりが鋭く、ビートが軽やかにホップする。沈み込みも深く、奥行き感の豊かな情景を描く。明るく伸びやかなシンセサイザーのハイトーンが気分を高揚させてくれる。
旧モデルと聴き比べると音場が明らかに広がり、中低域の歪みっぽさがきれいに取り除かれている。“V2”でドライバーを大型化した効果が活きているのだろう。音楽を楽しむためのヘッドホンとして、ひと皮むけた印象がある。
Brad Mehldauのジャズ・ピアノは、アルバム「10 Years Solo Live」に収録されている『My Favorite Things』のライブ演奏を聴いた。ピアノの音色も清らかに澄み渡ってきこえる。
比べてしまうと、前機種の音はもったりとして重たく感じられるが、“V2”では制動力が上がって、激しくダイナミックな演奏の音も制動がしっかりと効いていてだぶつかない。歪みも少なく、アコースティック楽器の生音をリアルに再現する。ピアニッシモの繊細な音まで輪郭が引き締まっている。
Todd Rundgrenのアルバム「Something/Anything?」から『It Wouldn't Have Made Any Difference』を選曲した。ボーカルの滑らかな声の抑揚が指先で触れているみたいに感じるほどリアルに伝わってくる。コーラスと甘く溶け合う和音の階調表現力も豊かだ。バンドの演奏が有機的につながる。前機種では奥に引っ込んできこえるボーカルが、新モデルでは音源は活き活きと前に出て存在感を打ち出してくる。少し元気なチューニングだが、アーティストの息吹が間近に感じられるような感覚もまた心地よかった。
前機種と色んな点を比較してみて、特にサウンドは大きな飛躍を遂げていると実感した。筆者は正直、ルックスからするとベースヘビーなチューニングのヘッドホンなのだろうと先入観を持って試聴に挑んだが、間違いだった。細かな音を捉える解像感、音の定位を明瞭に描く力は、もともとプロゲーマーのシビアな評価にさらされながら培ってきたRazerのノウハウによるものなのだろう。楽曲の世界に深く没入できる確かなパフォーマンスを備えたオーディオヘッドホンだ。価格の割にとてもコストパフォーマンスが高いところにも注目したい。
Razerは作年秋にTHX社の買収に成功している。今後は急成長が見込まれるVRゲームの音響分野に両社のノウハウが融合してケミストリーが起きれば、今までになかった全く新しいヘッドホンサウンドのかたちが生まれるかもしれない。これからのRazerはマークしておかなければならないブランドだ。
(提供:MSY株式会社)