専用アプリの完成度&進化にも注目
パイオニア「N-70AE/N-50AE」レビュー。音質&使い勝手がさらに進化したネットワークプレーヤー
■N-50AEを聴く ー 上位機譲りの音調を備えたハイC/Pモデル
対する「N-50AE」もコストパフォーマンス抜群だ。DACチップはN-70AEと同じES9016Sだが、こちらはシングルで搭載し各チャンネルそれぞれ4chパラレル駆動させている。N-70AEと同様の「リジッドアンダーベース」、回路もしっかりと3分割されている。インシュレーターも平行面を無くし、定在波の影響を抑えた新型が採用されているなど、価格を考えると限界とも思える物量投入がされている。
音質については、ネットワークや外付けハードディスクからの再生では、絶対的な解像度や低域の立体感こそやはりN-70AEが勝るが、音色的には同傾向でコストパフォーマンスはむしろ高い。またSpotifyやradikoといったストリーミングサービスへの接続、AirPlayやChromecastによるワイヤレス音声伝送といったネットワーク機能はN-70NEと同等であることには注目したい。
■快適なコントロールを実現する操作アプリ「Remote App」
最後に、ネットワークプレーヤー選びで重要な要素である、操作アプリの仕上りについて言及しておきたい。本機2台は純正アプリ「Remote App」が使用できる。正直に話すと、筆者が執筆を初めた3年前の時点では、同社のアプリはユーザーインターフェイスなどの使い勝手やレスポンスにはまだ改善の余地を感じる部分があった。しかし数年を経て、同社のアプリの完成度は目覚ましい進歩を遂げていた。しかも8月31日のアップデートで「Play Queue」機能に対応。いわゆる「プレイリスト再生」も行えるようになった。
プレーヤーの認識スピードも早く、音源を選択してから再生するまでがスムーズ(この部分が操作アプリに要求される大切な要素である)。ソース切り替えも直感的だ。アプリを閉じても再生は止まらず、付属するリモコンも含めて複数の操作端末の同時使用にも対応するなど、快適なネットワーク再生が可能になっている。
プレイリスト機能「Play Queue」については、アプリ上の楽曲リストに表示されている「+」ボタンをタッチするとPlay Queue追加のポップアップが展開。任意の楽曲を「今すぐ再生」「次に再生」「最後に再生」のいずれかで再生するか選択できる。もちろん、リストの並び変えやリスト上の楽曲の削除も可能だ。このPlay Queueの追加は非常に大きなもので、この「Remote App」の高評価を決定づけるものとなる。
本体の機能だが、パソコンを使わなくてもe-onkyoで購入した楽曲をダウンロードできる、e-onkyoダウンロード機能にも対応している点も大きい。これにより、N-70AE/N-50AEを、パソコンを一切介使うことなくミュージックサーバーのように活用することもできる。外付けHDDを挿したままHDDへネットワーク経由で楽曲をコピーできるのも、使い勝手の上で大きなポイントと言える。
◇
進化の早いデジタル再生の世界で、ネットワークプレーヤーに求められる要素は変化してきた。音質、ネットワークプレーヤー導入の意義となる卓越した操作性に加え、そして様々な再生方式への対応力やパソコンを使わないファイル管理などが求められてきたのである。
N-70AE、N-50AE共に従来モデルから音質は大きく上がった。そして、ネットワークプレーヤーとしての付加価値の高さも感じた。4TBほどの大容量ハードディスクを接続すれば、もはやNASはいらない。そしてe-onkyoダウンロード機能を利用すれば、パソコンを使用してのファイルの移動さえいらなくなる。この2台はネットワーク再生の弱点とも言える、機材の多さやファイル管理の手間などを根本的に改善できる。
最近はオーディオ用NASをトランスポートとしてUSB-DACと組み合わせる再生方法が台頭しており、単体のネットワークプレーヤーは改めて存在意義が問われている。そのような中において、音質と機能の品質を高めた2台のプレーヤーの登場に、ネットワークオーディオの新たな盛り上がりを期待せずにはいられない。
(土方 久明)
対する「N-50AE」もコストパフォーマンス抜群だ。DACチップはN-70AEと同じES9016Sだが、こちらはシングルで搭載し各チャンネルそれぞれ4chパラレル駆動させている。N-70AEと同様の「リジッドアンダーベース」、回路もしっかりと3分割されている。インシュレーターも平行面を無くし、定在波の影響を抑えた新型が採用されているなど、価格を考えると限界とも思える物量投入がされている。
音質については、ネットワークや外付けハードディスクからの再生では、絶対的な解像度や低域の立体感こそやはりN-70AEが勝るが、音色的には同傾向でコストパフォーマンスはむしろ高い。またSpotifyやradikoといったストリーミングサービスへの接続、AirPlayやChromecastによるワイヤレス音声伝送といったネットワーク機能はN-70NEと同等であることには注目したい。
■快適なコントロールを実現する操作アプリ「Remote App」
最後に、ネットワークプレーヤー選びで重要な要素である、操作アプリの仕上りについて言及しておきたい。本機2台は純正アプリ「Remote App」が使用できる。正直に話すと、筆者が執筆を初めた3年前の時点では、同社のアプリはユーザーインターフェイスなどの使い勝手やレスポンスにはまだ改善の余地を感じる部分があった。しかし数年を経て、同社のアプリの完成度は目覚ましい進歩を遂げていた。しかも8月31日のアップデートで「Play Queue」機能に対応。いわゆる「プレイリスト再生」も行えるようになった。
プレーヤーの認識スピードも早く、音源を選択してから再生するまでがスムーズ(この部分が操作アプリに要求される大切な要素である)。ソース切り替えも直感的だ。アプリを閉じても再生は止まらず、付属するリモコンも含めて複数の操作端末の同時使用にも対応するなど、快適なネットワーク再生が可能になっている。
プレイリスト機能「Play Queue」については、アプリ上の楽曲リストに表示されている「+」ボタンをタッチするとPlay Queue追加のポップアップが展開。任意の楽曲を「今すぐ再生」「次に再生」「最後に再生」のいずれかで再生するか選択できる。もちろん、リストの並び変えやリスト上の楽曲の削除も可能だ。このPlay Queueの追加は非常に大きなもので、この「Remote App」の高評価を決定づけるものとなる。
本体の機能だが、パソコンを使わなくてもe-onkyoで購入した楽曲をダウンロードできる、e-onkyoダウンロード機能にも対応している点も大きい。これにより、N-70AE/N-50AEを、パソコンを一切介使うことなくミュージックサーバーのように活用することもできる。外付けHDDを挿したままHDDへネットワーク経由で楽曲をコピーできるのも、使い勝手の上で大きなポイントと言える。
進化の早いデジタル再生の世界で、ネットワークプレーヤーに求められる要素は変化してきた。音質、ネットワークプレーヤー導入の意義となる卓越した操作性に加え、そして様々な再生方式への対応力やパソコンを使わないファイル管理などが求められてきたのである。
N-70AE、N-50AE共に従来モデルから音質は大きく上がった。そして、ネットワークプレーヤーとしての付加価値の高さも感じた。4TBほどの大容量ハードディスクを接続すれば、もはやNASはいらない。そしてe-onkyoダウンロード機能を利用すれば、パソコンを使用してのファイルの移動さえいらなくなる。この2台はネットワーク再生の弱点とも言える、機材の多さやファイル管理の手間などを根本的に改善できる。
最近はオーディオ用NASをトランスポートとしてUSB-DACと組み合わせる再生方法が台頭しており、単体のネットワークプレーヤーは改めて存在意義が問われている。そのような中において、音質と機能の品質を高めた2台のプレーヤーの登場に、ネットワークオーディオの新たな盛り上がりを期待せずにはいられない。
(土方 久明)