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海上忍のラズパイ・オーディオ通信(37)

ラズパイ・オーディオのノイズ対策&S/N改善には、金属ケースとUSBブートが効果的

公開日 2017/11/01 09:30 海上 忍
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その具体的な対策は、音源の保存場所にUSBメモリなどUSBストレージを使わないこと。プラグ&プレイで領域を認識できるし、容量あたりの価格も手ごろなので扱いやすいが、Raspberry Pi 2 Model B以降に採用されている「LAN9514」というチップの特性か(USB HUB機能を内包している)、容量が嵩みがちなハイレゾ音源の再生など、断続的なI/Oが発生する時の音はややS/Nが低下する印象が拭えない。(以下ブロック図はこちらから転載)

LAN9514のブロック図

かといって、USBストレージが使えないとなると容量の嵩むハイレゾ音源の保存場所に窮してしまう。ネットワーク再生を考えない場合、micro SDに音源を置きたいものだが、Raspberry Piにおいてmicro SDはすなわち起動ディスク。システム領域として8GB程度必要な上に、楽曲をコピーするためにはFAT32領域が必要で、それにはパーティション変更という難易度の高い処理が伴うため、どうにも扱いにくい。

なお、Raspberry Pi 2 Model B/3 Model Bにおいて、音源の保存場所はUSBメモリよりmicro SDのほうが好ましいと考えられる。理由は2つ、USBメモリの再生は前述したチップに依存するため他のUSBデバイスとEthernetの影響を受けること、そしてmicro SDのバスはSoC(BCM2837)に直結であることだ。SoC直結のほうがデータ転送には有利、やはりmicro SDを楽曲の保存場所として活用する可能性は捨てがたい…。

筆者は長らくこのジレンマに悩まされてきたが、最近一つの方策が見えてきた。USBデバイスからシステムを起動させるのだ。そうすれば、micro SDカードは楽曲保存専用に、USBメモリはシステム専用ストレージにすることができる。Raspberry Pi 3でUSBブート(正確にはUSBマスストレージからのブート)がサポートされたのは昨年の話だが、Moode Audioが簡単にUSBブートへ切り替えられるUIを実装したので、導入は格段にラクになった。このタイミングを見て、本連載で紹介しようと思い立った次第だ。

バージョン3.8以降のMoode Audioには、USBマスストレージから起動できるようにするためのスイッチが用意されている

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