【特別企画】高いNC効果を継承
ボーズ「QC35 II」速攻レビュー。世界初のGoogleアシスタント搭載ヘッドホンはどう便利なのか?
■Googleアシスタントとのスムーズな連携で、より便利なヘッドホンに
さて、それでは早速、QC35 IIに内蔵されたGoogleアシスタントとの連携機能とその使い勝手を紹介しよう。
Googleアシスタントそのものについては、Android OSを搭載するスマホや昨今話題の「Google Home」など、スマートスピーカーに搭載されているグーグル独自の音声アシスタントとして広く知られている。たとえば「今日の天気は?」「バルセロナの試合結果は?」「六本木まで行きたい」などと話しかけると、スマホを介して音声アシスタントが最適な答えを返してくれる。また通知を読み上げる機能も、歩いているときなど、画面が見られない状況では特に便利だ。
とはいえ、音声アシスタントをリモコンのボタンから呼び出せる機能は、QC35をはじめ、ボーズ以外のヘッドホン・イヤホンでも既に数多く採用している。一体何が違うのかと疑問に思う方もいるだろう。
QC35 IIの場合、ペアリングしたスマホにBluetooth Low Energyで常時接続していることが特徴だ。だから、これまでの音声アシスタントに比べ格段に使い勝手が良い。
Googleアシスタントとの接続にはスマホが必要になるので、最初にBose Connectアプリを立ち上げてQC35 IIとペアリングする時に、通知を読み上げるアプリなど詳細を設定する。iPhoneで機能を利用する場合は、先にGoogleアシスタントアプリをインストールしてから、アプリも起動しておこう。
設定完了後、左のイヤーカップ側面に搭載された「アクションボタン」をクリックすると、現在の時刻とともにメールやメッセージ、電話にカレンダー、ツイッター、LINEなど、指定したアプリ通知を音声で読み上げてくれる。スマートスピーカーのように “OK Google" とウェイクワードを発声しなくても、またSiriを起動して「通知を読み上げて」などと語りかけなくても、誰にも悟られず、すぐに通知が確認できる。これは便利だ。
また常時接続しているメリットは、音声操作時の反応スピードにも顕著に現れる。たとえばiPhoneとBluetoothイヤホンを接続し、ボタン長押しでSiriを起動した場合、Siriが入力を受け付ける状態になり音が鳴るまでに3秒から5秒程度かかった。それに対して、本機でGoogleアシスタントを使う場合は、待たされる感覚がほとんどない。左側ハウジングのアクションボタンを押し、すぐに話しかけてもしっかり反応する。またタイムラグがなく、キビキビと反応が返ってくるのも快い。
さらに、ヘッドホンでも音声アシスタント機能を積極的に使いたくなるよう、グーグルとボーズが密接に連携してこの機能を完成させたことがよく分かるほど、使い勝手が洗練されている。
QC35 IIの場合、右イヤーカップの側面に搭載されている「マルチファンクションボタン」からはGoogleアシスタントが呼び出せなくなる。iPhoneの場合、マルチファンクションボタンでSiriが呼び出せるので、Googleアシスタントとハイブリッドで使えるようになるのも面白い。
なお、アクションボタンへはGoogleアシスタントだけでなく、ノイズキャンセリング効果の高/低/オフ設定も割り当てられる。Googleアシスタントをあまり使わないという方でも、アプリを使わずノイズキャンセリング効果が設定できるのは便利に感じるはずだ。
もう一つ、Bluetooth Low Energyで常時接続していながら、バッテリー持続時間が一切犠牲になっていないのも特筆すべき点だ。ワイヤレス使用時で、内蔵バッテリーは約20時間持つ。
■QC35の高いNC性能とバランスの良いサウンドをしっかり継承
ここからはQC35 IIのサウンドをチェックしていこう。ノイズキャンセリングの設定は「高」にして、街中のカフェで“グランビート”「DP-CMX1」にペアリングして、スマホに保存した音源やApple Musicの音楽ストリーミングをリファレンスにして聴いた。