【PR】評論家・高橋敦が“K2 Bluetooth”を聴く
JVCの“K2"搭載ヘッドホン“N_W”「HA-SD70BT」実力チェック! “高音質ワイヤレス”の魅力とは?
まず、補間処理を行う範囲をこれまでよりも低い周波数帯域にまで拡大。その範囲を拡張することで、より精度の高い波形補正を実現した上で、出力フォーマットは192kHz/24bitに高めた。
しかし、そこよりさらに唸らされたのは、スマートフォン等との接続がSBC/AAC/aptXのどれで行われているのかによって自動的に、それぞれのコーデックの特性に最適化された波形補正パラメーターが適用されるというところ。Bluetoothコーデックがどれであっても、それに対して得手不得手を出さず、最適な処理を行い最善の音を出力してくれるというわけだ。
この「K2」テクノロジーが最大のポイントな訳だがもちろん、Bluetoothヘッドホンとしての地力も高い。それがあってこそK2の力も発揮される。
基本的には、同じく“N_W”レーベルの“SOLIDEGE”シリーズのヘッドホン「HA-SD7」と共通するところが多い。
例えば、ドライバーはどちらも「チタンコート振動板採用ハイレゾ対応40mmドライバーユニット」だ。全体に合わせてのチューニングの違いはあるだろうが、基本スペックとしては同じものとなっている。
デザイン的にはワイヤーで構成される部分がSD7よりも減らされたことで、個性は少し薄れたかもしれない。しかし、その変更された部分に新たに仕込まれた回転ヒンジによって、ハウジングをフラットに折りたたんだ、これまでより薄型の収納形態を実現。ルックスについては好みの問題なので、こちらが好みという方もいるだろうし、コンパクトな収納形態については多くのユーザーが歓迎するところだろう。
もちろんこちらのハウジングには、リモコンや電源などのボタンを装備。ワイヤード接続のためのケーブル端子はあえて搭載しない一方、オンオフでの音の違いを実感してもらうためか「K2」専用ボタンを用意してきたあたりは、Bluetoothヘッドホンとしての覚悟と自信を感じさせる。連続再生20時間とスタミナも十分。
■「これほどすっきりとした空間性や透明感、キレを見せてくれるBluetoothヘッドホンは他に多くはない」
Astel & Kern「AK70」とのaptX接続で確認。まずはそれがこのモデル本来の使い方であろう「K2オン」の状態で進めた。
第一印象としては「Bluetoothヘッドホンでこれほどすっきりとした空間性や透明感、キレを見せてくれるヘッドホンは他に多くはないぞ!」だ。
つまり、ワイヤードのHA-SD7の持ち味をワイヤレスでも高いレベルでキープしてきたということでもある。単に技術的な挑戦や面白さを入れてきた製品というだけではなく、シリーズとしてのコンセプトやサウンドも継承する、しっかりと作り込まれたモデルだ。